【新人現場監督向け】着工前の準備は何をする?「初日に現場を止めない」ための4つの準備

着工前になると、先輩たちは忙しそうに動いている。でも、新人・若手のうちは「自分は一体何をすればいいんだろう?」と迷ってしまいますよね。特に少し仕事が分かるようになってくると、やるべきことが多すぎて、何から手をつければいいのか、どんな順番で進めればいいのか分からなくなることもあります。

でも、新人・若手が主任や所長と同じ目線で、工事全体の段取りまで考える必要はありません。着工前にまず目指してほしいことは、ただ一点です。

「着工初日に現場を止めないこと」。

この記事では、現場監督として17年間現場を経験してきた僕が、新人・若手が着工前に準備しておきたいことを「職人さん・現場・資材・安全」の4つに分けて解説します。

さらに、「何からやればいいか分からない」と迷ったときの仕事の進め方もお伝えします。難しい技術を覚えるより先に、まずは初日の工事を発射させるための土台をつくる。そんな意識で読んでみてください。

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目次

新人・若手の着工前準備は「初日に現場を止めない」が目標

新人・若手の着工前準備は「初日に現場を止めない」が目標

着工前になると、主任や所長などの先輩たちは非常に忙しく動いています。そんな姿を見ていると、新人・若手の方は「自分は一体何をすればいいんだろう」と迷ってしまいますよね。特に少し仕事が分かるようになってくると、やるべきことが多すぎて、何から手をつければいいのか分からなくなることもあります。

そこで、まず覚えておいてほしいのが、新人・若手の着工前準備の目標は「着工初日に現場を止めないこと」です。ここを軸にして、着工前に何を見るべきなのかを整理していきましょう。

主任や所長と同じ目線で考えなくていい

まず最初にお伝えしておきたいのは、新人・若手が主任や所長と同じ目線で現場を見る必要はまったくないということです。主任や所長は、工事全体の段取りや予算組み、仮設計画、今後の工程、直近の工事の打ち合わせ、図面の作成など、かなり先まで見ながら仕事をしています。

そこを新人の段階から全部見ようとすると、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」となって、結局何から手をつければいいのか分からなくなります。だから新人・若手の皆さんは、まず足元を見てください。目標はただ一点。「着工初日に現場を止めないこと」です。

先輩たちが少し先を見てくれているのであれば、皆さんは初日に何をするのかを考える。そして、その工事を問題なく始められるように準備する。僕はこれを、「初日の工事を発射させるための土台をつくる」という感覚で考えてほしいと思っています。まずはここに一点集中して進めていけばOKです。

現場が止まるのは高度な技術不足とは限らない

「現場を止めない」と聞くと、高度な施工技術や専門知識が必要なのではないかと思うかもしれません。でも、着工初日に現場が動かなくなってしまう主な原因は、そんな高度な技術不足ではないんです。

ちょっとイメージしてみてください。職人さんが来ているのに必要な書類がない。資材がそもそも届いていない。安全掲示が準備されていない。KYミーティングをやろうと思ったのに用紙がない。新規入場者教育の説明をしたのに、記入するものがない。実際には、こういうところで現場が止まってしまいます。

つまり、着工前の新人・若手に求められているのは、難しい技術を駆使することではありません。大事なのは技術ではなく、技術不要なものを完璧に揃えておくこと。ここに一点集中してください。

そのために確認してほしいのが、「職人さんを迎える準備」「現場そのものの準備」「資材の準備」「安全の準備」の4つです。この4つに的を絞って、一つずつ準備していきましょう。

着工前に新人が準備するべき4つのこと

着工前に新人が準備するべき4つのこと

着工前に「何を準備すればいいのか分からない」と迷ったら、まずはやることを4つに分けて考えてみてください。ポイントは、職人さん・現場・資材・安全です。

先の工程まで全部考えようとすると、どうしても頭の中が散らかってしまいます。まずは着工初日に現場を止めないために、この4つが揃っているかを一つずつ確認していきましょう。

準備確認するポイント
①職人さんを迎える準備グリーンファイル・KY・新規入場者教育・計画書など
②現場そのものの準備装備品・図面・仮設・現場事務所・近隣挨拶など
③資材の準備拾い出し・発注・納期確認
④安全の準備安全掲示・安全計画・体系図・安全日誌など

①職人さんが来ても困らない状態をつくる

まず考えてほしいのは、「着工初日に職人さんが現場へ来る」という事実です。職人さんが来た瞬間から、現場は動き始めます。そこで必要な書類や用紙が揃っていなければ、いきなり仕事が止まってしまいます。

グリーンファイルなど必要書類を揃える

職人さんが来たときに、「あなたたちは一体誰ですか?」という状態にはできませんよね。だからこそ、協力業者届出書類やグリーンファイル関係など、入場時に必要になる書類は事前に揃えておく必要があります。

