【建設業】一般管理費の正体!【見積書解説】

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GENBA LAb.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。

「建設業は伸び悩んでいる」と思い、2020年8月に会社を辞めて独立起業しました。建設業界全体の後方支援をしていきます。

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などなど、主に、現場監督目線での配信になります。 上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!

一般管理費って何者かわかっていますか?

一般管理費と言われてピンとくるでしょうか?

見積もりを作る人はおそらく分かると思うのですが、何のことかよくわかっていないという人も結構多いですよね。

その項目の意味も分からずお客さんに渡すなんていう失礼なことはできないので、まずは何者なのかを理解して頂きたいです。

一般管理費って言われたら利益の事?と思われる方もいるのです。
下請け業者さんやお客さん側も“一般管理費=会社の利益”と捉えたりするのです。

この辺の説明をしっかりとさせていただきます。なおかつ見積書の中に出てくる項目も解説してみたいと思います。

見積書について

まずは、見積書の中身についてお話します。

そもそも見積書の構成はどうなっているんでしょうか。

一番最初に共通仮設工事費というものが出てきます。
共通仮設費や共通費という言い方もしますが、第一項目としてあがってきます。

そして、基本的にはその下には建設工事や建設主体工事、電気設備、工事機械設備工事、外構工事という並びになっています。それから、現場管理費と呼ばれるものがあり、その下に一般管理費というものが項目として名を連ねているわけです。

共通仮設工事費について

共通仮設工事費とは工事を運営していく上では必要ですが、竣工した時にはなくなってしまうものを指します。仮に設置し、工事を運営する上では必要ですが、お客さんは別にそれを求めてないというものに関して“仮設”という言い方をするのです。

大項目として共通仮設工事が出てくるのですが、中項目にも仮設工事費が出てくるのです。
直接仮設工事費という言い方もします。

この共通仮設と直接仮設、何が違うのかしっかりと理解しておきましょう。

共通仮設とは

共通仮設とは、現場全体に共通しているものを指し、現場を運営する上で職員全員が必ず使う設備、基本的に使わなければいけない・なければいけない設備のことを言います。

例えば、現場を取り囲んでいる仮囲があるから皆さんは安心して仕事をしていくことができるわけです。この仮設工事の中には仮囲いという物が入っているのですが、全員が必要とするものなので共通仮設なのです。

また、皆さんが使うトイレや打ち合わせをする現場事務所もすべて基本的に共通仮設工事という部類に入ります。安全を対策するようなものや雑費、色んな資材を買う金額もこの共通仮設工事に含まれるという認識です。

直接仮設とは

一方で、直接仮設とは特定の工種に対して直接必要になるものを指します。直接仮設工事は特定の工種です。

例えば、外壁の業者だけが使う外部足場のようなものも直接仮設工事ということになります。

高所作業車や物を移動するためのクレーン費も直接誰かが使います。
工種が一業種じゃないにせよ、全員が使うわけではない仮設というものを直接仮設工事と言うのです。

現場管理費について

現場管理費とは、先ほどの共通仮設工事の現場を管理する上で必要なものを指します。
ただし、現場管理費というのは現場経費という言い方もします。基本的には経費なのです。

現場職員、現場監督たちが使う金額がこの現場管理費と呼ばれるものなのです。どういうものがあるのかと言うと、現場職員が常駐し工事をやる上で必要な給料・被服費(作業着・ヘルメット・安全靴など)もこれに該当するのです。

後は現場事務所の中の備品類、コピー機やパソコンやネットワーク費は基本的にはみんなが使うものではなく、職員が運営上必要なものになります。ですので、これについては現場管理をする側の現場管理費ということになるのです。ちなみにこの中にはお客さんとの会食の交際費も含まれていきます。

一般管理費について

一般管理費の「一般」は誰にとっての一般なのかというと、現場を運営する側、つまり現場監督側にとっての一般なのです。

私たちが直接関係するものとはちょっと違うのですが、一般的に必要な物という意味で一般管理費ということなのです。

これは利益と捉えることもできますし、利益じゃないと捉えることもできるのです。つまり、境界線が曖昧なんです。

業者さん・下請けさん・協力業者さんから請求書が回ってきます。その請求書は会社で取りまとめ、最終的に下請け業者さん達に支払いを起こす作業をしなければいけないのです。その業務、現場職員はやりますか?というところです。

私たちが一年間会社で勤めていくために必要な受付の業務は直接、現場運営には関係ないのですが、彼ら彼女らが居ない限り私たちは存在することができないわけです。

彼らの運営するためのお金、会社が会社であるためのお金は必ず必要になるものです。総務や経理と言われる彼ら彼女らにとってみると自分たちで利益を生み出すということはできないわけです。

そうなると現場を運営していく利益の中から彼らに分配していかなければ基本的に生きていけないということになります。だからこそ、現場というものの金額の中でこの会社自体を活かすため、組織自体をコントロールするためにそこから利益を取らなきゃいけないのです。

お客さんから頂かない限り会社を運営することができません。会社が存続できないと現場を全うすることができないわけです。

会社を運営する上で必要なコピー機やボールペンも全部、お客さんに対してうちの会社が存続するために請求させて頂いているもの。これが一般管理費というものになるのです。

一般管理費の作り方

一般管理費というものはパーセンテージが決められているのです。

金額をどんどん積み上げていくような見積内訳の作り方ではなく、一般管理費というのは全部の金額が出たあとに最終的に何パーセントと出すのが基本的なルールなのです。

このパーセンテージは各々の会社によって違います。どういう風に算出しているのかというと、経験値からくるものなのです。

例えば、事務員さんが10人いたとします。年間給料が一人400万円かかったとすると4000万円の金額が必要になります。

うちの会社で年間10億円の金額の工事をやっています。利益は1億円です。
そうするとそのうち4000万円は会社の方で運営するのに必要な経費ということになるのです。

この4000万円というものをパーセンテージで表すと10億円の4000万円ということになりますので4%の金額が必要だということなのです。こちらを運営する上でこれを一つの工事としてカウントすると一般管理費としてお客さんに正当に主張できる金額としては4%ということになります。

会社によってそのパーセンテージは年間いくらかかったのかという経験値を次の機会に活かしているということになりますので、この理屈を理解すると会社によってバラバラなことがお分かりいただけると思います。

ここで一般管理費をちょっと安くしてくれないかという話になりがちなのです。ターゲットにされやすい金額ではあるのです。

ですが、これを下げるということは会社自体運営ができなくなってしまう可能性があるということなのです。一概に下げるということになるとかなりの問題が出てくるのです。

なぜならお客さんにとっても悪影響を及ぼす可能性があるわけです。協力はできる部分はあるかもしれませんが全体的に下げるとなると、結果として会社が運営できなくなるというようなもの。

これが一般管理費のパーセンテージの作り方ということになるのです。

過去の経験から実際にいくらぐらいかかっている、会社を運営する上ではどのぐらい必要だというのをのっけて、全体金額が理解され全体金額を割り算し出てきたそのパーセンテージを現場の規模によって振り分けさせて頂いているというのが一般管理費の作り方ということになります。

まとめ

意味をしっかりと自分の中で咀嚼した上でその数字を作りこんでいくと自信を持って発言することができるようになります。

ひとつひとつ項目には必ず意味があります。
無意味な金額をお客さんに請求することはやってはいけません。それは信用失墜ということにもなります。

もしわからないところがありましたら、何度も聞き直したり、見直したりしてしっかりと自分の中でも腑落ちさせて頂ければと思います。