建設業には、目に見えない暗黙のルールがあります。
今さら言ってもしょうがない、そういうもんだと思い続けている「業界の常識」が存在しています。
例えば“多少の残業は当たり前”、“請けた以上仕方がない”、そんな常識が建設業には蔓延しています。
正直、僕もそういう常識の中で働いてきた人間の一人です。
ですが、今回ははっきりと言います。その働き方は、異常です。
少なくとも未来を担う若者にとって、この状態は非常識なのです。本当はみんな、薄々気付いているんじゃありませんか?
ご存じの通り、今年の4月から労働時間の上限規制が建設業でも適応になります。
その基本は、月間の残業上限は月45時間であり、年360時間です。
ただ、今までの働き方を前提に考える場合、発想はどうしても「何時間までなら働くことが可能か」と考えてしまいます。
結果、どうしても特別条項である、720時間に目が向きます。
だって、残業は仕方のないことだから、当たり前だから。
720時間までOKなんでしょ?となります。もう一度言います。
その考えの時点で、すでに異常です。世間の常識はもう変わっているのです。
出発地点は「何時間までなら働くことが可能か」ではなく、「そもそも残業をしない働き方」を考えなければいけないのです。
人が足りない、工期が短すぎる、利益が上がらない。言いたいことはわかりますが“だから “仕方がない”はもう、通用しない世界なのです。
これを受け入れないと、先に進めません。
そもそも残業とは、残ってまでやらなければいけない業務のこと。
この言葉を使っている時点で、誰しもが本来はやるべきじゃないと、わかっているはずです。
ただ今までは、残業代さえ払えば許された、それが「常識」でした。
でもそれは、これからは違法です。
そしてその違法性しか知らない若者たちが作り上げていく社会になります。
いくら業界の常識があろうと、もはやそんな甘いことは許してくれません。本当に変わらないと、「異常な会社」と認定されてしまうのですから。
変わるためには、自分たちの働き方が「異常」だと受け入れましょう。まずはそこからです。
自分たちが正しいと信じ、頑として動かなくても許された時代は終わったと、理解しましょう。
“人が足りないから仕方ない”ではなく、足りないならどう確保するか、どう効率を上げられるかを本気で考えるしかありません。
“工期が短いから仕方がない”ではなく、短いならどう伸ばすか、どう早期完成を達成するかを本気で考える以外、選択肢はありません。
その上で、社会や時代と調和した組織に変えていくこと。
もう生き残る方法は、それ以外にないのですから。勇気をもって、新しい常識を作る戦いを始めましょう。僕と一緒に。