書類は後から何とかすればいいと思いがちですが、着工初日はそうはいきません。職人さんが現場に来た時点で、すぐに受け入れられる状態をつくっておくことが大切です。

KY・新規入場者教育などの用紙も準備する

必要なのはグリーンファイルだけではありません。KYミーティングをやろうとしたのに記入する用紙がない、新規入場者教育をしたのに記録するものがない、作業を始めようと思ったのに必要な計画書や手順書がない。こうした小さな不足でも、現場は止まります。

だから、ちょっとイメージしてみてください。「職人さんが来た瞬間に何をするのか」を順番に想像すると、必要なものが見えてきます。そこまで準備できれば、いわば「職人さんを迎え撃つ準備は整った」ということです。

②現場がすぐに動き出せる準備をする

次に確認したいのが、現場そのものの準備です。書類だけ揃っていても、現場へ出るための装備や図面、仮設の位置などが決まっていなければ、結局仕事は進みません。

軍手や安全帯など必要な装備品を揃える

僕らも現場に出る以上、軍手や安全帯などの安全用品は必要になります。こうした基本的な装備品がきちんと揃っているか、まず確認してください。

すごく当たり前のことに見えるかもしれませんが、当たり前のものがないことで初日の動きが鈍くなることはあります。難しい技術ではなく、こういうところを一つずつ潰しておくことが着工前には重要です。

図面・現場事務所・仮囲いまで確認する

図面を製本する必要があるなら、きちんと製本されているのか。最初の工事が現場事務所の設置なら、どこに建てるのか。仮囲いから始まるのであれば、その位置は出ているのか。さらに、資材や設備をどこに置くのかという簡単な仮設図面があるのかも確認します。

ここで大切なのは、立派な計画を一からつくることではありません。「初日に現場が動き出せるだけの情報が揃っているか」という目線で見れば十分です。

近隣挨拶も後回しにしない

現場の準備でもう一つ忘れてはいけないのが、近隣への挨拶です。挨拶文については、先輩から過去の現場で使ったものをもらい、今回の現場に合わせて修正すればいいと思います。新人・若手でも十分に進められる仕事です。

近隣挨拶は、後回しにすればするほどリスクが高くなります。先輩たちが忙しくて見逃しそうな部分を、新人・若手が補填していく。そういう目線で動けると、現場全体としても非常に助かります。

③必要な資材を拾い出して発注・納期確認まで行う

3つ目は資材の準備です。初日に必要なものが決まっていても、実際に現場へ届かなければ工事は始められません。ここでは、拾い出し・発注・納期確認までをセットで考えることが重要です。

まずは初日に必要なものを拾い出す

例えば最初に現場事務所を設置するのであれば、机やコピー機など、中に何が必要なのかを一つずつ拾い出していきます。仮囲いから始めるのであれば、何メートル必要なのか、どんな資材を何個使うのかを確認します。

新人のうちは、先の工程まで全部拾い出そうとしなくても構いません。まずは、着工初日に使うものから確実に拾い出す。そこに集中してください。

「発注した」で終わらず納期まで確認する

資材を拾い出したら発注します。ただし、発注しただけで安心してはいけません。いつ届くのかを確認し、本当に着工日に間に合うのかまで見ておく必要があります。

拾い出して、手配をかけて、納期を確認する。ここまでやって初めて準備が完了です。そこから先のことはまずはいい。まずは初日、発車できるという意識を持つ。新人・若手の着工準備では、この感覚が非常に大切です。

④安全関係はスタート時点で一式揃える

最後は安全の準備です。現場事務所が建って、職人さんも来て、資材もある。それでも安全関係の準備ができていなければ、現場を正常にスタートさせることはできません。

安全掲示・計画・書類を準備する

現場事務所はできたけれど貼るものがない、安全計画ができていない、必要な書類をまだ印刷していない。こうした状態にならないよう、安全掲示や安全計画、体系図、安全日誌、書類を綴じるファイルなど、必要なものを事前に一式揃えておきます。

安全関係の書類は種類が多いため、初めてだと抜けが出やすいところです。だからこそ、過去の現場の資料や先輩のチェックも活用しながら、スタート地点で必要なものを一式揃えるという意識を持ってください。

書類を揃えることも現場の安全につながる

安全関係の書類というと、「とりあえず用意しておくもの」と感じる新人さんもいるかもしれません。でも、そうではありません。こうしたものをきちんと準備しているからこそ、現場のルールが共有され、安全な状態を保つことができます。

つまり、安全書類を揃えることも立派な現場づくりの一つです。単なる書類仕事ではなく、「現場を安全にスタートさせるための準備」だと考えてほしいと思います。

着工前に「何からやる?」と迷わなくなる仕事の進め

着工前に「何からやる?」と迷わなくなる仕事の進め

着工前はやることが多いため、新人・若手のうちは「結局、何から手をつければいいんだろう」と迷いやすいものです。そんなときは、すべてを頭の中だけで整理しようとせず、経験したことを残す、時間がかかるものから着手する、早めに先輩へ回すという流れを意識してください。

