【施工管理の魅力と挑戦】YouTubeチャンネル「俺たち天下のゆとりーマン」監修の裏側

こんにちは、RaisePLANの武田です。今回は、私が監修を担当させていただいたYouTubeチャンネル「俺たち天下のゆとりーマン」の動画コンテンツ制作の裏側についてご紹介します。

私が監修を担当したこの動画は、建設現場でのリアルな挑戦とやりがいを描き、視聴者の皆さんに深い共感を得られる内容になっています。

特に今回紹介する「現場監督になるとどうなるのか」という動画は、私の実体験をベースに、現場でのリアルなエピソードを盛り込みました。動画の前半では、現場監督の役割やその重要性について触れましたが、後編では、私が実際に経験した大きなトラブルについて掘り下げています。

本記事では、その動画の制作裏話や、現場での実体験に基づくエピソードを詳しく掘り下げていきます。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

動画監修の背景

まず、動画監修の背景についてお話しします。

今回の動画は、現場監督や職人さんたちのリアルな姿を描くことをテーマにしていますが、制作チームには施工管理の経験がありませんでした。そこで、彼らがどのように現場のリアリティを表現すべきかを相談されたのが、私がこのプロジェクトに関わるきっかけでした。

実際、監修といってもそんなに大層なことではありませんでした。基本的には台本があり、その中にリアルなエピソードや描写が欲しいということで、私の経験からいくつかの具体的なシーンを提供し、最終的な台本のチェックと微調整を行いました。彼らが施工管理の経験を持っていない分、できる限り現場のリアルを細部まで描き出すお手伝いをさせていただきました。

たとえば、動画の中には職人さんが結束線を拾うシーンがありますが、これは実際に私が経験したエピソードを基にしています。ベテランの職人さんが「次の人が気持ちよく仕事できるように」と、若手に指導する姿が描かれていますが、このシーンを通じて、職人さんたちのプロフェッショナリズムと、彼らの仕事に対する誇りが伝わればと思っています。

伝えたかったポイント

次に、監修した中でも私が伝えたかったポイントをご紹介します。

現場監督は翻訳者

現場監督の仕事には、単なる作業の進行だけでなく、施主や設計者の意図を職人たちに正確に伝える「翻訳者」としての役割が求められます。現場監督は、施主の要求を具体的な作業指示に変換し、職人たちに伝えることで現場全体を円滑に進める責任があります。この「翻訳業」としての役割は、現場監督の最も重要な仕事の一つです。

コミュニケーションは言葉だけではありません。図面や写真を使い、視覚的に情報を伝えることも、現場監督の大切な役割です。たとえ言葉で説明するのが得意でなくても、適切なツールを使って正確に情報を伝えられる能力があれば、コミュニケーション能力は高く評価されます。現場監督においては、さまざまな手段を駆使して情報を伝える力が、現場を成功に導く鍵となります。

段取り力とイメージ力

段取り力とイメージ力は、現場監督としての成功に欠かせない重要な要素です。現場運営をスムーズに進めるためには、計画を立てる段取り力が必要ですが、その基盤には「イメージ力」があります。現場監督は、現場運営全体の進行状況を頭の中で詳細に描き、そのイメージをもとに計画を立てます。このイメージ力が、現場を滞りなく進めるための鍵となるのです。

イメージ力が備わっている現場監督は、どんな状況でも冷静に対処し、計画通りに現場運営を進行させることができます。逆に、イメージ力が欠けていると、計画が曖昧になり、結果として段取りが悪くなり、現場に混乱を引き起こす可能性があります。現場監督が現場の流れを先読みし、計画を練り直す力は、現場運営全体の成功に直結するのです。

動画内でも、この「段取り力=イメージ力」という概念がいかに現場運営の成功に重要かが強調されています。現場監督が現場のすべてをイメージし、予測することで、どんなトラブルにも迅速に対応し、現場の進行を円滑に保つことが可能になります。段取り力とイメージ力を磨くことは、現場監督としての腕を上げるために必要不可欠です。

来客対応とは「おもてなし」

現場監督の仕事には、単なる業務の遂行だけでなく、「おもてなし」の精神が重要な要素として求められます。どんなに忙しい時でも、訪れる人々には笑顔で接し、心を込めた対応をすることが、現場監督としての本質です。

