こんにちは。ライズプランの武田です。
建設現場では、新人のつまずきが日常茶飯事。
「図面の読み方がわからない」「資材や工程の意味がつかめない」
そんな“当たり前の壁”に、毎年多くの若手がぶつかっています。
一方で、彼らを支える先輩社員たちにも、じっくり教える時間的余裕はありません。そこで注目を集めているのが、動画学習×オンライン講義で実務力を鍛える『新人スキルアップ研修』です。
2025年度からは建築に加え、ついに土木専用カリキュラムがスタートしました。
新人が自分のペースで基礎を学び、講義で疑問をぶつけ、仲間と共に考える。6ヶ月という時間をかけて、「わかる」だけでなく「現場で使える」力を身につけていく。それがこの研修の最大の特徴です。
今回はその現場で指導にあたる、「つなぐたすける土木株式会社」代表・松岡由高さんに、新人たちのリアルな変化や、講師としての気づき、そして研修を通じて見えた“今どきの若手像”について伺いました。
新人スキルアップ研修
建築・土木施工管理の基礎から実務スキルを学べる6か月間のオンライン新人研修です。基礎力を養いながら現場での即戦力を育成し、教育負担を軽減して自立した人材の成長をサポートします。>>詳細を見る

つなぐたすける土木株式会社 代表取締役
松岡 由高(まつおか よしたか)
国内外で設計・施工の実務経験を重ね、NEXCOや国交省案件などのインフラ事業に多数携わる。アジア2カ国での海外赴任を通じ、異なる環境での現場管理やプロジェクト推進のノウハウも蓄積。
現在は、中小建設会社の働き方改革や業務効率化の支援に注力。建設業界の生産性向上を目指し、ITツールの導入支援や現場のデジタル化を推進中。
【これまでの活動】
- 1987年生まれ 愛知県在住
- 平成23年 名古屋大学大学院卒業後、大成建設(株)に入社
- 平成30年 1級土木施工管理技士を取得
- 令和3年 ショーボンド建設(株)に転職
- 令和6年 起業・独立
つなぐたすける土木株式会社
代表取締役
松岡 由高(まつおか よしたか)

国内外で設計・施工の実務経験を重ね、NEXCOや国交省案件などのインフラ事業に多数携わる。アジア2カ国での海外赴任を通じ、異なる環境での現場管理やプロジェクト推進のノウハウも蓄積。
現在は、中小建設会社の働き方改革や業務効率化の支援に注力。建設業界の生産性向上を目指し、ITツールの導入支援や現場のデジタル化を推進中。
【これまでの活動】
- 1987年生まれ 愛知県在住
- 平成23年 名古屋大学大学院卒業後、大成建設(株)に入社
- 平成30年 1級土木施工管理技士を取得
- 令和3年 ショーボンド建設(株)に転職
- 令和6年 起業・独立
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【保持資格】
- 一級建築士
- ー級建築施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
【これまでの活動】
- 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上と施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家。
- YouTubeチャンネル『建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
- Instagramや音声配信など多メディアで情報発信。
- 電子書籍出版やオンラインセミナーを精力的に実施。
- 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。
記事の監修

株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【保持資格】
- 一級建築士
- ー級建築施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
記事の監修

【これまでの活動】
- 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上と施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家。
- YouTubeチャンネル『建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
- Instagramや音声配信など多メディアで情報発信。
- 電子書籍出版やオンラインセミナーを精力的に実施。
- 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。
土木もやってほしいの声から始まった、新しい挑戦
2025年6月、建築現場向けに展開していた「新人スキルアップ研修」に、初めて土木専用カリキュラムが追加されました。
これまで「建築だけでなく、土木の新人にも同じような学びの場が欲しい」という現場の声が多く寄せられていた中、ついにその要望に応える形でスタート。初回の募集には、栃木・愛知・大阪・熊本の4社から計10名の新人がエントリー。結果は、募集開始から数日で定員満了という、予想を超える反響でした。

正直、5〜6人くらいが適正かなと考えていたんです。Zoomを使った双方向型なので、多すぎると一人一人を見切れない。でも、蓋を開けてみたら10名全員が真剣そのもの。これほど意欲あるメンバーが揃うとは、うれしい誤算でした
研修は毎週金曜午後、3時間のオンライン講義形式で実施。Zoomを通じて、北海道から九州まで地理も文化も異なる若手たちが、同じ資料を見ながら、同じ「現場のリアル」に向き合っています。
地域の枠を超えたこの研修は、技術教育にとどまらず、全国の現場同士をつなぐ“新しい学びのかたち”として、今後さらに広がりを見せそうです。
Zoomだからこそ生まれる“見えない壁”と、そこを越えた瞬間
オンライン研修の利点は、距離を問わずに受講できること。しかしその一方で、講師と受講生、あるいは受講生同士の“感情の距離”が縮まりにくいという課題も浮き彫りになります。



カメラは画面の上、顔を見るのは画面の下。だからZoomだと絶対に目が合わない(笑)対面なら相手のちょっとした表情や体の動きから“あっ、わからないのかな”って感じ取れるけど、画面越しではそれが読みづらいんです。
「この子、こっち見てる?聞いてる?どう感じてる?」という不安が常に頭をよぎる。これは講師としての素直な本音です。
それでも、オンラインの中で“人と人”のつながりが芽生える瞬間もあるのだと話します。



