スーパーゼネコンの増収減益の考察【建設業の未来】

新型コロナの一件が始まってから丸2年が経過しています。そんな中、社会の動向もかわってきました。飲食店やホテル業界は壊滅的なダメージを受け、業務転換や廃業を余儀なくされたケースも少なくありません。

建設業界の動向にも変化がありました。東京オリンピックも含めて盛り上がった建設業界ですが、2021年の売上を見ると、スーパーゼネコンをはじめとする大手は【増収減益】という結果になっております。

増収とは、売上が平年に比べて高くなっているという事です。減益とは、利益が平年に比べて少なくなっているという事になります。

普通に考えると、増収の中では増益になりそうなものですよね。しかし、現実は減益になってきている。その原因を考察してみます。

きっとここを紐解けば、今後の建設業の流れが少しは見えてくるのではないかと考えたからです。ちなみにこれは先日(1/24)のYOUTUBEライブでもお話しした内容です。

この記事を書いた人

武田祐樹(たけだひろき)

総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。

現在はオンラインを中心に活動し、中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活動。YOUTUBEや音声配信、インスタグラムなどで情報発信を行い、電子書籍出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動も積極的に行う。

保有資格

  • 1級建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士

建設現場生産性向上サポート
HT RaisePLAN 代表 

目次

増収理由とは

増収になる理由は何かというと、工事量が多くなったという事です。ただし発注の中身を見ると、数百億規模の大きな物件が増えたという事ではなく、数十億規模の少し低いランクの受注が増えている印象です。

これは超大規模物件が少なくなり、大規模物件を受注せざるを得ない状況だったと言えます。本来は超大型がスーパーゼネコンの主戦場なのにもかかわらず、その物件が少ないために少し金額の少ない物にも手を出さざるを得なかったのだと考察できます。

ただし、もともとそこを主戦場としていた建設会社もいます。そこにスーパーゼネコンが下りてきてしまった結果競争が激化し、安く受注をすることになって減益になったのだという事です。

恐らくこれが、スーパーゼネコンの増収減益のメカニズムなのでしょう。

では、その下の準大手や中堅という建設会社はと言うと、おおよそ同じ動きになっています。つまり、大きな建設会社がこぞって一つ下のランクの物件を受注する方向に傾いてしまっているという事。

スーパーゼネコンは準大手クラスに。準大手クラスは中堅クラスに。中堅クラスは地場大手クラスへとみんな少しずつランクを下げている状況だと考察できることになります。

そうやって玉突きの様に下へ下へと進んでいくと何が起こるのか。それは、最下層にいる建設会社の仕事がなくなるという事です。そうなると、倒産や廃業を招きます。

にもかかわらず、建設業の倒産件数は過去例を見ないほどの低水準。要するに、倒産がほとんど起きていません。コロナ禍の緊急支援策により、本来なら廃業しようとしていた会社まで、良くも悪くも延命されることになったと言えます。

さて、ここから見えてくる未来はどんなものなのでしょうか。少しだけ未来予測をしてみたいと思います。

建設業の未来

まず新型コロナの重症化率が減少し、回復基調にあるという前提で考えると、ここ1~2年で少しずつ元の水準に戻ると考えます。ただし、給付金によって延命された企業はその打ち切りと共に倒産件数が上がるでしょう。

業者数が減少した事によって少しづつ施工単価が上がると予測します。もちろん物価の高騰や人手不足も原因の一つです。つまり、このコロナ禍によって耐えうる施策を手に入れて一回り大きくなった建設会社は、より飛躍する可能性が高いという事です。

もちろん楽観視もありますが、状況を僕なりに分析すると、ここから先の躍進はコロナ禍で試行錯誤をしてきたのかどうかで決まるように思います。リモート化、デジタル化の術を使い、ハイブリットな新しい建設業が生まれようとしています。

そこについていけるかどうかは、このピンチをしっかりとチャンスと捉えられたかどうか。ただ「アンラッキー」と位置付けて耐えただけの企業は、ここから先厳しい状況が待っているのではないかと考察します。

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