忙しさを理由に、周りにその負担を押し付けるのは、現場監督としてふさわしくありません。自分が忙しいからといって、訪問者への対応をおろそかにするのではなく、しっかりと時間を割いて丁寧に接することが大切です。こうした対応は、結果として人間関係を築き、現場全体の雰囲気を良くする要素となります。

「忙しいから後にして」といった対応をすることで、訪問者は二度と来たくなくなるかもしれません。せっかく訪ねてきてくれた人に対しては、笑顔で迎え、自分の時間を割いてコミュニケーションを取ることが、長期的な信頼関係を築く鍵です。現場監督として、こうした心遣いを忘れないことが、最終的に現場運営の成功に繋がると考えています。

リアルなトラブルエピソード:現場の厳しさと対応力

施工現場では、日々予期せぬトラブルが発生しますが、それにどう対応するかが現場監督の腕の見せどころです。今回紹介する2つのエピソード、「床の高さが違う」と「輸入タイルが足りない」は、まさにその典型例です。

「床の高さが違う」:緊迫の瞬間を乗り越える

このエピソードは、RC造の建物の基礎部分を施工していた際に起こりました。床の高さが異なることに気づいたのは、すでに作業が進行している最中でした。私が担当していた内装と外装の管理に集中するあまり、基礎部分のチェックが甘くなってしまったことが原因です。発覚した瞬間、現場の空気が一変しました。

通常であれば、床が低すぎる場合は後から調整が可能ですが、今回は床が5センチも高くなっていたため、修正が必要でした。私が現場で対応策を模索している間も、挫折は進行し続けており、時間との戦いが始まりました。最終的に、断熱材を取り除き、床の高さを調整するという決断を下しました。

作業が中断し、現場が一時的に混乱する中、職人たちも協力してくれ、全員でコンクリートをかき出し、鉄筋を再度組み直すという壮絶な作業が行われました。約1時間後、現場は再び動き出し、無事に作業を完了させることができました。この経験から学んだのは、現場監督としての冷静な判断力と、チームワークの重要性です。

「輸入タイルが足りない」:絶望の中で見つけた希望

もう一つのトラブルは、輸入物のタイルが足りなくなったというものです。ドイツから輸入されたタイルは、数量がきちんと確認されていたにもかかわらず、実際に施工を進める中で、3ケースが割れていることが発覚しました。予備のタイルは2ケースしかなく、明らかに1ケース足りない状況でした。

このままでは工期に間に合わないという絶望的な状況の中、私は各所に連絡を取り、同じタイルを確保する手段を探し続けました。幸運にも、神戸にある同じタイルを使う予定の物件から譲ってもらえることになり、職人のネットワークを活用して、急遽そのタイルを現場に届けることができました。

タイルが届いたのは検査直前のタイミングで、職人たちは昼夜を問わず作業に取り組み、なんとか期限内に施工を完了させました。最後に高級車がそのタイルの上に乗り、ピカピカに輝く姿を見たとき、私は感動のあまり涙がこぼれました。

このトラブルを通じて感じたのは、どんなに完璧な計画を立てても、現場では予期せぬ事態が必ず発生するということです。しかし、最も重要なのは、そこで諦めずに対応策を見つけ、周囲と協力して乗り越える力です。

まとめ

今回の監修を通じて制作されたYouTubeチャンネル「俺たち天下のゆとりーマン」の動画は、建設業界に携わる全ての人々に共感いただける内容がぎっしり詰まったコンテンツに仕上がりました。この動画では、現場監督の仕事の奥深さや職人たちの真摯な姿を描き、視聴者に建設現場でのリアルな挑戦とやりがいを改めて感じてもらえたのではないかと思います。

本記事では、現場監督の役割や現場運営の重要なポイントについても深く掘り下げてきました。現場監督は「翻訳者」として施主の意図を正確に伝え、段取り力とイメージ力で現場の成功を支えています。また、来客対応における「おもてなし」の精神も、現場全体の調和を保つために欠かせない要素です。

私自身のチャンネルでも、施工管理に関する情報を日々発信しています。現場での実体験や業界の裏話など、実践的に役立つ内容をお届けしていますので、ぜひチャンネル登録やコメントをお寄せください。次回のブログ記事でも、さらに詳しい情報をお届けしていきますので、どうぞお楽しみに。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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