【新人施工管理必見】鉄骨(S造)が鉄筋コンクリート(RC造)より早い理由|工期の違いをわかりやすく解説

建築業界に携わる方なら、一度は「鉄骨造(S造)のほうが鉄筋コンクリート造(RC造)よりも早く終わる」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。特に新人や若手の方から「なぜ鉄骨造のほうが早く終わるんですか?」という質問を受けることも少なくありません。

しかし、実は単純に鉄骨造のほうが早いとは言い切れません。結論から言えば、現場での作業スピードは鉄骨造のほうが早いが、全体の工期は大差ないというのが正しい理解です。

では、なぜ「鉄骨造は早い」と言われるのでしょうか?今回はその理由を解説しながら、RC造と鉄骨造の工期の違いについて詳しく見ていきたいと思います。

記事のポイント
鉄骨造が「早い」と言われる理由とその真実、RC造と鉄骨造の工期や施工管理の違いについて詳しく解説し、現場管理で重要な工期・品質・発注管理のポイントを分かりやすく伝えます。

株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)

【保持資格】

  • 一級建築士
  • ー級建築施工管理技士
  • 一級土木施工管理技士

【これまでの活動】

  • 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家
  • YouTubeチャンネル建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
  • Instagramや音声配信など多メディアで情報発信
  • 電子書籍出版オンラインセミナーを精力的に実施。
  • 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。

記事の監修

腕組みをする運営者

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目次

RC造はなぜ時間がかかるのか?

まず、RC造(鉄まずは「RC造(鉄筋コンクリート造)」がどんな工法なのかを簡単に整理してみましょう。

RC造とは?

RC造(鉄筋コンクリート造)は、「Reinforced Concrete」の略称で、鉄筋を組んだ枠の中にコンクリートを流し込んで硬化させる工法です。

鉄筋は「引っ張りに強い」特徴を、コンクリートは「圧縮に強い」特徴を持ち、それぞれの長所を活かして耐震性や耐久性に優れた建物を実現します。RC造は、主にマンションやビルなど中高層の建物で多く採用され、耐火性や遮音性にも優れています。

ただし、現場で鉄筋の組立や型枠、コンクリート打設といった作業が多く、工期が長くなりやすいのが特徴です。

また、建築コストや自重が大きい点もデメリットですが、一方で法定耐用年数が長く資産価値が高いといったメリットがあります。設計の自由度も高く、多様な間取りや大空間の確保が可能です。

総じて、RC造は耐震性・耐火性・遮音性・耐久性を重視する建物に最適な構造方式と言えます。

RC造の工事プロセス

RC造では、以下のような工程を繰り返しながら建物をつくっていきます。

  • 掘削・基礎工事
  • 墨出し(設計通りの位置に線を引く作業)
  • 鉄筋の加工・組立
  • 型枠の設置
  • コンクリートの打設(流し込み)
  • 養生(コンクリートが十分に固まるまで待機)
  • 型枠の取り外し

この一連の工程を、各階ごとに何度も繰り返していくことになります。

現場での作業時間が長くなる理由

RC造は、現場で鉄筋を組み、型枠を立てて、コンクリートを流し込み、固まるのを待って…というように、「すべてを現地で一から作る」ことが基本です。

そのため、どうしても作業に時間がかかり、現場の管理も複雑になります。

例えば、一般的なマンションや中規模ビルでは、1フロアを仕上げるのに約2週間かかるケースが多く、規模が大きくなるほど工程も増え、工期はさらに長くなります。

こうした事情から、RC造は現場での作業が多く、時間がかかる工法と言われるのです。

鉄骨造はなぜ「早く終わる」と言われるのか?

では、鉄骨造(S造)の場合はどうでしょうか?

工場での事前加工が鉄骨造の特徴

鉄骨造は、RC造のように現場で鉄筋を組んだりコンクリートを流し込んだりするのではなく、主要な構造材である鉄骨をあらかじめ工場で加工・溶接・塗装してから現場に運び込む工法です。

そのため、現場では「組み立てるだけ」という状態になっており、現場での作業が非常にスピーディーかつ効率的に進められます。

現場監督の目線で見ると、RC造のように毎日現場で鉄筋を組み、型枠を立て、コンクリートを打設する工程が見えるわけではありません。鉄骨造の場合は、「何もしていない期間が続いたと思ったら、一気に組み上がる」という印象を受けやすく、その分「鉄骨造のほうが早く終わった」と感じることが多いのです。

現場作業は短くても、工場では時間がかかっている

実際に現場での作業期間を比較すれば、鉄骨造のほうが圧倒的に短いのは事実です。

しかし忘れてはならないのは、工期全体で見ればRC造と大差がないことも多いという点です。

鉄骨は、発注から納品までに2〜3ヶ月程度の期間を要することが一般的です。そこからさらに、工場での切断・溶接・塗装といった加工工程が進められます。これらの工程は現場からは見えないため意識されにくいですが、実際にはかなりの時間と手間がかかっています。

RC造と鉄骨造の工期の違いを整理すると…

  • RC造 → 「現場で1から10まで作る」
  • 鉄骨造 → 「工場で1から8まで作り、現場で9と10を仕上げる」

つまり、鉄骨造は「現場での作業時間を短縮している」だけで、そのぶん工場での時間が上乗せされている構造になっているのです。

施工管理の視点から見るRC造と鉄骨造の違い

RC造と鉄骨造、それぞれの建築工法には特徴があり、現場監督としての業務内容も異なります。では、「どちらが大変なのか?」と聞かれると、どちらも大変ではあるが、大変さの種類が違うというのが正確な答えになります。

