建設業は人手不足?現場マンだからわかる現場の実態3選

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GENBA LAb.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。

  • 建設業のデジタル化
  • 生産性を上げる方法
  • 部下の育て方
  • 先輩や職人との接し方
  • 図面の読み方
  • 悩みの解決法

などなど、主に、現場監督目線での配信になります。 上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!

今回は、実際に現場で感じていた事を3つピックアップしてお話したいと思います。

その① 人材不足と若手不足がやばい

建設現場の職人

私が入社したのは18年前。当時バリバリの仕事をしていた職人さんが、現在はゆっくりと仕事をしています。そして、その頃に仕事をしてくれていた職人さんたちの顔ぶれが、今もほとんど変わっていません。

これはつまり、新陳代謝がほとんどないということです。現職の職人さんは、年月とともにしっかりと年を重ねます。そして若い職人さんが入ってきません。

そのため、同じ会社で受注した現場同士で、職人さんの取り合いをしたりもします。職人さんの数が限られてきている証拠です。これはおそらく建設現場あるある。どこの会社も同じような状況だと思います。

また、背景にある「発注の仕組み」も職人さんを不足させる原因です。建設業は、発注時期がどうしても同じような時期になります。特に、官庁発注工事はそれが顕著です。

新年度の4月に予算議会、議会承認。早くて4月末に公示。5月に見積、6月に発注。そして年度内(3月までに)完成。

なので中規模の現場であれば、6~10月頃に躯体工事が行われます。そして11月~2月で内外装工事。3月に検査、完成。

「年度」という制度がある以上、この流れは絶対なのです。

結果何が起きるかというと。躯体業者は夏から秋にとてつもなく忙しく、冬から春には全く仕事がない。そして仕上げ業者は、その真逆です。

ゆえにいつの時期も人手不足。ゆえに忙しさに偏りが出てしまいます。あんなに忙しかったのに、今月は一本も仕事がない。そんな声は毎年同じ時期に聞こえてくるのです。

結果として、給料が安定しない職業という事になります。だから新卒者は敬遠をしてしまう。
なかなか入ってこない若手は希少であるため、平均年齢は上がる一方。もちろん作業スピードは下がる一方。

「どうにかならんのかねぇ」と、いつの季節もどこかで誰かがぼやいています。

その② 価格が不思議と上がらない

上がらない単価

建設工事には、億単位のお金が動きます。そういう、身近な金額じゃないのも原因のひとつなのかもしれませんが、なぜか工事金額は「下げてくれるものだ」という常識があります。見積金額のままで受注することは、まずありません。

ラーメン屋さんでは提示の金額をそのまま支払いますよね?なのに、なぜ建物価格は下がると思ってしまうのでしょうか・・・というのが本音の業界人が多いのではないでしょうか。

・・・ま、下げてしまう業界の方が問題なのかもしれませんが。個人的には自分の技術を安売りしているようで本来は好きではないのです。

僕が入社した時期に比べると、現在の建設価格は確かに全体単価は上がっているのですが、それはきっと、「金額が上がった」のではなく、「低すぎた金額が適正に戻りつつある」というだけなのかもしれませんね。

とは言え、そもそも「適正価格」というものは誰にも算出できない訳で。そういう業界なのです。

そして何より疑問なのが、職人さんの数がとても減っているなら、金額は反比例して高くなってもいいと思いませんか?貴重なものほど高価になるのが世の常のはずです。なのに不思議と価格は上がっていかない。

バブル期の職人さんのイメージは、こんな感じです。高級車を乗り回してブイブイ言わせている。
夜には大酒を朝まで飲んで、8時にはラジオ体操を平気でしている。

実際に経験した職人さんは口をそろえてこういいます。

「昔は良かった。仕事はきつかったけど、働いた分ちゃんとたくさんもらえた」と。

そして、決まってこう付け加えます。

「全部使っちまった俺が悪いから、しょうがない(笑)」と。

身体に刻んだ技術をふるって仕事しているのだから、大儲けしていて当然だと思うのですが。とても悲しい現実です。そして、現場監督も然り。

その③ 実は安全だった

大丈夫

入社前に描いていたイメージは、当然のごとく3K。もしくは4K。
「きつい」・「汚い」・「危険」。加えて「給料安い」というもの。

そして、ガラの悪いお兄さんたちがたくさんいて、そこらじゅうでくわえ煙草で仕事。高いところを命綱なしでヒョイヒョイと鉄骨担いで歩く。そんな印象を持って入社しました。

じゃあ現実の建設業はどうだったのか、その真実はこうです。

「きつい」・・・
ここはきっとその通りだと思います。ただ、どの業種も楽な仕事なんてないでしょうが。

「汚い」・・・
イメージとは全くちがいました。トイレはきれい。現場のごみ置き場もしっかり分別している。何より職人さんはきれい好きな人が多い印象です。

作業をしていて汚れるのはしょうがないですが、車の整備屋さんはもっと汚れる気がします。イメージですが^^;むしろその汚れと汗、好印象じゃないですかね?と思います。

「危険」・・・
全然。手すりがびしっと整備され、ヘルメットをかぶらない職人さんなんて、今や化石の様な存在じゃないでしょうか。当然、高いところほど安全は優先されますので、安全帯なんてなくてもいいのが基本です。

むしろケガをすることが多いのは、背の低い脚立作業とかの方が多いんです。これは統計的にも。油断するんでしょうね。

そうなると、建設業に限ったことじゃないです。現場に必ず掲げる「安全第一」というのは、実は都市伝説ではないのです。ただ、たくさんの安全管理費が見積もりに計上できるわけではありません。安全にはお金がかかるとわかってほしいのが本音です。

「給料安い」・・・
これはなんとも言えませんね。価値観はそれぞれです。「給料が安いんだよね」っていう話は、建設業に限らずほとんどの人がそう思っているんじゃないでしょうか。ただ、前述の通り職人さんには大儲けしてほしいのですが。

ということで、業界に入って初めてわかったことは、建設現場はイメージとは全く違っていました。

職人さんもニコニコいい人が多いですし、見た目的に怖そうな人もいますが、それは身体を使う職業の人はおおむねそうなんではないですかね。EXILEの方とかも街にいたら普通に怖いですし(笑)

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以上が現役で現場監督をやっている私が、現場で感じた事、3選です。

もう少し理論だててお話もしたいのですが、長くなってしまうので今回は感情のままに書き連ねました。ご了承ください。少しは共感してくれる人も多いのではないでしょうか。

さて。この現状をもって、今後の発展はどうしたらいいのか。その考察については、今の世間情勢と未来予測をしないことには語れません。少しずつ紐解いていきたいと思います。

ひとつ言えることは、問題点は山積みながらも【職人は絶対に廃れない】ということです。これには実は根拠もありますが、それも少しずつお話ししていきます。

そんな素晴らしき建設業にとって、少しでもためになる情報を発信したいなと考えています。

大丈夫。建設業の未来は明るい!