最初から完璧な段取りができなくても問題ありません。大切なのは、仕事を止めずに前へ進めながら、自分なりの着工準備の型をつくっていくことです。

一度経験した着工準備は必ずリスト化する

今後のために、ぜひやってほしいのが一度経験した着工準備を必ずリスト化しておくことです。次の現場に行ったとき、またゼロから「何をやるんだっけ」と考えていたら、なかなか仕事は速くなりません。

自分専用の着工前準備リストをつくって、現場を経験するたびに項目を追加したり修正したりしていく。そうすれば、次の現場ではそのリストを見ながらすぐに動き出せます。僕は、「リストを残しておくのは成長の近道」だと思っています。

時間がかかりそうな仕事から着手する

リストができたら、次はその中から一番時間がかかりそうなものから着手するようにしてください。納期があるもの、先輩の確認が必要なもの、修正に時間がかかりそうなものは、後回しにすると着工直前で苦しくなります。

まずはざざっと形にして、できた段階で早めに先輩へチェックに回す。最初から100点を目指す必要はありません。早い段階で一度見てもらうことで、方向が合っているかを確認しながら仕事を進められます。

完璧になるまで自分で抱え込まない

新人のうちは、「もう少し完成度を上げてから先輩に見せよう」と思ってしまうかもしれません。でも、それで一つの仕事をずっと抱え込んでしまうより、ある程度できたら早めに回したほうが仕事は進みます。

僕が意識してほしいのは、「ポンポンポンポン」とテンポよく仕事を回すことです。一つを先輩にチェックしてもらっている間に、次の仕事へ進む。チェックバックが来ないからといって、そこでずっと待っている必要はありません。仕事を止めず、次、次と進めていくことがコツです。

順番が分からないなら目についたものから進めてもいい

もちろん理想をいえば、ゴールから逆算して「これが必要だから、その前にこれをやる」と段取りを組めるのが一番です。ただ、新人・若手のうちは、そもそも全体像がまだ見えていないこともあります。

そんな状態で順番ばかり考えて動けなくなるくらいなら、思いついたこと、目についたことから片っ端に進めても構いません。着工前の準備はとにかく量が多いので、順不同だったとしても、一つでも二つでも仕事を減らしていくことが大切です。

迷ったときは、「初日にどんな工事をするのか」「そのとき何がないと困るのか」を考えてください。そして、困る原因を一個ずつ潰していく。その感覚で進めれば、着工前に何をすればいいのか分からず止まってしまうことも少なくなります。

着工準備リストを更新すると現場監督としての基準が身につく

着工準備は、一度経験して終わりではありません。大事なのは、経験したことを次の現場に持ち越して、自分なりの基準を少しずつつくっていくことです。

まず着工準備を経験したら、そのときにやったことをリストとして残しておきます。そして次の現場では、そのリストを見ながら時間がかかりそうなものから進めて、ある程度形になったら早めに先輩へチェックしてもらいます。

そこで返ってきたチェックバックは、ただ修正すればいいというものではありません。「先輩はどこを見ているのか」「どこまでできていればOKなのか」を知る機会です。その基準を体と頭に叩き込んで、また自分のリストに反映していきます。

流れとしては、「着工準備を経験する→リストに残す→次の現場で実行する→先輩にチェックしてもらう→基準を学ぶ→リストを更新する」というサイクルです。これを何度も回していけば、「着工前は何をすればいいんだろう」と迷うことも少しずつ減っていきます。

最初から全部できる必要はありません。現場ごとに経験を積みながら、自分のリストと判断基準を育てていく。このサイクルを回し続けることで、先輩が求める基準が体と頭に入ってくる。そうなれば、着工準備はもう怖くありません。

まとめ

着工前はやるべきことが多く、新人・若手のうちは「何から手をつければいいんだろう」と迷ってしまうと思います。でも、主任や所長と同じように、最初から工事全体を見ようとする必要はありません。

まず意識してほしいのは、「着工初日に現場を止めないこと」です。そのために、職人さんを迎える準備、現場そのものの準備、資材の準備、安全の準備。この4つに的を絞って、一つずつ仕事を減らしていきましょう。

そして、一度経験したことは必ずリストとして残してください。時間がかかりそうなものから進め、早めに先輩へチェックしてもらい、その基準を自分のリストに反映する。このサイクルを繰り返していけば、着工前に何をすればいいのかが少しずつ見えるようになります。

技術は後からついてきます。現場がスタートすれば、いずれにせよ現場の中で技術を学んでいくことになります。

だからこそ着工前は、難しいことを考えすぎるよりも、「初日にどんな工事をするのか」「そのとき何がないと困るのか」を考えてみてください。初日の工事を発射させるための土台をつくり、現場を絶対に止めない。その意識で段取りを進めていきましょう。

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