【建設現場/段取りの極意】プロの仕事を最大限に活かすための準備術

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建設現場で働く新人や若手の方々から「段取りがうまくできない」という悩みをよく耳にします。段取りとは、施工管理における要となるスキルですが、実際にどうやって段取りを組めばよいのか、迷ってしまうことも多いでしょう。

今回は、そんな皆さんに向けて「オムライスを作る」という例えを使いながら、段取りの考え方をわかりやすく解説していきます。この例え話を通じて、段取りとは何か、そしてそれが現場でどれほど重要なのかを理解していただけると思います。この記事を通じて、皆さんが段取りの達人となり、現場をスムーズに運営できるようになることを願っています。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

段取りとは何か?

段取りとは、簡単に言えば「準備」のことです。しかし、この準備は単なる準備ではありません。現場においては、段取りがすべてを決定すると言っても過言ではないほど重要な要素です。職人さんが現場に入って作業を開始する前に、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるように、必要な準備を整えておくことが段取りの役割です。

ここで、段取りの本質をオムライスの調理に例えてみましょう。プロの料理人がオムライスを作るために来るとします。この料理人に、いきなり「卵を買ってきてください」と頼むのは、彼の技術を最大限に活かすことにはなりません。料理人が到着した時点で、すでに必要な材料や道具がすべて揃っていて、すぐに調理に集中できる状態にしておくことが、効率的な段取りと言えます。

まず、料理に必要な材料をリストアップし、スーパーマーケットで一度にすべてを揃えることが大切です。さらに、料理に必要なコンロやフライパン、まな板、包丁などの道具を準備しておきます。このように、料理人が到着したときにはすぐに調理を開始できる状態にしておくことが、段取りの基本です。

段取りを怠ると、材料が不足したり、道具が揃っていなかったりと、調理がスムーズに進まなくなります。同様に、現場でも必要な準備が整っていないと、作業が滞り、結果として全体のスケジュールが遅延する原因になります。

段取りを円滑に進めるための3つのステップ

段取りをうまく進めるためには、次の3つのステップが重要です。この3つのステップを踏むことで、段取りがよりスムーズになり、職人さんたちはその技術を最大限に発揮することができます。結果として、現場の生産性が向上し、無駄のない効率的な作業が実現します。

よく見ること

まず、現場の状況をしっかりと観察することが不可欠です。何が不足しているのか、どんなリスクが潜んでいるのか、そしてどのように作業を進めるべきかを、細かく確認します。観察を通じて、段取りの全体像を把握することができます。

よく知ること

次に、現場で使う材料や道具、そして作業の流れについて十分な知識を持つことが求められます。たとえば、鉄筋工事の段取りを組む際には、鉄筋の加工方法や必要な工具について理解している必要があります。この知識がなければ、適切な段取りを組むことは難しいでしょう。

イメージすること

最後に、頭の中で作業の流れを具体的にイメージします。材料が揃った状態から、どのように作業が進んでいくのか、どのタイミングで次の工程に移るのかを想像します。イメージがしっかりできていれば、作業が滞ることなく進行し、現場全体がスムーズに動くことになります。

プロフェッショナルとしての段取り術

段取りを極めることで、現場のスムーズな運営が可能になりますが、そのためには「プロフェッショナルとしての意識」が重要です。私たちの仕事は、職人さんたちが現場で100%の力を発揮できるように、あらゆる準備を整えることにあります。プロの職人が最大限に活躍できる環境を整えることこそ、私たちのプロとしての役割です。

たとえば、鉄筋工事が始まる前には、鉄筋の加工が完了し、現場に搬入されている状態を作る必要があります。そのためには、加工図面の手配や材料の発注、運搬スケジュールの調整など、さまざまな段取りが必要です。これらがしっかりと準備されていれば、職人さんたちは到着次第、作業に取りかかることができ、現場はスムーズに進行します。

段取りがうまくいかないと、職人さんたちはその技術を十分に発揮できず、現場全体に影響を及ぼします。そのため、私たちは「準備のプロ」として、すべての段取りを完璧にこなすことが求められます。

新人・若手へのアドバイス

新人や若手の皆さんには、段取りの重要性を理解し、実践に役立てていただきたいと思います。しかし、段取りがうまくなるには時間がかかるものです。焦らず、まずは現場での観察を大切にしてください。職人さんたちがどのように作業を進めているのか、その動きや順序をしっかりと見て、理解を深めましょう。

また、現場で得た経験をもとに、頭の中で作業の流れをイメージする練習を重ねてください。次の現場に移る際には、前回の経験を活かし、より効率的な段取りを考えることができるようになります。段取りは経験と共に磨かれていくものです。現場での経験を積み重ねながら、自分の段取りスキルを高めていってください。


まとめ

段取りは、施工管理において最も重要なスキルの一つです。職人さんたちが最高のパフォーマンスを発揮できるように、私たちは準備のプロとして段取りを完璧に整える必要があります。このプロセスを怠ると、現場全体が滞り、計画通りの進行が難しくなるため、段取りの重要性を強く認識し、日々の業務に活かしていきましょう。

新人や若手の皆さんは、まずは現場をよく観察し、段取りの基本を理解することから始めてください。焦らずに、確実に成長していけば、段取りの達人として現場をスムーズに運営できる日が必ず訪れます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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