
GENBA LAb.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
建設業界をもっと働きやすい場所にするために現場効率化事業をスタート。発信活動にも力を入れています。
- 建設業のデジタル化
- 生産性を上げる方法
- 部下の育て方
- 先輩や職人との接し方
- 図面の読み方
- 悩みの解決法
などなど、主に、現場監督目線での配信になります。
上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!
新人教育はチャンス!?

あなたは新人教育を任されました。
「面倒だな」
「何から教えようかな」
「また教えないとダメなのか」
こんな悩みが聞こえてきそうですね。
新人教育とは文字通り程度知識や経験が無い人間に仕事を教えることを意味します。あなたが教育のベテランでないのなら、仕事のボリュームだけではなく精神的にも負担がかかってくるかもしれません。
ですが、考えようによってはものすごいチャンスなのだとポジティブに捉えることができるのです。
僕も最初は面倒だなと思っていましたが、2~3回こなしていくとそれがもう楽しくて楽しくてしょうがないゾーンに入ってきたのです。
この時の僕の考え方にはポイントが4つあります。僕はこの考え方のおかげで新人が来る度にテンションが爆上がりしていたわけです。
今回は、皆さんが新人を任されてしまった時にどういうふうに考えていくと自分にとってプラスで尚且つその相手にとってもプラスになるようなポジティブな考え方ができるようになるのかお伝えしたいと思います。
これは新人だけではなく後輩が来た時も同様です。是非参考にしていただきたいと思います。
ポジティブに捉える4つのポイント

新人が来たときにポジティブに捉えることができるようになるためポイントをお話させていただきます。
その1.新しい価値観を身につけるチャンス!
その2.基礎を見直すチャンス!
その3.自分の分身を作れるチャンス!
その4.マネジメント能力を向上させるチャンス!
チャンス!という風に考えるこの気持ちこそが新人教育に対してとっても良い影響を与えることができるということになるのです。
その1.新しい価値観を身につけるチャンス!
僕の中の持論があります。その持論というのは『人間の能力はみんな一緒』ということです。トータルの能力を見た時には誰もがある程度一定なのではないかと思っています。
僕は自分のことは頭がいいと思っているわけではないですが、全体能力でいくと総理大臣と変わらないと思っています。総理大臣は国を治める能力に特化していますが、僕は彼と比べると建築の知識は200%負ける気がしません。
僕は建設業の能力が高いですが、国を治める能力はかなり0に等しいです。彼にとってみると国を治める能力はあるが建設の能力は0に等しいのです。全部をトータルするとバランスが取れているのだと思っています。
このように考えていくと、新卒者と自分を比べた時に自分よりも下だと思ってしまうと思います。
たまたま僕が建設業界に早く入っていた結果、建設業の知識としては絶対に新人には負けないぞという自負は当然あってしかるべきです。ただし全部に対して新人よりも知識が上だと思ってはいけないのです。
なぜなら全体能力でいくと多くの知識の中の建設の能力がたまたま低いだけということだからです。
つまり建設以外の知識を沢山もっている新人が来たと考えることできませんか?
これを考えることができると残りの能力どんなものを持っているのだろうとワクワクしませんか?
新人から僕が受け取った新たな知識を吸収し、やることにより僕の建築以外の能力は遙かに上がっていくということになるのです。相乗効果にして仲良くもなれます。距離感を縮めることも出来ます。
一方向からの教える、教わるという関係ではなく、お互いに引き上げ合う関係性を作るという意味で新人というのは非常に優秀だという風に考えることができるのです。後はそれを引き出すためのコミュニケーションです。
皆さんの持っているいろんな知識を私にくださいというポジションを取れば新人というのは環境・価値観を変える上でかなり有力な情報源になり得るということがお分かりいただけると思います。
その2.基礎を見直すチャンス!
他人に知識を教えるということは、自分もそれを理解していないといけないということです。
もし実際に教える場面でその知識について曖昧で適切に理解していなかったかもしれないということになれば、もう一度見直すチャンスと考えることができます。
例えばこのようなことが起きます。

施工図の書き方は・・・

施工図ってなんですか?

