基礎工事とは?建物を支える“見えない力”を徹底解説!

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こんにちは!今回は「基礎工事とは何か?」について、建築における基礎の役割から工事の流れまでをわかりやすく解説していきます。基礎工事は建物を支える土台中の土台。その重要性を正しく理解することは、建物を安全に長持ちさせるために欠かせません。この記事を読むことで、基礎工事の役割や構造、どのように工事が進められるのかを知ることができ、建築に対する理解が一層深まります。

では早速、基礎工事の世界を一緒に見ていきましょう!

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

建物の「力の流れ」を知ろう

まず、基礎とは何かを理解するために「建物の力の流れ」について考えましょう。基礎は建物を支えている部分ですが、実は建物自体を直接支えているわけではありません。

たとえば、あなたが家の中で床に立っているとしましょう。その床を支えているのは「小張り」と呼ばれる細い梁(はり)です。そして、小張りを支えているのは「大張り」、大張りを支えているのは「柱」、そして柱が最終的に基礎に力を伝えます。基礎は、こうして流れてきた建物全体の重さを地面にしっかりと伝える役割を果たしています。

基礎の5つの重要な役割

建物の「基礎」と聞くと、単に重さを支えているだけと思われがちですが、実はそれ以上に多くの大切な役割を果たしています。ここでは、基礎の5つの重要な役割について詳しく解説します。このポイントを押さえておけば、基礎がどれだけ建物の安全性や耐久性に貢献しているかがよく理解できるでしょう。

1. 建物の重さと外力を支える

基礎の最も基本的な役割は、建物の重さを支えることです。ですが、それだけではありません。強風や地震など、横からの「外力」も受け止める必要があります。たとえば、強風が吹くと、建物は風の方向に傾こうとしますが、基礎がその揺れを吸収し、建物が浮き上がるのを防ぎます。これにより、建物が常に安定した状態を保てるのです。

2. 不動沈下を防ぐ

「不動沈下」とは、地盤の一部が沈み、建物のバランスが崩れる現象を指します。部分的に地面が沈むと、建物も傾き、最悪の場合、構造が破壊されるリスクがあります。基礎は、建物全体を均等に支えることで、こうした地盤沈下の影響を最小限に抑え、建物をしっかりと守ります。

3. 湿気や水分の侵入を防ぐ

基礎には、建物を地面から持ち上げることで、湿気や雨水の侵入を防ぐ役割もあります。もし基礎がなければ、地面に直接触れる部分から湿気が上がり、建物内部に悪影響を与えます。基礎は、これらの水分をシャットアウトする防波堤のような役割を果たし、建物を長持ちさせる手助けをしています。

4. 建物の耐久性を高める

基礎がしっかりしていることで、建物全体の耐久性が向上します。地面に直接接している部分が持ち上がることで、雨水や湿気による腐敗を防ぎ、建物の構造自体が長持ちするのです。結果として、建物の寿命が延び、安心して長期間住み続けられるというメリットがあります。

5. シロアリの侵入を防止する

温暖な地域では、シロアリによる被害が大きな問題になります。しかし、基礎があることで、シロアリが建物に侵入しにくくなる仕組みになっています。基礎は、シロアリが入ってこれないようなバリアの役割を果たし、建物を守ります。これにより、特に木造建築にとっては大きな安心材料となります。

基礎の構造と種類

基礎の役割を理解したところで、次に「基礎がどのように作られているのか」を詳しく見ていきましょう。現代の建物では、基礎は主に「鉄筋コンクリート」で作られています。鉄筋で強固な骨組みを作り、その上にコンクリートを流し込んで固めることで、耐久性と強度を確保する仕組みです。

基礎には主に3つの種類があり、建物の規模や用途によって使い分けられています。それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。

ベタ基礎

ベタ基礎は、建物全体の床下にわたって、コンクリートを分厚く打ち込む方法です。まさに「ベタっと」広範囲にコンクリートを流し込むため、広い面積で建物をしっかりと支えることができます。住宅ではこの方法が一般的で、特に地盤がそれほど強くない場所でも効果的です。

ベタ基礎は、地震や地盤沈下に対しても非常に強く、建物全体の安定性を高めます。建物の下全体をコンクリートで覆うことで、基礎の浮き上がりやズレを防ぎ、地盤の変動に対しても柔軟に対応できる点が魅力です。まるで家全体が大きな防御壁の上に建っているようなイメージですね。

