部下が育たないのは上司のせい?建設現場で本当に求められる育成術

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こんにちは、ライズプランの武田です。
今回は 「建設業における部下育成」 をテーマにお話しします。

建設現場では、工程の進捗、安全管理、職人さんとの調整など、多くの判断を日々迫られます。そんな中で若手や部下からこんな相談を受けることはないでしょうか。

「工程が遅れていて、このままでは予定通りに終わりません。どうしたらいいでしょうか?」

このとき、多くの上司がやってしまうのは、すぐに具体的な答えを提示することです。

「じゃあ、資材搬入を前倒しにして、この作業を先にやろう」
「この部分は作業時間を短縮して対応しよう」
「人を追加して、手を増やせば間に合うだろう」

確かにこの対応で一時的に工程は回ります。現場が止まらないという点では正解にも見えるでしょう。しかし、このやり方を繰り返すと、部下は 「困ったら上司に聞けばいい」「自分で考えなくても答えが出てくる」 と学習してしまいます。

その結果、現場の判断力を磨く機会を奪い、部下は「指示待ち人材」となってしまうのです。これは建設業界に限らず見られる現象ですが、特にトラブル対応や工程調整が日常茶飯事の現場では、より深刻な問題になります。

この記事では、こうした悪循環に陥らないために、建設業の現場における部下育成の正しい考え方と、具体的な指導のポイント を解説していきます。

株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)

【保持資格】

  • 一級建築士
  • ー級建築施工管理技士
  • 一級土木施工管理技士

【これまでの活動】

  • 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家
  • YouTubeチャンネル建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
  • Instagramや音声配信など多メディアで情報発信
  • 電子書籍出版オンラインセミナーを精力的に実施。
  • 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。

記事の監修

腕組みをする運営者

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目次

答えを教えるとどうなるか

部下が「工程が遅れています。どうしたらいいでしょうか?」と相談してきたとき、上司が即座に答えを提示するとどうなるでしょうか。

  • 「じゃあ、この作業を先に進めて」
  • 「ここを短縮すれば間に合うよ」

部下は「先輩が言ったんだから間違いない」と受け止めます。
そして次に同じような問題が起きたとき、こう考えるようになります。

「困ったら自分で考えなくてもいい。聞けば答えがもらえる」

結果、部下は自分で判断する習慣を身につけられなくなり、常に指示を待つようになります。
これは「考えない人材」になるのではなく、「考え方を学ぶ機会を奪われている」状態なのです。

短期的に見れば、答えを与える方が早くて楽です。現場もその場で回るので安心感もあります。しかし、長期的に見れば、部下は「指示がなければ動けない人材」になってしまい、結局は上司自身がずっとフォローし続けることになります。

つまり、部下の成長も上司の負担軽減も、どちらも得られない悪循環に陥ってしまうのです。

上司の役割は「方向を示すこと」

では、どうすべきでしょうか。
上司の役割は 解決策を与えることではなく、考える方向を示すこと です。

先ほどの例をもう一度見てみましょう。

悪い例(答えを与えてしまう)

部下:「工程が遅れて、このままでは終わりません」
上司:「じゃあ、資材搬入を前倒しにして、この作業を先にやろう」

→ 部下はその通りに動きますが、次も同じように「答え待ち」になります。

良い例(方向を示す)

部下:「工程が遅れて、このままでは終わりません」
上司:「そうか。他の作業と入れ替える方法はないだろう?」

少し考えた部下が答えます。
部下:「では、仕上げ工程を後に回して、配管工事を先に進めれば間に合うかもしれません」

上司:「いいね。その方法なら安全面も問題ないし、工程も調整できそうだ。じゃあ、その方向で進めてみよう」

このやり取りで大切なのは、答えを与えず、考えるプロセスに導くことです。
部下は「自分で考えて答えを出した」という経験を積み重ねることで、次に同じ状況が来たときにも自ら判断できるようになります。

つまり、上司がやるべきことは “問題をどう解決するか”を示すのではなく、“どう考えれば解決策にたどり着けるか”を示すこと なのです。

部下を「考えて動ける人材」に育てる4つのポイント

部下を育てるうえで大切なのは、単に仕事のやり方を教えることではなく、自分で考え、判断し、行動できる力を身につけさせることです。そのために、上司が日々の指導で意識すべきポイントを4つに整理しました。

① すぐに答えを言わず問いかける

部下が「どうしたらいいでしょうか?」と相談してきたとき、上司がすぐに答えを出してしまうと、部下は考える機会を失ってしまいます。
そこで大切なのは、答えを与えるのではなく問いかけることです。「君ならどうする?」「他に方法はあるかな?」と投げかけることで、自分で考える習慣が身についていきます。

② 答えを引き出すまで待つ

問いかけをしても、すぐに答えが出るとは限りません。沈黙が続くとつい助け舟を出したくなりますが、ここで待てるかどうかがポイントです。
焦らずに「整理してからでいいよ」と時間を与えることで、部下は自分の頭で答えを導き出す練習ができます。

③ 出てきた答えを肯定し、修正する

部下が答えを出したときに、間違っていても頭ごなしに否定してしまうと考える意欲を失わせてしまいます。
まずは「いい視点だね」「そこに気づいたのは大きい」と肯定したうえで、安全面や効率面を考慮して修正してあげることが重要です。そうすることで、安心感を持ちながら考える力を伸ばしていけます。

④ 考え方の型を教える

最後に必要なのは「考え方の軸」を与えることです。毎回ゼロから考えるのは難しいですが、型を知っていれば判断が早くなります。
例えば工程が遅れたときは「入れ替えられる作業はないか」「短縮できる部分はないか」「分担できる人材はいるか」という3つの視点を持つと解決策を整理しやすくなります。

まとめ

建設現場では、トラブルや工程の遅れは日常的に起こります。
そのたびに上司が即座に答えを与えてしまえば、現場は一時的に回りますが、部下は「自分で考える力」を磨く機会を失ってしまいます。

上司の本当の役割は、正解を教えることではなく、考える方向を示すこと です。問いかける、待つ、肯定する、考え方の型を伝える。この積み重ねによって、部下は少しずつ「自分で考え、判断し、行動できる人材」へと成長していきます。

建設業界は人手不足が叫ばれる中で、現場を任せられる人材を育てることが何よりも重要です。忙しいときほど答えを与えたくなりますが、そこで一歩こらえて問いかけてみてください。

それが最終的には、部下の自立を促し、現場全体の力を底上げすることにつながります。そして何より、自分自身も「常に答えを出し続けなければならない負担」から解放され、より戦略的なマネジメントに力を注げるようになるでしょう。

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