【施工管理】若手育成のポイント【4つのフェーズ】

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現場監督の育成は、とてもハードルの高いものです。一般的な事務作業や肉体労働と違い、現場監督には特有の仕事スタイルがあるからです。

一つには「工期」というものの存在。
どんな仕事にも期日はありますが、建設現場は工事一つ一つの期間が長く、そこには一連のストーリーがあります。

例えば掘削を行なったとしても、もう一度反復して学ぶためには、次の現場の掘削まで出会えません。つまり何かを覚えたくても、繰り返しができず覚えるまでのスパンが長くなってしまうのです。

そしてもう一つは「現場」という組織形態。
建設現場のトップは現場代理人です。工事を請け負った会社の、「社長を代理」していることから名付けられました。

つまり現場においては、その現場代理人が総責任者であり、多くの権限がそこに集まります。言うならば、現場という名前の会社の、社長。億単位の売上がある会社の、社長なわけです。

この記事を書いた人

武田祐樹(たけだひろき)

総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。

現在はオンラインを中心に活動し、中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活動。YOUTUBEや音声配信、インスタグラムなどで情報発信を行い、電子書籍出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動も積極的に行う。

保有資格

  • 1級建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士

建設現場生産性向上サポート
HT RaisePLAN 代表 

目次

現場監督の育成

そんな特殊な環境下に置いて、なかなか若手が育たないという事実があります。書類や規制のハードルが上がってくることにより、育成の難しさは年々上がっています。

そもそも現場監督は、技術を売るのが商売。教育は得手ではないわけです。まして一般的な業務と違うため、外部の育成講師では教えられない部分がほとんどと言えます。

そこに人手不足、少子高齢化が上乗せされ、技術はうまく継承されていないのが現実なのです。育ってくれなければ仕事は増える一方。だけどうまく教えられない。悪循環です。

そんな若手現場監督を育成するのには、実は順序が非常に大切です。ただ闇雲に自分の業務を手伝わせ、使いっ走りのように扱っていてもうまく育ちません。

腫れ物を扱うように慎重になりすぎても、できるようにはなりません。ハイレベルなことばかり教えても、中身のない口だけ社員になってしまい、大きなミスを犯してしまいます。

だからこそ、最低限の教育プロセスはしっかりと踏ませてあげることが大切です。その基本を抑えた上で、各現場の特性を経験させてあげることが重要です。見た目が美しいケーキも、スポンジがまずければ売れないわけです。

若手育成は”順番”が大事!

じゃあその教育プロセスは何?というと、4つのフェーズが存在します。

若手教育の4つのプロセス

◆フェーズ1:現場を理解する
◆フェーズ2:現場を動かす
◆フェーズ3:現場を管理する
◆フェーズ4:会社と連携する

この順番がなによりも大切なのです。新人にいきなりフェーズ3を教えても、スカスカな人間になります。行ったり来たりしても、結局何もできない人間が育ちます。

教えすぎても、成長している実感が持てずに自信を失い、楽しくなくなります。

教えなさすぎても、仕事は単調になりつまらなくなります。

結局は「何のためにどうするべきか」を明確にし、長期のビジョンと短期の目標を与えて、着実にクリアしていっているという実感を与えなければ伸びないですし、続きません。

そしてこのフェーズを上司みんなが理解することで、早く伸びる子には次のフェーズを、足踏みする子には手を差し伸べて今のフェーズをという、臨機応変な教育をすることができるのです。

先輩の教育センスや教育レベルの差によって、ムラのある人材になってしまうということ、経験はないですか?これは会社にとって大きな不利益になります。大金を掛けている、人材投資なわけですから。

時間がかかるかからないはあると思いますが、どこまでの仕事をさせるべきかをフェーズによって判断し、適切に教育をしていくべきだと考えます。

次回、フェーズ①についてしっかりと解説していきたいと思います。

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