社会人1年目の秋、私は自ら経験した労働災害から多くを学びました。当時、私は建設現場で新たな任務を担当しており、基礎工事の段階で重要な役割を果たしていました。しかし、ある日の作業中、予期せぬダンプトラックの動きにより、私は事故に巻き込まれてしまいました。
この経験から、私は安全管理の重要性を深く認識しました。若手の方々にとって、日々の安全書類作成や点検が面倒に感じられるかもしれませんが、これらの活動はなぜ必要なのか、どうして重要なのかを、私の体験を通してお伝えしたいと思います。
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagram・メールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
経験した労働災害とは
私は社会人1年目の時に労働災害を経験しました。
労働災害の内容
起こした労災事故は、担当していた現場での作業中に起きました。土工事の打ち合わせを進めている最中、私が撮影していた写真を見るために振り返ったところ、ダンプトラックが近づいてきているのを目撃しました。その後、鉄板の上に飛び石が乗っかっていたため、私の顔に直撃しました。
幸い大事には至りませんでしたが、この事故は安全管理の重要性を改めて実感させられる出来事でした。
事故の原因
事故の原因は、ダンプトラックの操作ミスと私自身の計画ミスでした。
ダンプトラックが通るはずのない場所に入ってきたため、私の作業中に事故が発生しました。幸い、重大な怪我はありませんでしたが、事故後は家族から仕事を辞めるようにと説得されるなど、周囲に迷惑をかける結果となりました。
この事故を通じて、安全管理や計画の重要性を再認識しました。今後同様の事故が起きないように取り組んでいきたいと実感した経験でした。
安全管理の目的
この経験を受けて、安全管理の目的について考えました。
現場監督が行う安全管理の目的は、次の2つです。
- 現場で働く人々の命を守ること
- 会社を守ること
安全管理は重大な事故リスクを排除し、小さなリスクを可能な限り減らす努力を行います。
現場で働く職人たちの安全を最優先に考えるべきです。しかし、現場監督として自らの安全も常に確保しなければなりません。万が一の際には迅速に対処する必要があるからです。
安全対策を実施し、事故が起きない日常が続くことが一般的です。しかし、事故が起きた場合に備えて、実施した安全対策を「記録」として残すことも重要です。
安全対策の記録は、現場内外の人々に安心感を与えると同時に、万が一の際に事故の状況を把握するための重要な証拠にもなります。
事故の原因が被害者の不注意や軽率な行動だったかもしれませんし、危険な状況だったかもしれません。記録によって、自分の対策の正当性を主張し、会社を守ることができるのです。
安全管理は、現場で働く人々を守るための整備と点検の活動と同時に、会社を守るための取り組みでもあります。
安全管理の大切さ
私の経験から学んだことは、安全管理が単なる義務ではなく、私たちの安全を守る上で欠かせない活動であるということです。安全書類の作成や日々の点検は手間がかかり、時にその意義を見出すのが難しいかもしれません。しかし、これらの地道な作業があってこそ、管理は機能し、私たちの職場は安全に保たれます。
安全管理の目的は、現場で働く人々の命を守ることにあります。さらに、それは会社を保護する手段でもあります。事故が起きない日常を築くためには、安全管理の地道な努力が欠かせません。私たちは、建設現場の安全を確保するために、安全書類や点検を行う必要があります。これらの活動は手間がかかるかもしれませんが、その価値は計り知れないものです。
私たち一人ひとりが自らの安全と周囲の人々の安全に責任を持つことが求められます。高い安全意識を持ち、常に周囲の状況を見極めることが重要です。また、万が一の事態に備えて、実施した安全対策の記録を残すことも忘れてはなりません。これは、会社を守るための重要な証拠となります。
安全管理は地道な作業ですが、その努力が事故の防止に繋がります。私たち一人ひとりが意識を持ち、日々の業務を通じて安全管理を徹底することで、安全な職場を作り上げることができます。安全意識を持ち、行動に移すことで、より安全な環境を築き上げることができます。みんなで力を合わせ、安全第一の職場を目指しましょう。