
GENBA Lab.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
建設業界をもっと働きやすい場所にするために現場効率化事業をスタート。発信活動にも力を入れています。
- 建設業のデジタル化
- 生産性を上げる方法
- 部下の育て方
- 先輩や職人との接し方
- 図面の読み方
- 悩みの解決法
などなど、主に、現場監督目線での配信になります。
上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!
先読みのプロ『段取り屋』

現場での仕事は『段取り八分』と言われます。
これは『仕事に取りかかる下準備が完全にできていれば、仕事の8割は終わったようなもの』という意味です。
実はこの言葉、建設業に限らずどの業界でも使われています。特にものづくりの生産現場では昔から使われている言葉なのです。当然職人の間でも使われますし、現場全体を見た時の大きな流れも同じです。
昔からそう言われているように、どんな小さな仕事でも、準備をしっかりとしておけば問題は起こりません。そして仕事効率も良い方法と言えます。
もちろん現場監督の仕事一つ一つを見た時にも、同じことが言えます。しっかりと準備をしてから実行する。皆さんも普段からそうしていることでしょう。
そういう身近な部分から少し目を離し、現場全体を俯瞰してみるとどうでしょう。実はそもそも現場監督の全ての仕事が、現場にとっては段取りと言えるのです。
現場をスタートさせるための段取り。
職人を迎えるための段取り。
職人がスムーズを仕事をするための段取り。
法律を守って作業をするための段取り。
業務の一つ一つが、何かのための段取りなのです。現場監督で仕事をしている上では、この考え方が鉄則。意味がわからないと、絶対にうまくいかないです。
いざ着工する時、最初に職人さんが入ってきた時には、実は現場の仕事の8割は終わっていると言えます。つまり、職人さんの仕事は本来、残りの2割を実務として行なっているだけなのです。
裏を返せば、現実には何も起きていない状態で全ての準備をしておかなければいけないと言うことです。職人さんがこれからどういう行動を取るのかを、全てを先読みしておかなければできない仕事なのです。
故に現場監督は「段取り屋」と言われ、つまり先読みのプロなのです。料理のレシピも必要な道具がわからない人に、準備なんて絶対にできませんよね。
だからこそ、現場監督はイメージ力が大切です。最終目標に対するイメージが、しっかりとできていればこそ準備ができるわけです。
将来の夢みたいなものにも通ずる話ですが、イメージのできないものと言うのは、絶対に実現しません。逆に言えばイメージできるものと言うのは、全て起こりうる現実なのです。
何か哲学みたいな話になってきている気がしますが、世の中に存在する全てのものは、完成する前に頭の中で出来上がっていたものです。
もしも現場監督の頭の中に完成するイメージがない場合、それは工程表のない現場のようなもの。終わりが見えていない状況で、とりあえず目についた仕事を進めていると言う、最悪な状況と言うことです。
現場監督は、建設現場の8割の仕事を担っている

そこには、未来を先読みするイメージ力が何よりも大切なのです。
その為に、やっぱり日々の経験が大事です。現場で起こっている全ての物や動きにを興味を持って観察し、意味を考えることが必要なのです。
今起きていることを、次の現場では何もない段階でイメージできるようにならなければ行けないわけですから。でないとハンドルのない車のような現場になってしまいます。
ただ何となく現場をプラプラしていませんか?だらだらと仲のいい職人さんと喋っていませんか?掃除に没頭して周りが見えていなかったりしませんか?
それがダメとは言いません。ですが、目的を持ち観察しながらプラプラしましょう。職人さんの行動を見て、次に話す内容を予測しながら喋りましょう。
そして時には、現場全体を俯瞰してみましょう。一つの出来事にとらわれずふわっと全体を見た時、見えるものも変わってきたりします。現場監督の目線はそうであってほしいと考えます。
現場を歩く時には、目に入ったものの「次の一手」を全て言えるようになるまで、たくさんのことを経験していって下さい。
良い現場監督になる為に。