今回は皆さんに私が経験した大変な現場でのエピソードをシェアしたいと思います。
建設現場での長いキャリアの中で、数々の挑戦に立ち向かい、新たな経験を積んできましたが、特に印象に残るエピソードをご紹介します。この物語が、建設業界への一歩を踏み出す勇気を持つ皆さんにとって、励みとなり、新たな視点を提供できれば幸いです。
それでは、お話を始めさせていただきます。
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagramなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
大変だった現場Part1
北海道の駐屯基地での工事プロジェクト、それが私のキャリアで最も挑戦的な仕事の一つでした。
このプロジェクトで最初に直面したのは、厳しい自然環境でした。現場の標高が400メートルほどで、頻繁に雲の中にいるような状況になり、下界が見えなくなることがしょっちゅうでした。さらに、一方通行の道路が急な坂で、車の通行が制限されていたため、現場までのアクセスも非常に困難でした。
工事の難しさの一因として、生コンクリートの供給が挙げられます。急勾配の坂道では、生コンクリートを積んだ車が斜めに傾き、積載量が制限されました。さらに、一方通行の道路上での車の交通が混雑し、待ち時間が発生しました。これにより、生コンクリートの供給がスムーズでなく、工事の進行に支障をきたしました。
現場が山の頂上に位置し、風速が10メートルを超えるとクレーン操作ができないため、クレーンの使用が難しくなりました。風の強さにより、クレーン操作時間が制限され、工事が滞ることもありました。
さらに、現場が山の崖に位置し、雪が早く降りやすい地域であったため、雪かきも大変でした。風向きにより、雪が足場の向こう側に積もり、作業を妨げました。標高が高いため、地元とは異なる気象条件に対応しなければなりませんでした。
しかし、私たちは様々な調整を行い、最終的には工期を延ばし、1年半から2年かけて工事を完了しました。このプロジェクトは他の現場と比較して非常に厳しい条件下で進行しましたが、最終的には成功し、高い評価を受けました。
北海道駐屯基地での工事プロジェクトは、非常に挑戦的な経験で、自然環境や資材供給の問題など、多くの困難に立ち向かいました。しかし、この経験から成長し、新しい視点を獲得しました。
大変だった現場Part2
この現場は、私が3年生ぐらいだったころ、北海道の陸別町という極寒の街での工事プロジェクトでした。陸別町は日本一寒い街として有名です。そこでの現場経験は、非常に大変で思い出深いものとなりました。
具体的には、ある牧場に新しいスラリータンク(牛の糞や尿を貯める施設)を作る工事で、土木工事と建築工事が組み合わさったプロジェクトでした。スラリータンクは、牛の排泄物を貯め、発酵させて肥料として再利用するための施設で、その新築工事を行っていました。
このプロジェクトの最終工程は、牧場の牛舎とスラリータンクを配管で繋げる部分でした。この配管の設置が最後の工事として残されていました。
その配管の仕事は、穴を掘り、牛舎とスラリータンクを繋げる作業で、配管自体はすでに仕込まれていました。しかし、ある日、事態が思わぬ方向に進展しました。
その穴にいると、急にコンベアが動き出し、粉尿が流れてきました。私はパニックになり、穴から飛び出しましたが、すでに臭いが体に染み付いていました。その後、臭いがなかなか取れず、トラウマになりました。
現場での経験は大変だったけれど、笑い話にもなりました。建設業界では、さまざまな経験ができることがあります。苦労もありましたが、今思えば成長につながった経験でもあります。
まとめ
今回は私が経験した「大変だった現場」を共有しました。建設業界への足を踏み入れることは、困難な瞬間も含まれますが、そこから得られる面白い経験や笑い話も多いものです。
挑戦を恐れず、新たな経験を積んでいくことが私の信念です。このエピソードが皆さんにとっても有益であり、新たな視点を提供できたことを願っています。一緒に成長し、面白い経験を積んでいきましょう。