「建設業=きつい・長時間・成長の実感が薄い」
そんなイメージが、いまだに世の中に根強く残っています。
でも、私は本気で思うんです。
そのためには、「働き方」そのものをアップデートしていく必要があります。
これは一部の若手や現場の問題ではなく、業界全体、そして企業の未来そのものに関わる課題です。
特にいま、建設業界は二つの大きな制約に直面しています。
- 「残業規制」という名の労働時間のリミット
- 「副業禁止」という制度的なブレーキ
働き方を改善しようという目的で導入された制度が、逆に「働く可能性」や「成長の機会」まで奪ってしまっていないか?
今回は建設業がこの先10年、20年先も選ばれる業界であるために“今変えるべきこと”を考えていきたいと思います。
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株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【保持資格】
- 一級建築士
- ー級建築施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
【これまでの活動】
- 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上と施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家。
- YouTubeチャンネル『建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
- Instagramや音声配信など多メディアで情報発信。
- 電子書籍出版やオンラインセミナーを精力的に実施。
- 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。
記事の監修

残業規制で“働く時間”は減った。でも“働く可能性”まで減らしていないか?
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が本格的に適用されました。
週あたりの労働時間が原則45時間、月80時間以内。これは、長年にわたって課題だった長時間労働の是正に向けた大きな一歩です。
もちろん、健康面の配慮やワークライフバランスの向上という点では意義ある制度です。
しかし現場では、別の問題が表面化しています。
「残業ができなくなったせいで収入が大幅に減った」
「工程は変わらないのに、時間だけが減って終わらない」
これらは実際に現場監督や若手技術者たちから出ているリアルな声です。
たとえば、建設業では“現場が動いている時間=仕事の時間”です。
天候や資材の遅れなど不確定要素が多いなかで、工程通りに収めるためには、時に夜遅くまでの対応も必要とされてきました。
それが規制によって“時間でリミットを切られる”ようになった今、「仕事は残っているけど、これ以上は働けない」という状況が日常化しています。
さらに追い打ちをかけるのが、副業禁止という会社のルール。
- 残業ができない
- その分の収入が減る
- 副業で補おうとしても禁止されている
という“トリプルブレーキ”状態に、特に若手社員ほど強いストレスと不満を抱えています。
この声を無視してしまうと、せっかく入社した意欲ある人材が、業界を離れていってしまいます。
そして一度辞めた人材は、なかなか戻ってきません。
副業は“お小遣い稼ぎ”ではなく、“次世代スキルを得る実践の場”になる
「副業=アルバイト」というイメージは、もはや完全に時代遅れです。
特に建設業のように、技術革新と業界再編が同時に進んでいる現場では、副業こそが“これからの現場力”を養う、最も実践的なフィールドになり得ます。
たとえば…
- ICT施工やCIMに対応する副業現場に入り、3D施工管理のノウハウを肌で感じる
- BIM設計会社やCADオペレーターとして業務を受け、空間把握力や設計意図の読解力を磨く
- ドローン撮影や画像解析の案件を通じて、測量や進捗管理の高度化に関わる
- ChatGPTやPythonなどの生成AI・自動化ツールを使った業務改善副業で、現場の省力化視点を得る
- SNS運用やYouTube編集スキルを学び、現場の広報や採用ブランディングに活用する
こうした経験は、単なるスキルアップではありません。
“建設業のこれから”に直結する力を、現場外で手に入れることができる手段なのです。
重要なのは、副業が“本業の外側”ではなく、「未来の本業をつくるための内側の行動」になり得るという視点。
だからこそ、企業も社員も、副業を“逃げ”ではなく、“進化の一手”として活用する柔軟さが求められているのです。

