建築業界に足を踏み入れたばかりの新人現場監督たちへ。いざという時、あなたはどう行動しますか?答えがわからない問題に直面したとき、どこから情報を得るべきか、どの質問を先輩に投げかけるべきか。これらは、一見すると単純な疑問のように思えますが、実際には多くの新人監督が直面する大きな壁です。
私自身、17年間建築の現場監督として働き、その後独立して新人教育に携わるようになりました。そんな経験を生かして、新人監督が迷わず前に進むための具体的なアドバイスと、業界での生存術をお伝えしたいと思います。
この記事では、初心者が最も困惑するシチュエーションをピックアップし、どのように情報を集め、いつ先輩に頼るべきかを詳しく解説します。そして最後に、私がこれまでに得た知識の中で最も価値ある秘訣を共有します。始める前に、新人さんたちが直面するであろう挑戦について少し触れてみましょう。
この記事を書いた人
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagram・メールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
工事写真の撮り方
工事写真は、現場の進捗や品質を記録するために不可欠です。しかし、どのような写真を、どのように撮れば良いのか迷うことがあります。
この時、最も参考になるのは、先輩たちの撮影した工事写真です。特に、官庁工事の写真は、撮影の基準やルールが厳格に定められているため、学ぶべき点が多く含まれています。また、国土交通省が出している工事写真の撮り方ガイドなどの公式資料も参考になります。こうした資料を通じて、撮影の技術だけでなく、何を撮影すべきかの判断基準も学べます。
安全管理
建築現場における安全管理は、極めて重要な領域です。しかし、安全に関する規則や法令は膨大で、何から手をつけて良いか分からないこともあります。
ここで重要なのは、先輩からの知識の継承です。直接先輩に聞くことで、テキストにはない現場固有のルールや対策も学ぶことができます。また、安全法令ダイジェストのような要約されたガイドブックも、法令や規則を効率的に学ぶための良いツールとなります。
図面の読み方
図面は建築現場の言語です。設計図や施工図を正確に理解することは、作業の正確性を保証する上で不可欠です。
最初は、図面に記された記号や専門用語に戸惑うかもしれませんが、ここでも先輩の知識が頼りになります。また、実際に図面を使用している職人さんたちからも、その読み方や使い方についての貴重なアドバイスを得られることがあります。こうした一つ一つの経験が、図面を読み解く力を養います。
さらに知識を深めたい場合は
さらに知識を深めたい場合は、過去の工事写真や標準仕様書、施工計画書などの資料を参照することが有効です。これらの資料は、工事の進め方や技術的な詳細を理解する上での宝庫です。特に、標準仕様書は、工事の基本的な手順や要求される品質基準を学ぶために役立ちます。
最後に、新人現場監督の学びをサポートするために、私が提供するeラーニングサービス「Edu建(エデュケン)」をご紹介します。このサービスは、工事写真の撮り方から図面の読み方、安全管理まで、建築施工に必要な基礎知識を網羅した動画教材を提供しています。自分のペースで学べるこのサービスを活用することで、新人現場監督はより迅速に現場で活躍できるスキルを身につけることができるでしょう。
建築現場では、日々新たな課題が生まれます。これらの課題に対応するためには、知識を積極的に学び、経験を積むことが必要です。そして、先輩や教材、オンラインリソースをうまく活用することで、新人現場監督はより一層成長していくことができるでしょう。