仕事には量、スピード、質の3つの要素があります。それぞれ大切なものではありますが、教わる側の若手と、教える側の上司とでは、実は求めるべきものが変わってきます。
今回はその辺を整理してお話していきます。
◆若者が意識すべきこと
まず新人や若手は、「スピード」を重視して仕事をしましょう。
まだ未熟な技術しか持ち合わせていない状況では、どんなに頑張っても完璧な仕事はできません。
当然、進め方も確立していませんので、効率の良い仕事も難しいですよね。
若いうちに意識すべきは、とにかく早く仕事をこなすことを意識すべき。メールは早く返す。書類もためずにすぐ回す。1週間と言われた仕事は5日で終わらせる。
未熟だからこそ、レスポンスを早くし、先輩にチェックを受ける時間を確保しましょう。
そうすれば先輩の安心にもつながり、教える余裕も生まれます。
質も量も確保できない若いうちは、とにかくスピード重視で仕事をしていきましょう。
もちろん、遅刻をしないことだってスピード重視の一つです。
◆先輩・上司が意識すべきこと
ところが、先輩や上司が教育するという立場では話が変わります。重視すべき要素は「質」です。
特に施工管理のような仕事では、質の低下が大きな事故や損失につながるリスクがあるからです。
よくやってしまう教育のミスにこういうものがあります。
【時間になってしまったので「あとは俺がやっておくから」と言って、新人だけを帰らせた。】
残業規制を進めなければいけないこの時代においては、仕方がない気もします。
でもこれは教育としては ア ウ ト です。なぜなら、会社が若者たちに目線を合わせてしまっているからです。
若者は、完璧な仕事とはどういうものなのかを知る機会がなくなります。だって気が付いたら完成しているのですから。
また、ある程度進めたら先輩が仕上げてくれるという、無責任さが育ってしまうこともあります。
若者にたくさんの仕事を与えた結果、物足りない仕事ばかりが返ってくるようになる。
そんな40点を量産されてしまうと、施工管理としては品質事故や労働災害を起こしかねないまずい事態になります。
やるべきことは、仕事の幅や量を絞って「質」の確保された仕事を最後まで経験してもらうこと。
同じ「早く帰す」でも、話が違います。
これによって、若者側が先輩のレベルに合わせることになります。
そうじゃないと、会社のレベルはどんどんと下がっていきますよね。
◆まとめ
若者は、とにかく早く仕事に手を付け、早く先輩に返すことを最優先に。
先輩は、質の高い成果を目指すよう焦らずに指導していきましょう。
ちぐはぐに見えるかもしれませんが、お互いにこの意識を持つことこそ、長期的な組織成長を実現できる方法と言えるでしょう。