【建設業の働き方改革】自分たちに合ったツールを使おう~できることは山ほどある~

働き方改革をしようとするとき、まずは何から手を付けようかと考え、情報収集をすることになります。そしてインターネットを調べると出てくるのは、たくさんの「最新テクノロジー」や「便利そうなツール」です。

具体的には、AIツールによる顧客管理や業務フローの改善、ドローン測量技術やBIMによる業務改善などが挙げられます。また、現場用のタブレットアプリやコミュニケーションツールも日々改善されて生み出されていることにも気づきます。

そこで自分たちは遅れていると焦り、結果として新しく派手なツールを導入すべく、セミナーや勉強会に参加し、付け焼刃の知識を手に入れます。そして、導入し始めで誰も付いてこないと気付き、頓挫してしまう。

これが多くの建設会社が失敗してしまうパターンです。

どうでしょうか。心当たりはないでしょうか。ひとまずiPadを配ったりしていませんか?そして机の肥やしになっていたりしないですか?大丈夫でしょうか。

肌感覚でしかありませんが、情報が付け焼刃であるほど、難しいツールやテクノロジーに目が奪われがちだと感じます。そしてうまくいっている会社ほど、簡単なデジタル化によって劇的に効率化が実現できていたりすると感じます。

ここから導き出される答えはこうです。

『本当はいくらでも改善できる業務を見ず、できもしないことにお金・時間・労力をかけている』ということ。

最新テクノロジーという煌びやかな言葉に目を奪われ、手を付けたくなる気持ちはわかります。ただそんなテクノロジーは、一体なぜ生まれたのか?という疑問を持ってほしいのです。

テクノロジーは無敵ではありません。導入すればいきなり改善するような魔法なんてないのです。業務をこなしていくうちに疑問が生まれ、それを解決するために試行錯誤を繰り返した。そして開発されてきたのがテクノロジーです。

その後にみんなが使えるように少しだけ組み替えたものが、たまたま販売されているに過ぎないと気付きましょう。つまり、そもそも万人に当てはまるように作られたものはなく、作ったものを「使いたい人がいるなら」という発想で広めているにすぎないのです。

僕が言いたいことは、漠然と「便利そうなツール」を導入したところで、あなたの会社にきれいに当てはまるなんてことは稀だということ。明確な目的があって初めて、自社に当てはまるツールを探すことができるということです。

だからこそ、最初に手を付けるべきは、ツールの選定やテクノロジーの導入ではありません。何度も同じような発信をしていますが、まずやるべきは「問題個所の明確化」であるべきなのです。

傷口がどんなものなのかもわからないのに、見た目が良い薬を買ってきて、闇雲に薬を塗ったくっているようなもの。うまく効く確立なんて稀です。場所や症状がわかって初めて、最小で最高の効果を生み出す薬を探せるのです。

まずは今の業務プロセスをしっかりと洗い出しましょう。そして、しっかりと掘り下げて考えるのがスタートです。今までの常識や「当たり前」だけで判別するのではなく、なぜやっていたのか、これからもやるべきなのかを丁寧に考えていきます。

①実はやらなくても問題が起きないもの
②やるべきだが自社でなくても良いもの
③自分でやらなければいけないが、プロセスが決まっているもの
④絶対にスキルでクリアしなければいけないもの

こうやって振り分けた中で、②もしくは③だけが「ツールの導入」「最新テクノロジー」を活用すべきもの。しっかりと頭を使い、区分けをしていってほしいと思います。

万人の正解を無理やり当てはめるのではなく、自社を見つめなおし、自分たちに合ったツールをピンポイントで探すのが基本だと心得ましょう。

この記事を書いた人

武田祐樹(たけだひろき)

総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。

現在はオンラインを中心に活動し、中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活動。YOUTUBEや音声配信、インスタグラムなどで情報発信を行い、電子書籍出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動も積極的に行う。

保有資格

  • 1級建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士

建設現場生産性向上サポート
HT RaisePLAN 代表 

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