布基礎

布基礎は、地中にコンクリートの「壁」を作り、その上に建物を支える方式です。具体的には、地面に浅く広がる帯状のコンクリートが基礎を形成し、建物を支えます。この方法は、住宅においてもよく採用されており、ベタ基礎よりもコストを抑えつつ、しっかりとした安定性を確保できるのが特徴です。

布基礎の強みは、基礎の「壁」が地盤にしっかりと食い込み、横揺れや軽度の沈下に対応できる点です。また、地面に対して比較的浅く設置されるため、施工時間が短く、コストパフォーマンスにも優れています。住宅地などでコストと耐久性のバランスが求められる場合に適した基礎です。

独立基礎

独立基礎は、ビルや大規模な建物に使用される基礎で、建物の柱ごとに独立したコンクリートの基礎を作ります。この方式では、各柱の足元に「基礎」を個別に設置し、その柱を支える形で建物全体を安定させます。

独立基礎の特徴は、大きな建物に対応できる耐久力と柔軟性です。柱ごとに強固な基礎があるため、建物の重量が効率よく分散され、特に高層ビルや商業施設など、大きな負荷がかかる建築物に向いています。また、独立基礎は各柱に集中して力を分散するため、地震などの外力にも非常に強いです。この基礎のイメージは、まるで建物の根元にしっかりとアンカーを打ち込み、重さや揺れを受け止めるような感じです。

基礎工事の流れ

では、基礎工事がどのように進められるか、具体的な工程を順を追って見ていきましょう。基礎工事は、建物の安全性を左右する非常に重要な作業です。ここでは基本的な流れを説明します。

1. 掘削(ほりさげ)

最初のステップは「掘削」です。基礎を作るために、まず地面を深さと面積に応じて掘り下げます。これを行うことで、基礎がしっかり地中に埋まり、安定性が確保されます。掘削の深さは、地盤の状態や基礎の種類によって異なりますが、この作業はまさに建物の土台を準備する大事な一歩です。

2. 整地と捨てコンクリートの施工

次に、掘り下げた場所を「整地」して、表面を平らに整えます。これにより、その後の工事がスムーズに進み、基礎が均等に力を受けられるようになります。さらに、その整えた地面に「捨てコンクリート」を薄く打設します。この捨てコンクリートは、名前の通り最終的な構造に直接関わるものではなく、鉄筋や型枠を正確に配置するための基盤を提供する役割があります。

3. 鉄筋の設置

次に進むのは「鉄筋の設置」です。掘削した場所に、頑丈な鉄筋を組み合わせて、建物全体を支える骨組みを作ります。この鉄筋が、コンクリートに加わることで強度を高め、建物が長期間にわたって安全に保たれるようにします。鉄筋はコンクリートの中に埋まるので見えなくなりますが、建物の耐久性の基礎を形成する非常に重要なパートです。

4. 型枠工事とコンクリート打設

鉄筋を設置したら、その周りに「型枠」を設置します。この型枠は、コンクリートを流し込むための枠組みで、コンクリートが固まるまで形を保つ役割を果たします。型枠をしっかり組んだら、次にコンクリートを流し込んで基礎部分を固めます。時間が経ち、コンクリートがしっかりと硬化した後、型枠を取り外すと、基礎が完成するのです。

5. 埋め戻し

最後に行うのが「埋め戻し」です。型枠を外した後、周囲の空いている部分に土を戻して整地します。この作業によって、基礎がしっかりと地中に固定され、建物が外部からの影響に対して強くなります。これで基礎工事は完了となり、次の建物工事へと進める準備が整います。

昔の建物は、基礎として「使石」と呼ばれる大きな石を地面に置き、その上に柱を立てて建物を支えていました。しかし、この方法では地盤の揺れや風に弱く、建物が浮き上がることもありました。現代では「根入れ」と呼ばれる技術を使い、基礎をしっかりと地中に埋め込むことで、風や地震などの外力に対しても強い構造を作れるようになっています。これにより、より安全で耐久性のある建物が実現しています。

まとめ

今回お話しした「基礎工事」について、少しでも理解が深まったでしょうか?基礎は、建物の安全性や耐久性を左右する非常に重要な要素です。建築に興味がある方、建設業界で働いている方は、この基礎の知識をしっかりと押さえておくことが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございます!これからも建築に役立つ情報をどんどん発信していきますので、ぜひチャンネル登録やフォローをして、見逃さないようにしてくださいね。コメントや「いいね」もお待ちしています。それでは、全国の建設業の皆さん、本日もご安全に!

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