【新人施工管理必見】ラップルコンクリートとは?地業工事の種類と役割をわかりやすく解説

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建築現場で耳にする「ラップルコンクリート」や「地業工事」。
新人の施工管理者や職人さんにとっては、なんとなく聞いたことはあっても、具体的な役割や施工方法まではピンと来ない方も多いでしょう。

しかし、この2つの知識は「建物の安全性」や「工事品質」に直結する超重要な基礎知識です。なぜなら、地業工事の選択や施工精度次第で、建物が何十年も安定して立ち続けるか、それとも不具合を起こしてしまうかが決まるからです。

この記事では、現場経験17年の私が、

  • ラップルコンクリートの意味と役割
  • 地業工事の種類とその使い分け
  • 現場での判断ポイントと施工の流れ

を専門用語をできるだけかみ砕いて解説します。

株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)

【保持資格】

  • 一級建築士
  • ー級建築施工管理技士
  • 一級土木施工管理技士

【これまでの活動】

  • 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家
  • YouTubeチャンネル建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
  • Instagramや音声配信など多メディアで情報発信
  • 電子書籍出版オンラインセミナーを精力的に実施。
  • 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。

記事の監修

腕組みをする運営者

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  • 建設現場の生産性向上施工管理の教育支援を展開。
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目次

地業工事とは?

地業工事(ちぎょうこうじ)とは、建物を安定して支えるために、基礎の下に施工する工事のことです。建物の重さを地盤に均等に伝え、不同沈下や傾きを防ぐ重要な役割を持っています。

地業工事の目的は、主に以下の2つです。

  1. 建物荷重を安定して地盤に伝える
  2. 地盤の沈下や傾斜を防ぐ

建物を直接やわらかい地盤に載せてしまうと、不均等に沈下してしまい、最悪の場合は建物が傾いたり、構造に重大な不具合が発生します。そのため、基礎の下に地業工事を行い、強固な支持層に荷重を伝える仕組みを作るのです。

地業工事の種類と特徴

地業工事は、地盤調査によって明らかになった支持層の深さによっていくつかの方法が使い分けられます。

① 杭工事(深い支持層向け)

支持層が非常に深い場所(例えば地下10m以上)にある場合に採用される工法です。コンクリートや鋼製のを地中深くまで打ち込み、先端を支持層に載せて建物を支えます。コストはかかりますが、非常に安定性が高いのが特徴です。

② ラップルコンクリート工事(中程度の深さ向け)

支持層が比較的浅い場所(2〜3m程度)にある場合に採用されます。基礎の下にある弱い地盤を掘り、そこに無筋コンクリート(ラップルコンクリート)を流し込んで固めます。基礎と支持層の間を「コンクリートの塊」で埋めるイメージです。比較的コストを抑えつつ、安定した支持を確保できます。

③ 地盤改良工事

軟弱地盤をセメントや石灰などの固化材と混ぜ合わせて固め、支持力を高める方法です。支持層までの距離が比較的短く、現地の土質を活かしてコストを抑えたい場合に有効です。

④ 砂利地業(浅い支持層向け)

浅い位置に支持層がある場合に採用されます。砕石や砂利を敷き詰め、突き固めることで地盤を平坦に整え、均等に荷重を伝えます。仕上げに捨てコンクリート(ステコン)を打設する場合が多く、基礎工事を正確に進めるための土台となります。

ラップルコンクリートとは?

ラップルコンクリートとは、基礎底面と支持層(固い地盤)の間を埋めるための無筋コンクリート層のことです。
特に、支持層が地表から2〜3m程度の比較的浅い位置にある場合に用いられることが多い工法です。

建築物の基礎と支持層の間にラップルコンクリートを打設することで、建物の荷重を効率よく地盤に伝えることができます。
杭工事のように深く掘削したり、長い杭を打ち込む必要がないため、中程度の深さの地盤補強に適した方法といえます。

特徴とメリット

  1. 無筋コンクリートなので施工が簡単
    • 鉄筋を組む必要がなく、打設作業がスムーズに進みます。
    • 比較的短期間で施工が可能です。
  2. 耐久性が高く、長期的に安定
    • 無筋コンクリートは劣化が少なく、長期にわたって安定した支持力を発揮します。
    • 基礎構造の耐久性を高める効果があります。
  3. 深掘り不要でコストを抑えられる
    • 杭工事のように数十メートル掘削する必要がないため、施工コストを大幅に削減できます。
    • 比較的少ない土工事で済むため、現場条件による制約も受けにくいです。

地業工事の流れ

地業工事は、建物を安全かつ安定して支えるための「地盤づくり」の工程です。
ここでは、一般的な地業工事の流れを順を追って説明します。

① ボーリング調査(地盤調査)

まず最初に行うのが地盤の強度や支持層の深さを調べるためのボーリング調査です。
これは、専用の機械で地盤に穴を掘り、土質や地層構成をサンプルとして採取し、地盤の硬さ・水分量・締まり具合を測定する調査です。

  • 目的:基礎がどの深さまで到達すれば安定するかを判断する
  • 調査結果の例:
    • 表層は軟弱な粘土層
    • 深さ2.5m地点に固い砂礫層
    • 10m地点に岩盤層

この結果によって、次の施工方法が決まります。

② 施工方法の決定

ボーリング調査の結果をもとに、最適な地業工法を選定します。

  • 支持層が深い場合 → 杭工事(深く杭を打ち込む)
  • 支持層が浅い場合(2〜3m) → ラップルコンクリート工事
  • 地盤が弱い場合 → 地盤改良(セメントや石灰で固化)
  • 支持層がすぐ下にある場合 → 砂利敷きや割栗石工事

この工程での判断は、構造の安全性や施工コストに大きく影響します。

③ 地業工事の施工

決定した方法に基づき、実際に地業工事を施工します。

  • 杭工事:重機で杭を打ち込み、支持層まで到達させる
  • ラップルコンクリート工事:基礎底面から支持層まで無筋コンクリートを打設
  • 地盤改良工事:地中にセメント系固化材を混入し、地盤を強化
  • 砂利・割栗石工事:厚みを確保して敷き詰め、均一に締固め

施工中は、設計図通りの位置・深さ・強度が確保されているかを確認しながら進めます。

④ 基礎工事へ移行

地業工事が完了したら、いよいよ基礎工事に移ります。
この段階で地盤は均一かつ安定しており、建物の荷重をしっかりと支持層に伝える準備が整います。

  • ここでの不備は後から修正が効かないため、最終確認が重要
  • 地業工事の精度が、その後の基礎や建物全体の耐久性を左右します

まとめ

ラップルコンクリートや地業工事は、普段の現場作業では目立たない存在ですが、建物の安全性や耐久性を左右する極めて重要な工事です。

支持層の深さや地盤の状態によって、杭工事・ラップルコンクリート・地盤改良・砂利地業といった方法が使い分けられます。その中でもラップルコンクリートは、「あと少しで支持層」という状況で、コストと安定性のバランスを両立できる優れた選択肢です。

新人施工管理者や職人さんにとって、この知識を理解しておくことは、

  • なぜこの工法が選ばれたのかを納得できる
  • 現場での判断や会話がスムーズになる
  • 不具合や手戻りを未然に防げる

といった大きなメリットにつながります。

地業工事は、建物の“命”を守る土台づくり。
見えない部分こそ手を抜かず、最適な工法を選び、確実に施工することが、長く安全に建物を使うための何よりの近道です。

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