若手を気持ちよく成長させる「コツ」をお話ししたいと思います。これは実際に僕がおこなっていたことで、かなり実用的なテクニックです。是非活用して欲しいと思います。
結論から言うと、【後付けの理由を伝えること】です。
・・・なんのことかわからないですよね。なのでここから、具体的な例も踏まえつつお話しさせていただきます。
このテクニックは、余り頻繁に使うと胡散臭くなっていく可能性もありますので、適度に活用していって下さい。
成長させるテクニック
例えば、後輩に何か指示を出したとします。それを、悩みながらなんとかクリアした場面だったとします。そんなとき、ただ「ありがとう」とか「よくできたね」という、ありきたりな言葉をかけるではあまりテンションは上がりません。
そこで「後付けの理由」が登場します。
もともとは、ただ何となくお願いした仕事だったとしても、悩んだり躓いたりしている場面を見かけたのであれば、この方法は非常に有効に機能します。
例えばこんな言葉をかけてあげるのです。
「○○な考え方をいつもしているから、◇◇ならできると思っていた」という感じです。お判りでしょうか?
この後付けの言葉選定のポイントは3つあります。
①「○○な考え方をいつもしているから」という言葉で、【いつも見ている】という気持ちを持ってもらう事。
②「君ならできる」という言葉で、他の人には無理かもしれないという【特別感】を伝える事。
③「思っていた」という言葉で、当然この指示を出す前から【評価していた】事を伝える事
この3つを合わせることで、いつも頑張っている姿を見てくれている安心感と、しっかりと評価してくれている視線を感じることになります。「普通は○年目にやらせないんだけど」という言葉を付け加えても良いでしょう。
最初から「お前には期待しているんだぞ」と言ってしまうと、プレッシャーが重くなります。だからこそ指示を出すときには通常通りでOK。もしも期待以上の成果を上げたり、努力の跡が見えた時には「後付け」を活用するのです。
こうやって整理すると、少し難しそうに感じますよね。でも、難しくありません。基本はこのテンプレートをマネしていただければよいと思います。○○と◇◇を変えるだけでも十分伝わります。
ときどき、後付けの理由を加えてやる気を出させる
以前「リーダーの基本、褒めるな」という記事の中でもお話ししましたが、今起きている事象だけで善し悪しを判断するのではなく、その行動に至った理由を見抜いてあげることが重要なのです。
だからといって、いつもお前を監視しているんだぞと脅すような管理をしても、人は育ちません。それでは必ず「正解探し」を始めてしまい、言われたこと以外はやらなくなります。
そうではなく、しっかり成長していること、姿勢が間違っていないことなど、基本的な「人格」を信頼する事。これが、自分の頭で考える人間を作るのです。つまり普段のコミュニケーションの中で伝えなければいけない事は、信頼なのです。
そもそも、わざとらしく褒めたとしても後輩は見抜きます。そうなるとむしろやる気をなくしてしまう事にもつながるのです。だからこそ、後付けが効いてくるのです。
難しく考えないでください。後から、あらかじめ期待していたんだという事を伝え、見事その期待にこたえてくれたことを喜ぶ。仮に最初はそう思っていなくても、それを後から考えて付け加えるのでOKです。
そうすると、後輩側は何か指示を出されるごとに「今回も見てくれている、期待されている」と考えるようになります。
注意が必要なのは、やりすぎると過度なプレッシャーになる事。そして、嘘くさくなってしまう事です。だからこそ、使いすぎない様に気を付けましょう。
いつも通りたくさんの指示を出し、出来る範囲で頑張ってもらう。そして時々「後付け」の理由を加えてやる気を出してもらう。そのサイクルが人間を成長させると考えます。