今回は「現場ラボ」について、少しだけお話ししたいと思います。
僕が現場ラボを立ち上げたのは、この建設業で働くすべての人が、ワクワクできる業界になることを夢見たからです。
建設業界は今、様々な課題を抱えています。人手不足、高齢化、担い出不足、長時間労働・・・。ただこれは、「業界」と大きく括った時に出てくる漠然とした言葉たち。個人レベルに目を落とすと、事態はもっと具体的です。
毎日時間に追われ、余裕がない。教育を任されても、時間がない。朝の忙しさにてんてこ舞いになっている。毎日このような状況で、ワクワクという言葉とはほど遠い環境です。
ワクワクするという感情は、
①どんな未来があるのかが少しだけ見えていて
②でも経験したことのない世界
③そこに勇気を持って踏み出す
この3つの条件が重なって、人は「ワクワクする」という感覚を覚えます。
そのために、最も必要なものが「時間的余裕」です。
本来人間の持つ「考える力」や「アイデア力」、「好奇心」は、余裕から生まれます。ぼーっとYouTubeをみて、面白そうだなぁと思うような出来事、これが原点。とはいえ、そう感じたとしても「やってみよう」とはなりません。
なぜなら、常に余裕がない自分が当たり前になってしまっているから。できないことが普通になってしまっているからです。そうやって建設業は、諦めることが当たり前になり、ワクワクを失ってしまったのです。必要なのは、気持ちの余裕。それを生み出すためには、まず時間的余裕が必要不可欠。
だからこそ、僕自身が「やってみたい」ことを、楽しくやる姿を皆さんに見せ、「できるんだ」ということを感じてほしいのです。描いたことは実現できる。そのための工夫はたくさんある。そう思ってほしいのです。
とはいえ、その方法に明確な答えはなく、いつも探り探り。でもやってみないとわかりません。つまり実験をし続けるしかありません。だから【現場ラボ】なのです。
ラボは研究所という意味。うまくいくかどうかわからないけど、もしかしたらいいかもと思えるアイデアがあった時。誰もがこのラボに来て、自由に実験をできる。そんなフィールドを作りたいと思っています。
まずは自分のワクワクのために、試しにやってみて、実験して、失敗して。そんな「挑戦することの研究所」が、現場ラボの理想形です。だから、失敗することだって成功です。
努力をバカにしない業界。挑戦が賞賛される社会。失敗を前進と思える世界。それを実現できるように、余裕を生み出す活動を進めるのが現場ラボです。そうやって建設業を持ち上げることが、僕の使命だと思っています。