施工管理の現場で求められる4つの力。安全管理、品質管理、工程管理、そして予算管理。
中でも「予算管理」は、若手や新人にとって最もイメージしにくく、意識が向きづらい分野かもしれません。
でも実は、この予算管理の視点こそが、あなたの給料がどう決まっているのか、会社がどれだけのコストを背負っているのか、そして自分がどんな価値を生み出しているのか、そういった“働くことの本質”に深く関わっています。
今回のテーマは「時給1500円」。
一見シンプルなこの数字を切り口に、施工管理の現場にも通じるお金のリアル・仕事のリアルを掘り下げていきます。
- 自分の給与がどのような売上から生み出されているのか
- 会社の視点、先輩の役割、チームの仕組みがどうつながっているのか
- そして「自分がどう成長すべきか」を考えるヒント
これらを、わかりやすく・実感を持って理解することができる内容です。
「給料をもらう」から「価値を生み出す」へ。
その意識の切り替えこそが、プロとしての第一歩です。
新人施工管理者や、これから現場でステップアップしたい方にこそ、ぜひ読んでほしい内容です。
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株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【保持資格】
- 一級建築士
- ー級建築施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
【これまでの活動】
- 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上と施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家。
- YouTubeチャンネル『建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
- Instagramや音声配信など多メディアで情報発信。
- 電子書籍出版やオンラインセミナーを精力的に実施。
- 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。
記事の監修

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- 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。
「1500円稼ぐ」って、どういうこと?
「会社から時給1500円もらっている」そう聞くと、一見シンプルに思えますよね。
でも実際には、その1500円が“そのまま”コストというわけではありません。
会社があなたに時給1500円を支払うためには、その2倍近いコスト=実質1時間あたり約2500円以上がかかっている可能性があるんです。
その内訳を見てみましょう。
見えないコストの一例
- 社会保険料・税金の会社負担分
- 制服や備品、文具などの支給コスト
- 社屋の光熱費や管理費などの維持費
- 採用にかかる広告・面接・研修などの費用(1人採用するだけで数十万~百万円以上かかることも)
こうした目に見えにくい経費も含めて、会社はあなたを「働ける状態」に保つためのコストを日々負担しています。つまり、時給1500円で働くというのは、あなた自身がその価値以上の売上や成果を生み出す責任を持つということでもあるのです。
実際の売上ベースで見てみる
では、あなたの時給1500円がどれだけの売上から生まれているのか、少し具体的に見てみましょう。
仮に、1日8時間働き、月に20日勤務するとしましょう。
時給1500円×8時間×20日=月給24万円。
そこに、社会保険や会社負担の諸経費などを含めた実質コストを加味すると、
1人あたりの月間コストは約40万円になります。
では、この40万円を会社があなたに支払うには、どれだけの売上が必要か?
つまり、売上の10%しか利益として残らないという構造の中で、
あなたに40万円を支払うには、単純計算で月400万円の売上が必要になるのです。
新人1人に対して400万円の売上が必要となると、2人の若手が先輩社員1人とチームで動く場合、先輩には自分と2人分の新人=合計800万円分の売上責任がのしかかることになります。3人チームで所長+2人の若手で動いているなら、所長1人で毎月1200万円以上の売上を立てなければならないということに。
このように、時給1500円の裏には、「それを支えるための売上」「チーム全体の役割と負担」が存在しています。単に働けばもらえるではなく、生み出された利益の中からようやく支払われるという視点を持つことが、社会人としての第一歩です。
「1500円」の価値を理解する5つのポイント
この話から、皆さんにぜひ伝えたいことが5つあります。
① 会社の「負担」を理解しよう