離職率を下げたいなら、「働き方の自由」を広げることがカギになる
建設業は、“人で成り立つ産業”です。
どんなに最新のICTやBIMが導入されても、実際に現場を動かし、工程を回し、トラブルに対応するのは、現場監督であり技術者であり、職人たちです。
だからこそ、若手が辞めるというのは、単なる人員の減少ではありません。
- 将来の所長候補がいなくなる
- チーム全体のバランスが崩れる
- 技術の伝承が途中で途切れる
- 教育にかけた時間・コストが無駄になる
つまり1人の離職は、会社の未来に対する“構造的損失”につながっていくのです。
その原因の一つが、「やる気がある人ほど報われない」という現場の構造。
「もっと学びたい」「技術も収入も上げたい」と考える社員に対して、残業も制限、副業も禁止、裁量も少ない。
これでは、“登ろうとする人の背中を押す”どころか、踏み台を奪っているようなものです。
意欲がある人には、意欲に応じた機会を。
学びたい人には、学べる仕組みを。
収入を増やしたい人には、自由なチャレンジの選択肢を。
こうした「働き方の自由」を会社として用意できるかどうかは、単なる人事施策ではなく、企業としての“覚悟と文化”の問題だと私は思います。
企業のための提案:「副業禁止」の再定義を
「副業解禁」と聞くと、すぐに全面的な自由化を連想するかもしれません。
しかし今必要なのは、いきなりの“全面解放”ではなく、将来を見据えた“制度設計の見直し”です。
建設業界はこれから、少子高齢化・担い手不足・技術継承・デジタル対応という、複数の課題に一気に向き合っていくことになります。その未来を乗り越えるには、社員一人ひとりのスキルと意欲を最大限に引き出す環境づくりが欠かせません。
だからこそ、「副業=禁止」ではなく、「副業=企業と社員がともに成長するための投資」と捉える視点が求められているのです。
具体的には、以下のような“再定義”が現実的な一歩です。
- 本業に支障が出ないことを条件に「申請・許可制」とする
- 業務に関連するスキル向上につながる活動は積極的に後押しする
- 情報漏洩や競合ビジネスの徹底管理はルール化して明確に線引きする
これらを整えることで、副業を「外への逃避」ではなく、“本業強化のための実験場”として活用することができるようになります。
副業禁止を見直すことは、単に社員を満足させるためではありません。
5年後・10年後に、技術と人材で選ばれる企業になるための“先行投資”なのです。
若手社員にもできること:「提案型社員」になるという選択肢
今の時代、若手は企業にとって最大の財産です。
未来を担う存在であり、柔軟な発想と吸収力、そして成長意欲を持っています。
だからこそ、あなたたちが「もやもや」を抱えて辞めてしまうことは、企業にとっても社会にとっても大きな機会損失なんです。
でも同時に、社会も企業も“変化の時代”にいます。
働き方も、キャリアの築き方も、かつてのモデルがそのまま通用するとは限りません。
だからこそ――
「変わってほしい」と願うなら、自分から動く時代です。
- 目的:なぜ副業をしたいのか?
- 内容:どんな活動で何を学びたいのか?
- 両立:本業とどう両立できるのか?
- 還元:それをどう現場や会社に還元できるのか?
これらを整理して伝えることが、会社を動かす第一歩です。
そして、あなたが「本気で成長したい」と意思を見せることが、上司や企業の意識を変えていきます。
働き方は、変わるべきです。
でもその“変革の最前線”にいるのは、いつだって若手です。
不満を飲み込むか、行動するか。
“未来をつくる側”になるかどうかは、あなたの一歩にかかっています。
建設業を、もっと“誇れる仕事”に。ワクワク働ける業界をつくろう
道路、橋、ビル、住宅、そしてインフラ。
私たち建設業は、人々の生活と社会の基盤を支える、かけがえのない仕事をしています。
これは本来、もっと誇っていい。もっと胸を張っていい。
でもそのためには、働く人が「この業界、面白い」「もっとやってみたい」と思える環境が必要です。
だからこそ、今、ルールも文化もアップデートしていくべきタイミングに来ています。
- 成長意欲がある人には、自由とチャンスを。
- 現場で頑張る若手には、収入と学びの選択肢を。
- そして企業は、その背中を押す仕組みと覚悟を。
副業禁止と残業規制のミスマッチに向き合わず、「変わりたい人」「伸びたい人」が先に辞めていく構造を放置するのは、業界にとって最大の機会損失です。
今こそ、会社と社員が一緒に考える時です。
まずは社内で、率直な対話を始めることから。
未来の建設業を、今いる私たちの手で変えていきましょう。
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