後輩や部下に説明をしたあと、「質問はありますか?」と尋ねた際、「特にありません」と返ってくることは少なくありません。そのときに「理解してくれたんだな」と判断してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、この「質問がない=理解している」という思い込みは、実はとても危険です。説明を聞いたその場で質問が出ないのは、理解できているからではなく、むしろ「まだ何も分かっていない」状態であることが多いのです。
この記事では、若手がなぜ質問できないのかという心理的背景と、先輩としてどのように接すれば“聞きやすい空気”をつくれるのかを解説します。質問しやすい環境を整えることは、若手の成長を促すだけでなく、チーム全体の生産性を高めることにもつながります。
「質問が出ないのは理解の証」と思い込んでいた方ほど、今日から部下育成の見え方が変わるはずです。
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【保持資格】
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【これまでの活動】
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- Instagramや音声配信など多メディアで情報発信。
- 電子書籍出版やオンラインセミナーを精力的に実施。
- 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。
記事の監修

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説明直後に質問が出ないのは、理解していないから
そもそも、初めて聞く内容や未経験の作業について、説明を受けた直後にすぐ質問できる人は多くありません。特に入社1~3年目の若手にとっては、まだ全体像がつかめていない状態がほとんどです。
たとえば、先輩から「この図面を見て数量を拾っておいて」と指示されたとします。言葉としては理解できても、「数量を拾う」とは具体的に何を指すのか、どの資料を見ればいいのか、どの範囲を数えれば正しいのかが分からない。けれども、その瞬間に「どうすればいいですか?」と聞ける人は少ないのです。
多くの若手は、まず「やってみないと分からない」と考えます。そして実際に手を動かしてみたときに初めて、「あれ?この部分も数に入れるんだったかな」「そもそもこれってどの図面を基準にすればいいんだろう」といった具体的な疑問が出てきます。
つまり、“質問がない”という状態は、理解が十分に進んでいない段階であることが多く、決して「理解している」という証明にはなりません。説明を聞いた直後は、情報を受け取るだけで精一杯の状態。質問が出てこないのは、“理解したからではなく、まだ理解が整理されていないから”なのです。
若手が質問できないのは「聞くのが怖い」から
若手が疑問を感じても質問をしない理由の多くは、心理的なハードルにあります。
「これはさっき説明されていた内容かもしれない」「こんなことを聞いたら“分かっていない”と思われるかも」といった不安や恐れから、質問を口にできないのです。
特に近年の若手世代は“失敗を避けたい”という意識が強く、怒られたくない・恥をかきたくないという気持ちが先行してしまいます。その結果、疑問を抱いたまま作業を進めたり、不安から手が止まってしまったりするケースも少なくありません。
このような「質問できない空気」は、個人の性格ではなく、職場や先輩がつくる環境の影響が大きいことを理解しておく必要があります。
聞いても大丈夫な“空気”をつくることが先輩の役割
若手が質問しやすい環境をつくるために大切なのは、「聞いても大丈夫」という安心感を与えることです。
たとえば、「ここ、ちょっと分かりづらかったと思うけど大丈夫?」「質問してくれて助かるよ。分からないままだと困るからね」といった声かけをしてみるのも効果的です。
また、質問があったときには「いい質問だね」「そこに気づいたのは大事なことだよ」と肯定的な反応を返すようにしましょう。こうした積み重ねが、「この人には聞いても大丈夫」という信頼を生み出します。
さらに、自分の経験を共有するのも有効です。「自分も最初ここでつまずいたことがあるんだ」と伝えることで、後輩は安心して質問できるようになります。
日常の姿勢が「聞きやすさ」とチームの成長をつくる
どれほど忙しくても、相手の話に耳を傾ける姿勢を忘れてはいけません。
「今は無理だから後にして」という空気を出してしまうと、後輩はもう二度と質問をしてこなくなります。たとえその場で対応できなくても、「あとで聞かせて」と一言添えるだけで十分です。
“聞きやすい先輩”は、日常の小さな対応の積み重ねによって生まれます。その姿勢が、やがて職場全体の信頼関係を築いていくのです。
質問を歓迎する文化が根づくと、疑問が早期に解消され、業務の流れがスムーズになります。若手が主体的に動けるようになれば、先輩や上司の負担も軽減され、チーム全体の生産性が高まります。
つまり、「質問しやすい環境づくり」は組織の成長戦略そのものです。後輩が育つことで、先輩はより上の役割に挑戦できる。そうした循環が、強いチームを生み出します。
まとめ:「質問がない=理解している」という思い込みをなくす
「質問がない=理解している」と決めつけてしまうことは、部下育成の大きな落とし穴です。多くの場合、質問が出ないのは“理解できていないから”であり、“聞けない空気”があるからです。
若手が安心して質問できる環境をつくることは、先輩や上司の重要な役割です。「聞いても大丈夫」という安心感を日常のやり取りの中で積み重ねていくことで、信頼が生まれ、チーム全体の風通しが良くなります。
質問を歓迎する姿勢は、後輩の成長を支えるだけでなく、先輩自身の仕事をよりスムーズにし、組織の成長にもつながります。
まずは「質問してくれてありがとう」と伝えることから始めてみてください。その一言が、若手にとって“安心して成長できる職場”をつくる第一歩になります。
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