多くの会社が勘違いしていることを伝えます。
働き方改革のスタートでつまづき、前に進めなくなっている原因、それが「 ペ ー パ ー レ ス 化 」です。
紙はもう古い!印鑑は古い!これからはデジタルだ!
・・・声高に叫び新しいシステムを導入し、運用し始めた。
そして後日、一向に仕事が減らないことに気付きます。
いや、むしろ増えている気すらする。そんな事例をいくつも見てきました。
だから今回お伝えします。
紙をなくすことを目的にしても、何も変わりません。
なぜなら、ペーパーレス化の本質は、『データ化すること』だからです。同じことのようですが、全然違います。
ペーパーレスがゴールではなく、ようやくスタートの準備ができただけだと知ってほしいのです。
今まで紙だったものをデータ化することで、大きく2つの可能性が生まれます。
①共有できるようになる
→誰でも手伝える、使いまわせる
②集約できるようになる
→集計して業務に活用できる
例えば、安全書類をデータ化し共有することで、会社にいる人も手伝うことができ、現場の残業を減らせます。
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でも現状は、せっかく手伝える環境になったのに、誰も手伝おうとしない状況です。
例えば、誰かが一度作った電子黒板も共有することによって、他の現場でも使いまわすことができ、手間が減らせます。
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でも現状は、せっかく共有できる環境なのに、自分のためにしか使えていません。
例えば、安全日誌のデータを集約すれば、歩掛りを簡単に蓄積することができ、工程表作成の精度もスピードも上がります。
見積データも紐づければ、概算見積も半自動で作れるようにもなるでしょう。
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でも現状は、データがどんどんと捨てられ、活用できていない状況です。
紙をなくして満足している場合じゃありません。
初期のDXとは「みんなが現場の業務を手伝えるようになった」という革命だと知ってください。
手伝えば早く帰れますよね。そんな当たり前のことが出来ていないのが問題なのです。
そして将来を見据えるなら、ペーパーレス化にはもう一つ大きなポイントがあることも伝えておきます。
近未来、AI化やロボット化の波が来るとして、その時に必要なものは何か。
答えはデータです。
データさえあればAIが学習でき、それを機械に組み込めばロボット化もそう遠くない現実のはず。
でも建設業は「現場主義」であるがゆえに、データが圧倒的に足りません。だから他産業にも遅れをとってしまっているのです。
最後にもう一度言います。
ペーパーレス化の本質は、紙をなくすことにあらず。データ化することにあり。
そのデータを、どう活用するのか。
その先が、働き方改革のカギとなるでしょう。