施工図というのは・・・あれなんだっけ?
この時に頭の中を整理するチャンスだなと捉え、改めて調べるのです。
質問された後にすらすらと出てくるようになれば自分の中でその知識が整理されたということになるわけです。
新人教育をするということは基礎の一番大切な部分をもう一度見つめ直し整理することができ、自分の中にインプットするチャンスなのだと前向きに捉える事ができるようになります。
その3.自分の分身を作れるチャンス!
新人は建設業の知識はほとんどありません。建設業に関しての知識が脳みそに凝り固まったものがまだないということなのです。
ということは教えれば教えるほどスポンジのように吸い込む状態になっているわけです。
培ってきたものを何もわかってない人に対して教えることができるということは、自分の今まで培ってきたこの能力を分け与えることに等しいです。新人が自分に似た考え方・価値観になっていくのは至極当然の話です。
ということはどうでしょうか?
将来育ってきた時に自分と同じような考え方を持ち仕事をしていく人間が出来上がっていくと考えることはできないでしょうか?
もしもこれができたら皆さんが出世し上司になったときに自分と同じような価値観を持っている人間たちばかりだとしたら、とてもやりやすいと思います。
つまりは自分の分身をどんどん作り出すというプロセスをやることができる権利を獲得したことになるのです。
このようなチャンスは皆に与えられたものではなく、教えなければいけないポジションの人たちにしか得られないチャンスを勝ち得たということになります。
教え方次第であなたがもう一人出来上がる可能性もあるわけです。
その4.マネジメント能力を上げるチャンス!
しっかりと指示を出したらその通りにやってくれることをマネジメント能力と言います。
あなたは新人に指示を出します。仕事のことは全くわかりませんという状態であなたの出した指示に従って動きます。その時、もし指示が的確であれば、あなたの思い描いた通りの行動をしてくれることでしょう。何もわからない人間に対して、明確な指示を与えてある程度のレベルまで持ち上げることができればあなたのマネジメント能力が成長しているということです。
つまりは、新人を教育することはこのようにマネジメント能力を上げていくということなのです。現場監督にとっては日々の業務自体がマネジメントです。
職人さんに指示を出し、職長さんと打ち合わせをしたり、自分の意思を伝え自分の思った通りの現場運営にしていきたいというところから始まっているわけです。
新人にマネジメントをしっかりすることができるということは、全ての業務においてうまくできるようになってくるということを理解いただけたのではないでしょうか。
まとめ

新人をあてがわれてしまったときはマイナスに捉えるのではなく、自分の能力を高めるチャンスが到来してきたのだと考えることもできるのです。
新たな価値観を手に入れるチャンスです!
基礎を見直すチャンスです!
自分の分身を手に入れるチャンスです!
マネジメント能力を向上させるチャンスです!
確かに新人教育というのはどうしても負担が大きくなってしまいます。その負荷が大きければ大きいほど、自分が成長できるチャンスがたくさん転がっていると考えることもできるのです。
新人が入ってきたということをネガティブに捉えるのではなく、このようにポジティブに捉え楽しみながらやっていく方がいいのではないでしょうか。そして、その楽しさは必ず新人や後輩に伝わっていきます。
皆さんの会社の若手が“仕事って楽しいよね”と育ってくれる会社は生き生きとすると思いませんか?
その一端を皆さんは担うことができるチャンスを得ているのだと考え、楽しんで新人教育を行っていただきたいと思っています。
【現場教育】できる人とできない人の違いとは【結論=逆算思考】 | GENBALab.
できる人はどうしてできるのか、できない人はなぜできないのか、その基本的な考え方をお話しさせていただきたいと思います。重要なポイントは逆算思考を持つことです。