
GENBA Lab.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
建設業の根本は「建物」と「インフラ」です。
それは、人が生活するための家もあれば、利益を生み出す施設もあります。またそれ同士を、様々な形で繋ぐインフラ。これらを構築することが建設業の責務であり、人間が生きていくためには必要不可欠なものです。
それゆえ、そこには何千年もの歴史があります。脈々と伝承された技術、理念。そしてそれがポリシーやプライドを生み、業界の原動力になっているのは間違いありません。
ところが。
今、時代は大きくうねり始めています。建物やインフラに対する価値観が大きく変わり、働き方や人同士の繋がり方も変わっています。
技術や工法が、跡形もないほどに変化してしまうフェーズに入ってきている様に思います。3Dプリンターが良い例ですね。
まだ歴史の浅い産業は、時代に合わせて業態を変化させていき、新たな産業も生みだされています。「多様化」という概念が定着し「ニューノーマル」がどんどん生まれている状況です。
そんな時代において、建設業はというと・・・
実際、職人さんの道具や、資材は大きく変化しています。少しずつですが前に進んでいる様に感じます。
そして、大手をはじめとする研究機関も、テクノロジーを駆使して新たな技術を手に入れようとし、時々ニュースも入ってきます。にもかかわらず、実感としてまるで進んでいるイメージはありませんよね。
それはなぜかというと、中小規模の建設会社の感覚が違うからだと思います。いわゆる「地元」企業は、なかなか一歩踏み出せていないという現状があるのです。
「建設業はね、今までずーっとこうやってきたんだよ」
「建設業は土地を掘らなきゃいけないんだから、デジタル化なんて必要ないよ」
事実会社にパソコンが1台しかなく、FAXで対応。見積は手書きなんて会社も普通に存在します。
もちろん、業務として回っているなら、他人がどうこう言う必要はありません。社会に貢献できており、また自分たちの生活を生み出す事の出来ているビジネスなのですから。
ただ、建設業はチーム戦。他が前に進みたくとも、誰かが足かせになってしまっている場合、そこに合わせざるを得ません。つまり、どんなに頑張っても、前に進めない土壌がそこにできてしまうのです。
そんな彼らはいいます。
「デジタル化?僕らにはどうせ無理無理。スマホも使えていないのに。」
「新しいことやっても、どうせ今までと変わらないよ。」
「やるなら本腰入れないと、ちょっと手を出したところでどうせうまくいかない」
どうせ、どうせ、どうせ。そう、建設業は今「ドウセムリ病」なのです。
デジタル化は難しいものではありません

今自分のやっている業務と、マスコミが報じている超最先端テクノロジーとがあまりにかけ離れているように感じ、「IT=難しい」という公式が出来上がっているのです。
結果、チャレンジせず、学びもしない。そんな状況の様に感じます。結果として、若者は離れ、そして寄り付かない業界になりつつあります。
地元の工芸品であれば、それでいいかもしれません。変わることが正しい事ではないから。伝統が大切であり、変わらない技術をつたえるのが使命だからです。
でも建設業は違います。
人々の生活を支える物であり、時代と共に成長していかなければいけない業界なのです。
「5Gってなに?」と言っている人が、その基地局は建てられないのですから。いつでも建設業は、時代と共に進歩しなければいけないという事なのです。
デジタル化は、実は難しいものではありません。
紙の資料を、スキャンした瞬間にデジタル化は成立するのです。誰かにメールを送った瞬間にデジタル化は成立するのです。そして、全ての技術は、その延長線上にあります。全く新しい「概念」ではないのです。
もっと便利にという考えを追求した結果であり、根本のところはデジタルだろうとアナログだろうと、結局同じなのです。
ほんの少しだけ興味をもってみましょう。
ほんの少しだけ学んでみましょう。
ほんの少しだけチャレンジしてみましょう。
僕がいつでも、サポートします。