積算の演習で、全く違う会社の女性2人をペアにしたんです。そしたら次の週には、Zoom画面越しにクスクス笑い合ったり、なんとなく目を合わせるような雰囲気があって…。空間は離れていても、気持ちは近づいてるなって、すごく嬉しかったですね。
オンラインの制約を超えた、そんな“リアルな関係性”が育つ瞬間。Zoomはたしかに難しさを伴いますが、使い方次第で、新人たちにとって新しい仲間や学びの場をつくる有効な手段にもなり得るのです。
「猫って何?」専門用語が示す地域と業界文化の“見えない差”
研修の最初に毎回行われるのが、「他の人が知らなそうな建設用語を持ち寄る」というアイスブレイク。
一見すると軽いレクリエーションですが、実はここで、地域性や会社文化の違いが浮き彫りになります。



“猫”って言葉、わかりますか?業界では一輪車のことを“猫”って呼ぶんですけど。こう伝えてみたところ、北海道の新人さんは完全にポカンとしてました(笑)
松岡さんの笑い話のようなエピソードですが、ここに重要な気づきがあります。同じ業界にいても、「常識」や「当たり前」が地域や会社によって違うということ。ある地域では通じる用語が、別のエリアではまったくの初耳である。それが現場のリアルです。



“これって全国共通じゃなかったの?”と驚く受講者もいて、互いの現場や文化を知るきっかけになっています。
こうしたやり取りを通じて、新人たちは単なる知識だけでなく、他者の背景や価値観を知る視点も身につけていきます。この研修が、職能だけでなく“柔らかい力”=リテラシーや共感力を育てる機会にもなっているのです。
「今どきの若者は…」なんて言わせない。驚くほど主体的な新人たち
SNSや世間では、「今の若者は指示待ち」「すぐに折れる」といったネガティブな印象が語られることも少なくありません。しかし、実際に現場で新人たちと接している松岡さんの印象は、まったく逆です。



自分の頭で考えて動こうとする子が多いんです。“こうしたらもっと良くなるんじゃないか”と、自分なりの意見を持っている。驚くほど主体的ですよ
研修中も、講師の話をただ聞くだけではなく、「自分はこう理解したけど合ってますか?」「もし別の工法ならこうですか?」といった具体的な質問が飛び交います。その姿勢に、むしろ講師側が刺激を受けるほど。



教えているはずが、こちらも学ばせてもらっていると感じます。成長したいという思いが伝わってくるから、こちらも“もっと伝えたい”という気持ちになるんです。
画面越しであっても伝わる、“前のめりな学びの姿勢”。それは、今の新人が決して「受け身」ではなく、きちんと目的意識を持って研修に臨んでいる証拠でもあります。
今後5ヶ月に向けての展望
全6ヶ月間にわたる新人スキルアップ研修。開始からまだ4週間ですが、すでに松岡さんは受講生たちの変化を実感し始めています。



最初は緊張していたメンバーも、徐々に自分の言葉で発言するようになってきました。『この子は積極的に話すタイプ』『この子は一度考えてから言葉にするタイプ』と、それぞれの個性が少しずつ見えてきています。
こうした変化に合わせて、講義の進め方や話し方、質問の投げかけ方にも工夫を加えています。ただ一方的に教えるのではなく、一人ひとりの理解度や性格に寄り添ったアプローチを意識するようになったと言います。



最目指しているのは、研修を受けた新人が現場で活躍できる状態になること。そして、企業の方に『この研修、やってよかった』と実感してもらえることです。そのためには、講師としての自分自身の成長も欠かせません。
教材や講義内容を磨き込みながら、自らも試行錯誤を重ねる松岡さん。新人と共に成長するという意識が、研修の質をより高めています。
「6ヶ月後には、『あの時の自分とはまったく違う』と、受講生自身が誇れるような姿に育ってくれたらうれしいですね」
若手の成長は、“教育投資”ではなく“未来創造”の第一歩


建設業界において、若手教育は長年の課題です。時間がない、教える余裕がない、やめてしまう。そんな負のスパイラルを断ち切るために、この研修は設計されています。
動画で基礎を学び、講義で実践的な疑問を解消し、自ら考え行動できる力を育てる。オンラインであっても、距離を超えて心を通わせ、他社の仲間からも学び合う。そして、講師自身も新人と共に成長していく“共育”の場がここにはあります。
これは、単なる新人教育ではありません。人を育てる文化を企業に根づかせ、建設業界そのものを次のステージへ引き上げる仕組みなのです。
人を育てることが、現場を変える。
現場が変われば、会社が変わる。
そして、会社が変われば、業界が変わる。
この研修は、そんな未来への起点になる取り組みです。
「教育はコストではなく、最大の投資」そう信じるすべての企業に届けたい、実践型の研修プログラムです。



6ヶ月後には、『あの時の自分とはまったく違う』と、胸を張って言えるような新人になっていてほしいですね。
新人スキルアップ研修
建築・土木施工管理の基礎から実務スキルを学べる6か月間のオンライン新人研修です。基礎力を養いながら現場での即戦力を育成し、教育負担を軽減して自立した人材の成長をサポートします。>>詳細を見る
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