
施工管理は業務範囲が広いし、現場環境は毎回違う。どうすれば効率良く成長できるのかな?
このような悩みにお答えします。
自分で言うのもなんですが、僕はそこそこ仕事ができる方でした。営業マンのように、明確な数字を出すことはできませんが、それでも何人もの先輩を実力で抜き去った自負はあります。
上司の評価や社内での表彰、出世スピードや協力業者さん達の評価などを客観的に考えても、結構なスピードで抜き去ったと自信を持っています。
・・・なんか自慢話で始まってしまい申し訳ないのですが、別にこんな話をしたいわけではありません。
本題は「僕が先輩を抜き去ることができた理由」についてです。
僕のやってきたことは、別に難しいことではありません。そして誰もがマネのできる再現性の高いものだと感じたので、若い世代の参考になればと思いお話させてもらいます。
若手だった僕が先輩を抜き去ることができた理由

なぜ僕が先輩を抜き去ることができたのか。
その秘訣は、ズバリ『データ取り』にあります。なんだかんだ言って、データは嘘をつかないものだと感じています。
例えば同期で入社した人がいたとして、数年でいくつかの現場をそれぞれ経験したとします。もちろん個人の性格や能力、やる気や個性に違いがあるため一律とは言いませんが、かけ離れた実力差になることは稀です。
やっぱり年数に応じてそれなりの経験を積むため、成長はしています。何も手を打たなければ、個人差の範疇を超えることはないと感じています。
同期ですらその状態なのですから、先輩を抜くなんてのは簡単ではありません。なぜなら圧倒的な経験の差があるからです。僕は、早い段階でそれに気付きました。でも負けたくなかった。そして考えました。
1回の経験で得られるものがあったとしても、おそらくほとんどは忘れてしまいます。そして同じような場面を2回繰り返すと得られるものは増えますが、やっぱりすり抜けるものがあります。
そうやって何度も繰り返すうちに、だんだんと磨かれていくものが経験値です。普通にしていれば、年配ほど仕事ができて当然だと思ったのです。
1.データを取ること
できることなら、1回の経験で得られるものを出来るだけ増やしたい。2回の経験で、5回の経験と同じだけのものを獲得したい。そこで行き着いたのが、データを取ることだったのです。
例えば「歩掛り」と言うものがあります。これは作業員1人工当たり、1日でどのくらいの作業ができるのを数値で表したものです。この歩掛りは、工事の計画や工程表、見積などに幅広く使える「データ」です。
ここを早くに抑えれば、より正確な計画を練ることができ、あらゆる場面に応用が可能だと気付いたのです。
2.安全日誌
そこで僕は、安全日誌に着目しました。
自分の現場だけでなく、同時にやっていた他の現場の日誌も手に入れ、時間を作ってはデータにしていきました。過去のものもデータにして比較したり、見積書と関連づけて比較したりしました。
結果2年目の冬頃には、ほぼ先輩と遜色のない工程表が書けるようになり、やったこともない見積もりの単価もほとんど頭に入っていました。
業者との打ち合わせでも、話す内容に根拠が生まれ、自信が言葉に勢いを与えました。もちろん上司との会話も同様です。図面の理解力も上がり、現場が数字に見えてきたのもこの頃だと記憶しています。
”〇〇ならできる!”という考え方にしませんか?

これが僕の財産となり、社内の工事表彰なども常連になり、会社の歴史上最年少で工事長になりました。それもこれも、データの重要性に早く気付いたからだと感じています。
もちろんデータだけでわからない、経験からくる勘のようなものもあるでしょう。でもそれはどうやっても近道はできません。それを欲しがっても無理な話です。
だったらそれ以外のものをどんどん手に入れればいいだけではないでしょうか。
「〇〇はできない」ではなく、「〇〇ならできる」と考えましょう。
データを取ることは誰にでも出来ます。地道な積み上げを、ぜひ若いうちにやっておいてほしいと願っています。