【施工管理の若手育成②】現場を動かす力を育てる方法とは?【係員教育】

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「若手が自分の力で現場を動かせるように育てるには、どんな方法が効果的だろう?」そんな悩みを抱えたことはありませんか?

今回は、若手育成の第2フェーズに焦点を当て、「現場を動かす力」をどう伸ばすか、具体的なアプローチをお伝えします。現場監督や施工管理を任されるようになるためには、単に作業を覚えるだけではなく、自ら考え、判断し、行動できるスキルが欠かせません。

この記事では、そんな力を養うための教え方や、どうサポートすれば若手が自信を持って現場を動かせるようになるか、実践的なステップをご紹介します。

その前に、第1フェーズのポイントを少しおさらいしておきましょう。ここでは、まず致命的なミスを避けるために必要な基礎を徹底的に教え込みます。具体的には、法律や会社のルールの理解、図面の読み方、そして現場全体の流れを把握させることが重要です。この段階をクリアした新人は、もう完全な素人ではなく、プロフェッショナルの入り口に立っていると言えるでしょう。

この基礎固めができたら、次はいよいよ現場を自分の力で動かすステージに進みます。若手がさらに一歩成長するために、この第2フェーズで何を教え、どのようにサポートしていくかを見ていきましょう。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

現場を動かす力を身につけさせる

若手が現場を動かせるようになるには、単に指示を待って行動するだけではなく、自分で決断して進める力を育むことが必要です。第2フェーズでは、この「自分で決める」経験を積むことが重要なステップとなります。

いずれ彼らが現場監督や施工管理として、すべての判断を一人で下せるようになることが目標です。上司から「この現場を任せた」と任された時に、何を準備し、どんな手順で進めるか、すべてを自分で判断できる力を養っていきます。

自分で「決める」経験を積ませる

新人にとって、最初の一歩は小さな決断から始まります。大きな仕事をいきなり任せるのではなく、まずは日々の中で小さな決断をさせることが大切です。例えば、会議で使うボールペンを用意するようなシンプルなタスクでも、具体的に「黒いボールペンを3本買ってきて」と指示を出すのではなく、「会議に使うボールペンを用意して」と少し曖昧な指示を与えて、自分で必要なことを考えさせます。このように、自ら判断し行動する経験を積ませることで、少しずつ自信がついていきます。

重要なのは、新人が常に「決める」体験を少しずつ積み重ねること。失敗を恐れず、先輩や上司がサポートしながら、徐々に難易度を上げていくことで、やがて大きな仕事も自信を持ってこなせるようになります。

現場を「動かす」ことと「管理」することの違い

第2フェーズで目指すのは、現場を「管理」することではなく、「動かす」力を養うことです。管理とは違い、自分の判断で現場を進めることで、プロジェクト全体に対する影響や結果を実感できるようになるのがポイントです。たとえ判断が間違っていたとしても、それは大きな学びのチャンスです。

間違っても良い、という環境で若手が自ら考え、動かした経験こそが、最終的に現場を管理するための基礎となります。この段階では、結果よりもプロセスを重視し、「どうしてこの判断をしたのか」「どの部分で迷ったのか」を一緒に振り返りながら、次のステップへと繋げていくことが大切です。

具体的な育成の方法:小さな成功体験を積ませる

若手に「現場を動かす力」をしっかりと身につけてもらうには、日々の業務を通じて小さな成功体験を積ませることが非常に重要です。成功体験が自信に繋がり、それが次のステップへのモチベーションとなります。この段階では、失敗を恐れることなく、自分の判断で動くというプロセスを通じて、少しずつ確実に力を養っていきます。

曖昧な指示で考えさせる

現場での判断力を高めるためには、あえて「曖昧な指示」を出して若手に考えさせる場面を増やすことが効果的です。具体的な指示を細かく与えてしまうと、ただの「指示待ち人間」になってしまうリスクがあります。例えば、「黒いボールペンを3本買ってきて」と明確に指示を出す代わりに、「会議で使うボールペンを用意して」と少し抽象的な指示を出します。これにより、会議の参加人数や内容を自分で考え、どれだけのペンが必要かを判断させることができます。

この方法は、一見小さなタスクに思えるかもしれませんが、こうした自分で考える経験が積み重なることで、現場での迅速かつ的確な判断力が磨かれていくのです。自分で答えを出すプロセスを繰り返すことで、徐々に「自分で決める力」が確実に育っていきます。

計画を確認して送り出す

曖昧な指示を出した後に大切なのが、行動に移る前の「計画確認」です。指示を受けた新人には、まず自分なりに計画を立ててもらい、その内容を上司や先輩が確認します。この確認プロセスを通じて、計画の方向性が正しいかどうかをチェックすることで、新人が間違いを恐れることなく行動に移せるようになります。

計画が承認されることで、新人は「これで良いんだ」という安心感を得られ、自信を持って次のステップに進むことができるのです。この段階では、失敗よりもチャレンジを奨励し、「行動してみること」に価値を見出すことがポイントです。

結果ではなくプロセスを評価する

仕事が完了した後に重要なのは、結果だけを評価するのではなく、その過程、つまり「プロセス」をしっかりと振り返ることです。新人が立てた計画通りに進められたのか、どこでつまずいたのか、あるいはどこがうまくいったのかを一緒に分析することで、次の行動へのヒントが見つかります。

このように結果だけを見て評価するのではなく、どのように考え、どのように行動したか、その一連の流れを確認しフィードバックすることで、新人は自分で考え行動する力を徐々に身につけていきます。このプロセス重視のフィードバックこそ、若手が自信を持って次の挑戦に臨むための鍵となります。

まとめ

第2フェーズでは、「現場を動かす」力を育てることが主な目的です。最終的には、新人が自分の判断で現場を動かせるようになることを目指します。指示を曖昧にし、小さな成功体験を積ませることで、自分で考えて動く力を少しずつ伸ばしていきましょう。最初は間違っても構いません。大切なのは、自分で考えて行動し、その結果を一緒に振り返ることです。

このステップをしっかりと踏むことで、新人はやがて「この現場を任せた」という一言で、大きなプロジェクトを動かせるようになります。

次回は第3フェーズ、「現場を管理する」段階についてお話しします。これをクリアすれば、いよいよ所長としての道が開けてきます。

まとめ記事はこちら↓

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