
若手教育ってどうすればいいの?
そもそも建設業の教育のあり方って何なの?
今回はこのようなお悩みに答えていきます。
- 本記事の内容
- 会社の存続が危ぶまれる教育とは
- これからの教育方法について
教育というのは中小企業にとってみると非常に苦手な分野だと考えます。ここがうまくいかないからこそ“最近うちの会社レベルが下がってきたよなー”とか“全然若手が育ってこないな”と考えてしまうのです。
しかし、この教育という考え方をうまくコントロールし伝えることができれば、若手が育ちます。それが、やがては業界の底上げに繋がる追い風となるでしょう。
だからこそ教育に対する考え方を間違わないでほしいのです。
本記事では、先輩から教わったことをそのまま後輩へ伝えることが教育ではないというお話をします。
会社の存続が危ぶまれる教育とは
会社の存続が危ぶまれる教育とは【先輩から教えられたものをそのまま後輩に教える】というものです。
なぜそれがダメなのかという理由は以下の2つになります。
理由1:10渡されても10発揮できない
皆さんが誰かに何かを伝えようと思った時に10の情報を伝えたとしましょう。
伝わった側の方は本当に10全てを残さず受け取っているでしょうか。
数字的な根拠はありませんが、受け取っているのは8ぐらいなのではないかと思うのです。なかなか自分の気持ちというのを全て相手が理解できるほどに説明するという能力は教育者でもない限り難しいのです。
伝えるということはそう簡単なものではないですし、相手の言っていることを理解することもそう簡単なものではありません。だから技術の受け渡しというのは必ずうまくいくというものではないということなのです。
先輩から教えられたものをそのまま後輩に譲るときにはいくらかは目減りしています。知識量・経験値・技術力を10渡そうと思ってもそもそもここには8しかないということなのです。
さらには、受け取る側の理解能力によってはそれが5にも4にもなってしまう可能性があるということです。
もう一つ上の先輩から渡されている場合、自分の情報はもしかしたら5かもしれないのです。この5の情報を後輩に渡そうとしている可能性があるのです。そうなると後輩が渡される情報量はおそらく3とか2のレベルの話なのです。
こういう風にして情報の受け渡しというのは簡単に上手くいかないもので、受け渡し切れないもの、そして受け取りきれないものというのがお互いに発生していき、脈々とレベルが下がっていくということがあり得るということです。
全然伝わっていなかった経験、皆さんないですか?
“あれこれ前も言っただろう”みたいなことです。
これは後輩たちが受取り切れていない部分です。
僕の言っている10が8になるという赤信号の状態ということになります。
理由2:時代どんどん流れていく
あなたに1番よく教えてくれた先輩はいくつ上でしょうか?
仮に、10年先輩の人から教育を受けたとしましょう。そして、あなたがこれから教えなければいけない後輩はいくつ下でしょううか。
先輩から教えられた10年前の知識を今、自分は渡されました。そしてその知識を10年後後輩に渡すということになります。
知識をリレー方式で渡したということになると後輩が受け取った知識は何年前の知識になるんでしょうか。
20年前の情報を受け取っているということになります。今あなたが後輩に教えようとしている知識というのは30年前40年前の技術力というものなのかもしれないというふうに考えたことはないですか?