RC造の施工管理の大変さ鉄骨造の施工管理の大変さを、それぞれ詳しく見ていきましょう。

RC造の大変さ—現場での長期間の管理が必要

RC造(鉄筋コンクリート造)の場合、施工管理の負担は「現場における作業の長期化」にあります。つまり、現場監督としての管理業務が長期間続くことがRC造特有の大変さになります。

① 現場での管理が長期間にわたる

RC造の建築は、鉄筋の組立、型枠の設置、コンクリートの打設といった工程を、フロアごとに繰り返しながら建物を立ち上げていくため、どうしても施工期間が長くなります。

例えば、一般的なマンションやビルの場合、1フロアを仕上げるのに約2週間かかることが多く、それを最上階まで積み上げていくとなると、工事全体で数ヶ月から1年以上かかるケースもあります。その間、現場監督は毎日、職人さんの動きを管理し、工程の遅れが出ないように調整し続ける必要があります。

また、RC造は現場で1から10まで作るイメージなので、現場での調整や手直しが発生しやすく、その都度指示を出していくことが求められます。

② コンクリートの品質管理や養生期間の管理が必要

RC造において、コンクリートの品質管理は非常に重要なポイントになります。特に、以下の点に細心の注意を払わなければなりません。

  • コンクリートの配合や強度管理(規定通りの配合になっているか?)
  • 打設時の温度や湿度管理(温度が低すぎると強度不足、高すぎるとひび割れのリスク)
  • 養生期間の適正管理(十分に固まるまでの時間を確保できているか?)

コンクリートは一度打設するとやり直しがきかないため、「打設前の準備」と「打設後の管理」の両方が非常に重要になります。特に、温度や湿度による影響を受けやすいため、季節や天候に応じた管理が必要になります。

③ 気象条件による影響を受けやすい

RC造では、雨や低温による影響を受けやすいというデメリットがあります。例えば、以下のような問題が発生しやすくなります。

  • 雨の日 → コンクリート打設ができない(強度が低下するため)
  • 冬場 → 低温による凍害リスクがあるため、温度管理が必要
  • 夏場 → 急激な乾燥によるひび割れリスクが高まる

このように、天候や季節に左右される部分が多いため、現場監督は天気予報を確認しながら、コンクリート打設のスケジュールを細かく調整しなければなりません。

鉄骨造の大変さ—着工前の準備がカギ

一方、鉄骨造(S造)の場合は、RC造のように長期間にわたって現場で作業を管理することは少ないですが、その分、着工前の準備が非常に重要になります。つまり、施工管理の大変さは「工事が始まる前」に集約されることが多いのです。

① 着工前の準備が非常に重要(鉄骨の発注・加工のスケジュール管理)

鉄骨造の場合、RC造のように現場で1から作るのではなく、工場であらかじめ鉄骨を加工し、それを現場で組み立てる方式を取ります。そのため、着工前の段階で発注を適切に行い、加工スケジュールをしっかり管理する必要があります。

例えば、鉄骨の発注が遅れると、現場での組み立てスケジュールにも影響が出てしまいます。また、鉄骨の加工には2〜3ヶ月の期間を要するため、発注ミスがあると取り返しがつきません。

② 発注ミスや遅延が工期に大きな影響を与える

鉄骨造の建設では、最初の計画がすべての工期を左右すると言っても過言ではありません。以下のような問題が発生すると、最悪の場合、現場作業が完全にストップしてしまうこともあります。

  • 鉄骨の発注ミス(寸法違い、数量不足など) → 再発注すると数ヶ月の遅れ
  • 工場での加工スケジュールの遅延 → 現場での組み立てが開始できない
  • 現場での組み立て時に不具合発生 → 修正作業に時間がかかる

つまり、鉄骨造は「準備段階のミスが後々の工期に大きく影響する」ため、事前の管理が特に重要になります。

③ 現場での作業は短期間だが、工場での進行をしっかり管理する必要がある

鉄骨造は、現場での作業は比較的短期間で終わることが多いですが、その分、工場での進行状況をしっかり把握しておく必要があります。

例えば、鉄骨の溶接や塗装の工程が遅れると、現場での組み立てにも影響が出ます。工場でのトラブルが工期の遅れにつながるため、施工管理者は「工場の進捗状況」も常に把握しておく必要があるのです。

まとめ

鉄骨造のほうがRC造よりも早く終わると言われる理由は、現場での作業時間が短いためです。しかし、実際の工期全体を見てみると、鉄骨造のほうが圧倒的に早いというわけではありません

RC造は「現場で1から10まで作る」のに対し、鉄骨造は「工場で1から8まで作り、現場で9と10を仕上げる」イメージ。結果的に、見た目上は鉄骨造のほうが早く終わるように感じるが、トータルの工期ではそれほど大きな違いはないのです。

施工管理者としては、それぞれの特性を理解し、適切なスケジュール管理を行うことが重要です。RC造と鉄骨造、それぞれの違いを知ることで、より効率的な工事計画を立てられるようになります。

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