【建設業】若手教育に必要なのは基準です【教育マニュアルの整備】

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僕は現場監督時代、頻繁に教育係を任せられました。教えるのがうまいと思われていたこともあったかもしれませんが、おそらくは僕に任せていれば無理な教え方をしないだろうということだったのでしょう。

もちろん1年生だけではなく、2年生や3年生を任されることもありました。そんな学生からあがったばかりの若手をたくさんみていくうちに気付いたことをシェアします。

この記事を書いた人

武田祐樹(たけだひろき)

総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。

現在はオンラインを中心に活動し、中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活動。YOUTUBEや音声配信、インスタグラムなどで情報発信を行い、電子書籍出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動も積極的に行う。

保有資格

  • 1級建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士

建設現場生産性向上サポート
HT RaisePLAN 代表 

目次

1つ1つ確実に階段を登り、理屈を知りましょう

相手が1年生の場合、建設業や現場の事は1つも知らない、真っさらな状態から教えることができます。なので僕なりの理論で、一からわかりやすい言葉を選んで教えることができます。

以前投稿した「教育のフェーズ」が体系的に出来上がったのは、これを繰り返してきたからです。階段を登るように順序を立てることで、僕の現場を離れて次の現場に行ったとしても成長し続けることができる「考え方」を植え付けることができます。

ただし、2年生3年生になると話が全く違ってきます。なぜなら基礎を教えられてきたという「想定」になるからです。すでに学んできたことを踏まえ、階段をもう一段上っていける教育をしていかなければいけません。

ですが、なかなかそうはいかない現実があるのです。「なんでここを知らないんだ?」だったり、「そんなことをもう知っているんだ!」と思うことがあったり。つまりこれは、教え方に一貫性がなく、マチマチだということです。

何も僕が全て正しいことを教えているといっているのではなく、教えることや順番にムラがあるということです。階段を一つ飛ばしで教えてしまうと、何が起きるのか。それは「できるなこいつ」と、他の先輩に思われてしまうのです。

別にいいんじゃない?と思う人もいますが、そうではありません。

過剰に期待したり、むやみに卑下したりすると、相手の性質や能力がわからなくなります。できていないのに、あたかもできるような感じに見せることはできますが、その分だけ大きな期待が乗っかります。

つまり、「このくらいできるだろ?」という期待に対して、「こんなこともできないのか」という感情が襲い掛かってくる可能性が高くなってしまうのです。できると思わせることは、降りられないほど高いステージにあげてしまうということです。そこに積み上げられた階段はないのです。

言わば、本当に知ってほしい部分を知らず、知らなくて良い部分を知っている状態です。例えば、順番を丸暗記しただけの取り繕った工程表を描くことはできるが、その理屈を理解しているわけじゃないケースです。

見せかけの工程で進んだ現場は確実にぐちゃぐちゃになります。でも、何が原因なのかを探ることも、正常にもどすこともできません。なぜなら、理屈がわからないからです。

一度「デキる」のレッテルを貼られてしまった新人は、できなくなることを不安に思います。そしてレベルの高い、忙しい現場に配属されたりします。当然、それなりに一生懸命ついていこうとするでしょう。でも、基礎がなければ応用力がありません。足し算引き算を知らないのに、1つの方程式の解き方を暗記してしまったわけです。

果たしてこれは、新人の責任なのでしょうか?それは違います。

では先輩の責任なのでしょうか?実はそれも違います。

若手教育の基準がないことが悪いのです。

行き当たりばったりで教えることは、覚えるべきことの多い現代においては得策ではありません。整理できないほどの情報を新人が享受することは難しいのです。

どういう順番で、何を教えなければいけないのか。そして何を知ることができれば次に繋げられるのか。これら教育の流れを会社としてしっかりと作っておき、それに沿って教育をしていくことが大切です。

このような体系的な教育を用意することで1年でも飛躍的に成長する人材を育成できます。

まずは、教育のマニュアルの整備が必要なのです。

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