現場監督として現場を動かすことができ、管理をすることもできる。この段階になれば、自分で現場を完全にコントロールしているという実感が出てきます。同時に、会社にとっても財産になっていきます。
ただし会社が会社であるためには、現場をこなせるだけではいけません。現場にいるうちは組織のトップであったとしても、会社から見ると一つのセクションでしかないわけです。仮に自分だけがうまくことを運んだとして、それ以外がダメダメだと会社自体が崩壊してしまいます。
これまでは、自分の見える範囲だけを動かしていればよかったかもしれませんが、あなたは成長してしまいました。最初は周りのために迷惑をかけないように。次には自分のために成長を追い求め、そして現場のために動くことができるようになりました。
現場マンとしては申し分ありませんが、ここから先はもっと大きな視野でみていくフェーズ【会社と連携する】という段階です。
教育フェーズ④:会社と連携する
確実に人員を確保し、資材も早めに手を打っていく。誰が文句を言おうと、間違っていないという強い信念をもち、進めることができるようになりました。成長し、評価を勝ち得てきたわけです。これは素晴らしいことです。
ただしその影で、所長になりたての後輩が四苦八苦していることもあります。
職人が集まらずに困っている仲間がいます。一歩引いて会社組織を見ていくと、うまくいく人の影にはうまくいかない人もいるのが自然です。そこをバランスよく「現場」ではなく「会社」としてみることが、もうできるはずです。
100点の現場があっても、どこかに50点の現場があれば、会社の評価は50点になります。社会とはそういうものですよね。そこを見極めて手を差し伸べ、全現場を80点にすることが重要。そうすると会社の評価は上がり、後輩も成長して行くことができ、末は会社の発展に寄与することができます。
努力、そしてチームワークが大切です
営業をして見積もりをし、工事をして引き渡す。この一連のプロセスの中で、どれが欠けても会社は持ちません。そして、安定した品質の成果品を渡すことにより、次の仕事にもつながっていくというもの。
もちろん、後方支援をするための経理や総務といった部署だっていなければ成り立ちません。いがみ合ったりするのではなく、チームワークを考えて会社と連携し、組織全体を円滑にしていくことが大切です。
あなたはもう十分に実力があり評価も得ているのです。であれば、もう一歩引いてみましょう。そしてゆっくりと周りを見渡してみてください。
看板を背負っているのに、幼稚なふるまいをしている後輩はいませんか?
ただ文句を言うだけの部下はいませんか?
楽をしたいだけで品質を下げている同僚はいませんか?
そういう場面を見過ごすのではなく、次世代の技術者に見本を見せていくことができるフェーズです。会社とは人です。人が集まってできた、ただの集団なのです。ダメな社員も会社であり、完璧な社員も会社です。
誰かが悪いことをすれば、それはあなたがしたのと同じこと。会社のレベルが下がるのは、あなたのレベルが下がることと同じ。だって、会社とは人なのですから。
現場を運営するだけではなく、会社の中核になって会社を運営しているという意識を持っても良い時期に差し掛かってきているということなのです。
組織の一員と、自立した社会人と、優秀な現場監督。そのすべての要素を持っているのであれば、そこから見えるものも変わってきているはずです。
バランスの取れた見識をもって、次世代のために広い視野をもち、決しておごることなく努力していくことが大切です。
あとは昇進を目指すもよし。転職するもよし。起業するもよし。何をするにも、理屈はすべて同じなのです。
自分の進むべき道は、自分で切り開く力を手に入れていることでしょう。
以上が4つの成長フェーズ。ぜひ参考にしてみてください。