僕が考える「技術者」とは、
与えられた条件や環境の中で、時代に惑わされることなく、
自らの信念と専門知識に基づき挑戦し、結果を出せる人のことです。
もちろん、施工管理も立派な技術者です。
技術の進歩は時に速く、予測不可能な方向に進むこともあります。
今がまさにその象徴的時代なのですが、とはいえ、
本当の技術者がすべきことは変わりません。
結局は何が本当に価値あるものか、
何が社会に貢献できるのかを見極め行動に挑戦するだけ。
それが技術者の本質であり、
彼らの存在が今日の社会において不可欠である理由です。
ではこの時代において、
「人手が足りない」とただ嘆くことは、技術者として正しいのでしょうか。
残業してはいけないという規制に対して、
「無理だ」とあきらめることが技術者としてあるべき姿でしょうか。
僕はそう思いません。
きっとここが現場なら、どんな困難な問題でも前に進むはずです。
嘆くだけの無意味さを知っているから。
無理だと投げ出しても、先送りになるだけだと知っているからです。
あらゆる可能性を考えて挑戦し、前に進んできたのが技術者。
新しい方法だの、時代遅れだのなんてどうでもよく、
問題を突破するために必要なものはどんどんと武器に変えて進むはずです。
それが僕の知る、尊敬すべき技術者です。
おそらく建設業において、解決すべき最も大きな問題は「人手不足」でしょう。
4月から始まる残業規制によって、この問題は肥大化します。
会社が、いや業界が、崩れてしまう可能性だってある、由々しき問題です。
でもどうでしょうか。
そんな難局は、技術者であれば誰しもが経験してきたのではないでしょうか。
それぞれがその問題を自分事とし、本気で考えたならば、
きっといくらでも打つ手はあると思っています。
仮にその武器がデジタルだろうと、紙だろうとそんなことはどうだっていい話。
最も良い選択をしていくことが出来るのは、技術者なのです。
終身雇用、年功序列、愛社精神、紙の書類、現場主義。
世間では古いと言われるものです。
IT活用、DX、ICT技術、AI活用、リモートワーク、ホワイト企業。
世間では新しいと言われるものです。
「昔ながらが大切、新しけりゃいいってもんじゃない。」
「いやいや、古いものはダメ、新しい方がいい。」
僕の知る「技術者」は、そんな小さいことはどうだっていいはずです。
新しいとか古いとかじゃなく、今の課題を突破する武器として、
必要か不要か。適切か不適切かのはずなのです。
僕は、頑なにデジタルを否定する人は嫌いです。
とりあえず新しいものを取り入れる人も嫌いです。
そして何より、自分のことだけを考えそこから動こうとしない人は、最も嫌いです。
技術者はもっと気高く冷静で、挑戦的なはずだと思っているからです。