今あなたの教えているそのやり方がもしも当てはまっているのであれば、それは今すぐに改善しないと会社として存続ができなくなるようなレベルの下がり方をしている可能性があるということです。
“後輩がなかなか育ってこないな”とか“うちの会社レベルダウンしているな”と思っているのはもしかしたらこの辺が原因なのではないでしょうか。
これからの教育方法について
【理由1:10渡されても10発揮できない】を打開する教育
先輩から10受け取ったものが自分の中では8になってしまっている、8を渡しても受け取った後輩の中では6になってしまっている、という風に知識・技術力は間違いなく目減りしてしまっています。
それでは、ここに何を加えていけばうまく伝達して教育をすることができるんでしょうか。
それはあなたの経験です。
自分が先輩達にどういう風に怒られてきたのか、もしくは現場でどういうような失敗をしてきたのか、業務においてどういうような反省点があるのかというようなできるだけ負の経験値というものを先輩から受け継いだ技術力に乗っけて後輩に受け渡すということをやって頂きたいのです。
今あなたが経験してしまったその失敗の経験値というものを後輩に脈々と受け継ぐことによって、こういう場面は失敗したのかと覚えることができるのです。
情報として共有することができるのです。これが企業が成長していく上で一番の土台になっていくものです。
失敗というもの・失敗から学ぶもの・そして失敗しないための再発防止策を繰り返して企業というのは大きくなっていくのです。だからこそあなたの失敗談・失敗した経験値というのは企業にとってみると宝物のような経験なのです。
これの積み重ねというものを要するに技術力と呼ぶわけです。
先輩から受け継いだ知識・技術にあなたの失敗談を詰め込んで後輩に渡してあげるというのがまずは1つ目の教育の仕方ということになります。
【理由2:時代どんどん流れていく】を打開する教育
先輩から受け継いだ知識を後輩に渡すと20年のギャップが生まれます。それでは、そのギャップを打開するためにはどのような教育をしていけばいいのでしょうか。
答えは、今あなたがやっている最先端を教えることです。
もう使い古され、いますでに使っていない物をわざわざ掘り起こしてまで後輩に渡す必要性はないのです。
今使っているものを将来的にやらなくなるだろうと思っているのに後輩に渡すのはゴミを渡しているのと一緒の行為だと思ってください。そうではなく、今考えうる最先端のあなたの技術というものを自信持って後輩に渡して欲しいのです。
今考えうる最先端のことを教えてあげないと時代の波に乗ることは絶対にできないのです。
あなたのやり方というのがこれからのやり方の土台にならなければいけないということです。先輩たちが教えてくれたことをそのまま教えなければいけないことはないのです。
教え方を教えたかったわけじゃないのです。技術力を教えたかったのです。
その技術力は自分の中にあるのだと自信を持ってください。この自信を持ったうえで今あなたがやっている方法がおそらく今のトレンドなのです。今の時代に即したものなのです。
だからこそ、あなたの感じていることを全て付加した上で教育というものを後輩に渡してあげてほしいのです。これが必ずしも先輩と同じやり方である必要はないのです。同じ教え方である必要はないのです。
あなたがこういう風にやっていくべきだと思っている、もしくは今もうすでにこういうやり方でやっている、それが正解なのです。
まとめ
先輩から教えられたものをそのまま後輩に渡すということは会社を潰そうとしている行為だと考えます。
なぜなら、時代も違えばその知識量も全然違うわけです。もちろん、やり方も全然違うので、先輩から教えられたものをそのまま教えていくというのは危険です。
そうではなく、きちんと自分で咀嚼して、自分の言葉で自分で感じたことをしっかりと正しいものだという風に自信を持って後輩に教えるのです。
先輩、もしくは上司であるあなたは日々いろんな情報をゲットすべく動き回りましょう。
情報収集をしましょう。日々の世間にしっかり触れましょう。
それを踏まえた上で自分のやり方というのを日々研究していってください。
それを後輩に渡すのです。
後輩はあなたの何倍もの情報量をスマホなどのIT機器で取得してしまう世代だと思ってください。
あなたは建設業の知識は持っていますが、後輩はそれ以外の情報ならたくさん持っているのだと認めることも大事かもしれません。
時代というのは移り変わっていきます。そして今現在は激動の時代と呼ばれるぐらい変革期に入っているわけです。
今あなたが感じている事が今の仕事のやり方なのだと自信を持ってください。その自信を含めたうえで後輩に渡してあげてくれれば底上げになっていくと思います。しっかりと頭で考え、しっかりと後輩と向き合っていただければと思います。

