
GENBA Lab.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
建設業界をもっと働きやすい場所にするために現場効率化事業をスタート。発信活動にも力を入れています。
- 建設業のデジタル化
- 生産性を上げる方法
- 部下の育て方
- 先輩や職人との接し方
- 図面の読み方
- 悩みの解決法
などなど、主に、現場監督目線での配信になります。
上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!
時代のキーワードは「多様化」

新人がすぐにやめてしまう。若者が定着しない。そんな悩みを抱えている企業はたくさんあります。確かにこれを放置すると、会社は存続できなくなるわけですから非常にまずい状態といえます。
よく聞くのは、「最近の子はお金ではない」とか「とにかく休みが欲しがっている」などという意見です。実はそういう考えを持っている時点で、若者は辞めてしまうのは必然だと思っています。今回はそんな話になります。
まず理解してほしいのは、時代のキーワードは「多様化」だということです。今までの時代は「一丸となって」のようなチーム戦を正義としてきました。周りに迷惑をかけないように、進み過ぎず遅れ過ぎずにやってきたわけです。
結果として、環境に適応することが重要だという風土が生まれました。個性をあまり表には出さず、周りの空気感に自然と合わせてしまうのが当たりまえの社会だったわけです。
ですが今は多様化の時代。個性を良しとする社会ができてきました。ゆとり教育によりこれを意図的に作りだしたのは大人です。個性を大切にし、好きな分野を伸ばしていこうというのが基本コンセプトなのです。
素直な子供たちは大人の思惑通りに育ち、自分の意見を自分自身で尊重できる人が増えてきました。簡単に言うと、価値観がバラバラだということ。まずはそれを受け入れることから全ては始まるのだと認識してください。
協調性に重きを置くのではなく、個性を大切にしろと教えられ、バラバラの価値観こそ正しい道だと教育方針を変化させた大人たち。結果として変化した子供たち。わかりますか?結局変化できなかったのは、大人の方なのです。
大切にしているものはバラバラ。にもかかわらず「最近の子はお金ではない」とか「とにかく休みが欲しがっている」などと、型にはめようと頑張っているという、謎の構図になってしまっているのです。
ここに気付かず何とかして答えを求め、方針を決めようとしている時点で育つはずもないと気付きましょう。大きな方針は必要かもしれませんが、そういうことではないのです。
現代の新人教育”大切なもの”とは

結論を言います。現代の社員教育は「個性を見抜く」ことが大切なのです。
お金じゃないのも正解、休みを欲しがっているのも正解。でも、どれもこれもが間違いともいえるのです。要するに、個人をしっかりと見つめ、それぞれに合わせた教育を立てていかなければいけないということです。
「めんどくさい」と言ってはいけません。これは、大人の都合によって形成されたものであり、子供は悪ではありません。そもそも工業製品のように右へならえの教育が、今の時代に即していないと、多くの大人が判断したわけです。
結局若者たちは何を欲しているのか。それは、それぞれが持つ個性というものを、認めてほしいという願望です。要するに【居場所】なのです。
多様な価値観を受け入れる環境が大切。お金が大切な人はそれなりの、休みが欲しい人にはそれなりの対応と教育があるべき。やりがいを必要とする人もいれば、向上心が強い人もいます。一旦すべてを受け入れ、「明日もここに来ていいんだ」と思ってもらうことが何よりも大切なのです。
学校では個性を大切にしろと言われ、社会では周りに合わせろと言われる。それじゃ、ブレちゃいますよね。「会社の方針に合わせろ!」「先輩に合わせろ!」という意見は、つじつまが合わなくなります。
協調性と個性。相反するとも思われる考え方ですが、時代は個性に動いています。豊かになった現代では、自分の人生を楽しむことが許されています。
個性を伸ばし長い人生をより謳歌してもらうことが、結果として会社に居続けてくれる人材となるのでしょう。
そのためにもしっかりと個性に向き合って教育をしていくべきなのだと、僕は考えています。