「使われないことを願う」現場セーフコード誕生秘話もし、建設現場で突然事故が起きたらどうしますか?
目の前で仲間が倒れたその瞬間、誰に連絡すべきか、どう対応すべきかを冷静に判断する必要があります。でも、そんな時に掲示板を探して走り回る余裕なんてありませんよね。
そんな緊急時に、ヘルメットに貼られた小さなステッカーが、あなたや仲間の命を守るカギになるとしたらどうでしょうか?
「セーフコード・ステッカー」は、そんな想いから生まれた新しい安全管理ツールです。この記事では、このステッカーがどのように誕生したのか、そしてその背景にある想いをお伝えします。
緊急時に役立つ「持ち歩ける安全」
建設現場では、新規入場者教育の一環としてヘルメットにステッカーを貼る習慣があります。このステッカーはこれまで「現場教育を受けた証明」のようなものでしたが、そこに「命を守る力」を加えることができたらどうでしょうか。その発想から生まれたのがセーフコード・ステッカーです。
このステッカーの裏面にはQRコードが印字されており、スマートフォンでスキャンするだけで、現場監督や所長の連絡先、最寄りの医療機関の情報、事故対応マニュアルなど、必要な情報に瞬時にアクセスできます。緊急時に電話をかけたり、医療機関をスムーズに手配したりと、冷静な行動を後押しする仕組みです。
導入も簡単で、新規入場者教育の際に配布している従来のステッカーをセーフコード・ステッカーに置き換えるだけ。特別な教育や準備は必要なく、いつものヘルメットに貼るだけで、命を守る仕組みを導入できます。このシンプルな仕組みが、現場の負担を増やさずに安心を届けてくれるのです。
「宝の持ち腐れ」を変えたひらめき
このアイデアの背景には、現場で感じた課題があります。緊急連絡体制表や事故対応マニュアルといった重要な書類は掲示板に貼られているものの、実際にはほとんど使われていないという現実。事故が起きたとき、誰かがその掲示板を探しに行くとは到底思えませんでした。僕はこの状況を「宝の持ち腐れ」だと感じていました。
そんな中で、「情報を持ち歩けたらいい」というひらめきが生まれました。ヘルメットのステッカーなら、作業員が必ず身につけているため、掲示板のように固定された情報ではなく、必要な瞬間にすぐアクセスできる情報を提供できる。この発想が、セーフコード・ステッカーの原型になりました。
しかし、形にするには多くの壁がありました。QRコードに個人情報を含める以上、プライバシー保護が課題でした。必要なときにすぐにアクセスできるようにする一方で、簡単に見られてはいけない。この矛盾を解消するために試行錯誤を重ね、最終的には「剥がさないと見られない」という物理的なセキュリティを採用しました。そして、緊急時に本当に必要な情報だけをシンプルに表示することで、誰でも直感的に使えるデザインを追求しました。
IT嫌いのアナログ人間だった僕が目指した未来
このアイデアを形にするまで、僕自身も大きな変化を経験しました。実は僕、もともとITが大嫌いだったんです。「難しそう」「胡散臭い」といった先入観を持ち、CADやエクセルを触り始めたのも必要に迫られて仕方なくという状況でした。でも、慣れてくると「これ、意外と便利かもしれない」と思うようになりました。
新しいツールを試し、現場の作業がスムーズになるのを実感するたびに、「もっと良い方法があるはずだ」と考えるのが楽しくなりました。現場監督として働く中で、効率化できた瞬間の喜びが、仕事のやりがいにもつながっていきました。
その結果、「この便利さをもっと多くの人に伝えたい」という思いが強くなり、起業するという決断をするに至りました。そして、起業後にさらに深くITに触れる中で気づいたのが、「情報をコンパクトにまとめて持ち運び、必要な瞬間に取り出せる」ことこそがITの最大の強みだということ。この気づきが、現場の課題を解決するヒントになりました。
「使われないことを願う」プロダクト
こうして誕生したセーフコード・ステッカー。この小さなプロダクトには、他の製品とは違う特別な願いがあります。それは、「このプロダクトが使われることのない未来であってほしい」ということです。
なぜなら、このステッカーが使われる場面は、緊急事態が起きたときだからです。「お客様の声」が届かなくても構いません。ただ、現場の裏側で静かに命を守り続ける存在であれば、それで十分なのです。
もし、あなたの現場で「本当の安心」を実現したいと考えているなら、セーフコード・ステッカーを手に取ってみてください。ヘルメットに貼るだけで、必要な情報を持ち歩ける安心感を得ることができます。緊急時に頼れる命綱を、ぜひあなたの現場に導入してください。お問い合わせや詳細情報は、こちらからご確認いただけます。
セーフコード・ステッカーが、建設現場に新しい安全の形をもたらすことを心から願っています。