
GENBA Lab.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
建設業界をもっと働きやすい場所にするために現場効率化事業をスタート。発信活動にも力を入れています。
- 建設業のデジタル化
- 生産性を上げる方法
- 部下の育て方
- 先輩や職人との接し方
- 図面の読み方
- 悩みの解決法
などなど、主に、現場監督目線での配信になります。
上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!
建設業が生き残る策は2つしかない

最近の建設業を取り巻く環境は、非常にネガティブなものです。それは、土地に固着して物理的な仕事をしていかなければいけないという特殊な業態が原因です。
どんなにインターネットが発達しようと、ITが整備されて来ようと、土を掘って基礎をつくらなければ成立しないという構造が、進化のスピードを鈍化さているのだと感じます。
つまり、現状はどうしてもマンパワーの業界であり、ロボットが進化してこない限り圧倒的な進化は遂げずらい環境なのです。とはいえ少子高齢化のこの現代と、ITにシフトしてしまっている現状を踏まえると、人手がなかなか寄り付かないというのも言えますよね。
でも、まだまだ職人の腕を活かして、建設業は成り立っている現状はかわりません。「人が入ってこない」「入ってきてもすぐに辞めてしまう」業界の中にいると、そんな声があちこちから聞こえてきます。ですが、ただ嘆くだけでは何も変わらないということは、この10年以上でわかってきたのではないでしょうか。
ちょっと難しい感じで書いてきましたが、それでも「衣食住」の一角を担う業界として、廃れてはいけないのも事実です。つまり、技術をきちんと継承していかなければ、人々の安心と安全は守られないのです。
では、どうすればいいのでしょうか。結局のところ、答えは2つしかありません。
①どうにかして、人手を増やす
②人手が少なくても問題ない、システムを作る
わかりますよね。何をどう頑張っても、この2つの方法以外にはあり得ないのです。
魅力的な会社作りがカギとなる

①の方法は、今までずっとやってきました。
僕が建設業界に入社した18年前、多くの職人さんは僕に言いました。「お前らの時代は大変だな。職人が減っていくから」。それから18年たった今も、職人さんは言います。「お前らの時代は大変だな。職人が減っていくから」。
要するに状況は何も変わっていないということ。むしろ年数が経っているだけ、悪化しているのです。結局のところ、わかってはいたが何もしていなかった。もしくは、動いているつもりではいたが、有効な手を打てなかったということになるのです。
①の施策として、どんなことをやっているのでしょうか。
多くの先進的な企業はSNSを活用して認知を広げ、新しい取り組みをアピールし、待遇を改善して人材を獲得します。そんな中、ハローワークに募集を出し、誰も見ない看板を設置し、新聞に公告を出している会社も少なくないわけです。
そして一言。「ほら、誰も来ない」
②の施策については、先進的な会社は現地業務以外の業務を自動化してコストを削減し、多能工によって仕事の安定化を目指し、クラウドツールの整備によって移動時間などを削減しています。
そんな中、最近ようやくガラケーからスマホに切り替えたというレベルのIT化をし、FAXと電話が主流な会社も少なくないわけです。書類は全て郵送によって送られてきます。
今までやってきたことを否定するつもりはありません。
ただ、時代が進んでいるにもかかわらず新たな取り組みをしないでいる会社を見て、若者が「入りたい!」と思えるかが重要です。僕なら入りたくないです。
そもそもそう思ってもらえる人数自体が減っているということも受け入れ、少しでも効率的に働ける環境を模索し、生産性を高める努力をしていかなければ、遅れていってしまうのは当然の話なのです。
「建設業は土地に根差す業界。IT化なんて無理。」本気でそう思っている人も少なくありません。じゃあ廃れちゃいますよ!?そこに危惧を感じます。もちろん、できないこともあるでしょう。でも、できることもありませんか?
少なくとも、若者にとって魅力的な会社でなければ、今は良くても未来はありません。
なぜなら、未来を作るのは若者だからです。そんな若者の目線に立つことができない会社は、発展もないと知るべきだと考えます。