本記事を読むことで、施工管理の仕事の流れについて理解できるようになります。
結論からお伝えすると、現場の仕事と施工管理の仕事は役割も流れも異なります。現場の職人は作るのが仕事ですが、施工管理は常に現場がうまく回るように先を読み準備するのが仕事になります。
今回は、『現場』と『施工管理』を比較しながら、施工管理の仕事の流れを説明していきます。
施工管理は特殊な時間が流れる仕事
工事現場の流れと施工管理の仕事の流れは全然違います。
工事現場の主役はあくまで職人です。なぜなら、土を掘ることも鉄筋を組むこともクロスを張ることもで施工管理はできないからです。現場仕事は職人の力で進んでいきます。
それでは、施工管理は何をするのでしょうか。
現場監督は施主さんの意向をしっかり職人さんに伝えて、主役の職人さが働きやすい環境を作るのが仕事になります。表には出てこない裏方の仕事です。
施工管理は段取り八分と言われます。準備が終われば仕事の8割が終わったようなものであるという意味です。つまり、施工管理はほぼ準備に終始する仕事であるということです。
- 職人さんが迷いなく働ける指示を出す
- 安全な設備やルールを設ける
施工管理の準備があるから職人さんが動けるのです。
工事現場の流れと現場監督の仕事の流れは違うのはこのためです。
工事現場の流れと施工管理の仕事の流れ
それでは工事の流れを見てみましょう。世の中の一般的な鉄骨工事の現場の流れをイメージした図です。
どの工事がどれくらいかかるのかをざっくりと表しています。

前者が工事現場の流れ、つまり職人さんの仕事の流れです。後者は施工管理の仕事の流れです。
工事現場の流れは1つずつ進みますが、施工管理の仕事はわりとぐちゃぐちゃです。それぞれの工事が始まるまでに準備をしていかなければならないからです。

施工管理は一番最初に仮説、外構、基礎を全部終わらせます。これらが段取りの部分になります。発注がかかってものが用意されている状況を作らなければ工事が始まらないためにこれを急ぎます。
その後、内装工事の準備をしながら、お客さんと内装のすり合わせを行います。そして、現場で内装工事が始まる頃には施工管理の仕事はほとんど終わってしまいます。安全・工程・品質管理は現場が動いている最中は常に行います。
最後は、引き渡しの前に必要な作業を行います。これが施工管理の流れです。

繁忙期も現場と施工管理では異なります。
現場の繁忙期は現場の後半ですが、現場監督の繁忙期はスタート直後です。そして、現場が一番忙しい時は、現場監督は仕事がほとんど終わっている状態になります。
『現場の流れ』と『施工管理の仕事の流れ』の違いが大まかに分かっていただけたかと思います。役割が異なるからこのような違いが生じるわけです。
まとめ
施工管理は常に現場がうまく回るように先を読み準備する仕事であるということを理解していただけたことでしょう。
職人が気持ちよく働いてもらうために準備をするのが施工管理の仕事です。難しいけれど面白い仕事です。職人と施工管理では役割が180°異なります。
しかも、施工管理は目の前には何もない状態で準備を始めるので、イメージの上で仕事をしなければなりません。だから、難易度が高いんです。
僕たちはまだできてもいないものをあたかもあるかのようにイメージの中で経験と知識を武器に戦います。問題が起こることを想定して、問題が起きないように常に先を読んでいく仕事です。
今回は、現場の職人と施工管理の違いを理解してもらえればOKです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。