給料=自分の成果。そう考えたくなる気持ちはわかりますが、現実はもっと複雑です。
あなたがまだ仕事に慣れておらず、目に見える成果を出していない段階でも、会社はすでに何十万円というコストをかけてあなたを支えています。
- 採用活動(広告・面接・教育)の費用
- 制服や備品、PC、デスクなどの準備
- 社会保険や福利厚生の会社負担分
- 研修中の教育担当の人件費
これらはすべて「あなたが成長するための先行投資」です。
だからこそ、
「早く現場で戦力になりたい」
「自分も利益を生み出す側に回りたい」
そう思える人は、どんどん会社からも信頼されるようになります。
「もらう」だけでなく、「返せる人間になる」。その意識が、社会人としてのスタートラインです。
② どこに行っても「新人」はゼロスタート
「こんな会社、もう辞めたい!」
誰でも一度はそう感じたことがあるかもしれません。
でも忘れてはいけないのは、次の職場でもあなたは“新人”であるという現実です。新しい環境に行けば、また一から教えてもらい、サポートを受けながら成長していく。つまり、再び誰かの負担になるということ。
転職や環境を変えること自体は決して悪いことではありません。しかし、「どこへ行っても最初はゼロからスタートになる」という認識を持たずに動くと、結果的に“学びの連続キャンセル”になってしまいます。
今の環境でしか得られない経験や成長があるかもしれない。
そう考えながら、今の自分の成長フェーズと向き合って判断することが大切です。
③ 自分で稼ぐ力が求められる時代
かつては、「会社に入れば安泰」「会社が守ってくれる」そんな時代もありました。しかし今は、そうした保証が当たり前ではない時代です。YouTuber、フリーランス、個人事業主…。会社に属さず、自分の力でお金を生み出して生きる人が増えています。
でもその働き方には、自由と同時に“責任”もセットでついてきます。
自分の給料を誰も保証してくれない世界で、
「いくら売り上げれば自分の生活費がまかなえるのか?」
「経費や税金を差し引いたら、実際に手元にいくら残るのか?」
そういった“お金のリアル”を、会社に所属していても、自分ごととして理解できる人が強い時代です。
時給1500円。その金額の裏にあるコストと仕組みを理解することは、会社にいても、独立しても通用する「生きる力」を育てる第一歩です。
④ 高い給料=高い物価? 社会の仕組みを理解しよう
「もっと給料を上げてほしい」
「この時給じゃ生活できない」
そう感じる人が増えれば、企業はそれに応じて賃金を引き上げざるを得ません。そしてその分、商品やサービスの価格も上がる。つまり、給料アップと物価上昇は表裏一体なんです。
給料が上がれば、手取りが増えるように感じるかもしれませんが、同時に家賃・食費・光熱費などの生活コストも上がっていくため、結果として「楽になる」とは限らないのが現実です。
ここで大切なのは、「権利の主張には責任が伴う」という視点。もっと給料をもらうためには、それだけの価値を生み出す責任があるということです。
時給や給与の話をする時には、目先の金額だけでなく、社会全体の構造や循環を理解する力もこれからの時代には必要不可欠です。
⑤ 「今」を学びに変えよう
「時給1500円って安くない?」
「もっと上がっていいでしょ」
そんな表面的な会話で終わってしまっていませんか?
でも実は、このたった4桁の数字の中に、人件費・利益・経費・税金・社会構造…あらゆるリアルが詰まっているんです。
その背景を「自分ごと」として捉え、
「なぜこの金額なのか」
「どうやってこの給料が生み出されているのか」
そうやって自分の頭で考えることは、一つひとつが“学び”になります。
そしてその学びこそが、あなたの未来を形づくる“生きる力”になるんです。何気なく耳にする言葉を、深掘りする習慣を持てるかどうかで、これからの成長スピードも、大きく変わっていくはずです。
「今この瞬間」を、次の自分の糧に変えていきましょう。
おわりに:数字の裏側には、リアルな構造がある
「時給1500円」
それは単なる数字ではなく、会社の経営、社会の仕組み、チームの関係性、そしてあなた自身の未来にまでつながる、大きな意味を持った言葉です。
表面的に「高い・安い」と判断するのではなく、その背景にあるコスト構造・利益構造・責任の分担を自分の頭で考えてみる。それこそが、施工管理における“予算管理”の基本的な感覚でもあります。
施工管理は、単に工程を回すだけの仕事ではありません。数字の裏側に目を向けられる人こそが、現場の全体像をつかみ、やがてチームを支え、現場を動かす立場へと成長していきます。
この「時給1500円」というキーワードが、あなたにとって、“数字から現場を読む”最初の一歩となれば幸いです。そして、今目の前にある“あたりまえ”を深く掘り下げ、そこから学ぶ力こそが、社会人としての真の武器になるのです。
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