経験が浅い中で、どうすれば上手に仕事をこなしていけるの?
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。実は、経験が浅くても効率的に仕事を進める方法は存在します。
この記事では、「効率よく仕事を進める方法」に焦点を当てています。経験が浅いからといって仕事ができないと悩む必要はありません。新人を長年教育してきた私の経験から言えば、初めはできないのが当たり前です。それでも、仕事を効率化するための具体的なテクニックがあるのです。
今回、仕事ができる人が実践している、そしてできない人が見落としている「仕事術」を2つご紹介します。「指摘は初めに受けておく」や「80点でスピード2倍にする」といったテクニックを学ぶことで、仕事の進め方が劇的に変わるでしょう。
この記事を最後まで読むことで、実質的に4倍の効率を手に入れることができます。経験が浅い方も、これらのテクニックを身につければ、仕事の進め方に自信を持つことができるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagram・メールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
できる人の仕事術【2選】
まず、できる人の仕事術を2つ紹介していきます。
- 指摘は初めに受けておけ
- 80点でスピード2倍にしろ
今回はできるA君とできないB君の2人に登場してもらい、どのように仕事を進めていくと仕事スピードが上がるのかという部分に焦点を当てていきます。
【仕事術①】指摘は初めに受けておけ
仕事術の1つ目『指摘は初めに受けておけ』について解説します。
上司から施工図を書くように指示が出た場合
- できないB君の場合
仕事開始から図面を書き上げるのに1週間を費やし、上司に図面を提出しました。
そして、上司が見て指摘をします。
これどこの現場?この現場じゃないぞ?
出来上がった図面を見て上司は絶望します。そして、できない君も絶望することになります。なぜなら、1週間全然違う現場の図面を書き続けていたからです。
その後、できないB君は図面を改めて書き直すことになり、実際に図面が書き上がるまでに要した時間は2週間ということになってしまいました。
- できるA君の場合
伏図、断面図、凡例、フレームなどいろんな要素から大まかにレイアウトを決めます。そして、レイアウトが出来上がった段階で上司に見せます。
こちらでも同様に、上司はその図面を見て指摘をします。
これどこの現場?この現場じゃないぞ?
ここの指摘を受ける段階までに要した時間というのはおおよそ30分程度です。できるA君は30分間無駄な作業をしてしまいましたが、すぐに正しい現場の図面に取りかかることになります。
そこから1週間かけて完成させ、図面が書き上がるまでに要した時間は1週間と30分でした。
これが『指摘は最初の段階で受けておけ』による差です。
できないB君はトータル2週間で図面を書き上げたのに対して、できるA君はトータル1週間と30分なので約1週間で書き上げました。実際にできるA君とできないB君にの図面を書き上げる速度が同じであるとした場合、できるA君の方ができないBくんの半分の時間で終わらせた結果となりました。
つまり、できるA君はできないB君の2倍のスピードで仕事をこなしたことになります。
両者の明暗を分けた点は、ある程度概要が見えた段階で一度アドバイスを求めたことにありました。図面を書く能力の差ではないのです。
これができる人の仕事術なのです。
【仕事術②】80点でスピード2倍にしろ
2つ目の仕事術は『80点でスピードを2倍にしろ』です。
以下の3つの指示が出た場合
- 打ち合わせの議題作成
- 災害防止協議会の議事録作成
- 週間工程表の作成
- できないB君の場合
- 打ち合わせの議題作成 → 2日
- 災害防止協議会の議事録作成 → 2日
- 週間工程表の作成 → 2日
上記のように1つの仕事を2日かけて、トータル6日間で全部終わらせるという順番で仕事を進めていきます。
- できるA君の場合
- 打ち合わせの議題作成 → ある程度作ったら次へ
- 災害防止協議会の議事録作成 → ある程度作ったら次へ
- 週間工程表の作成 → ある程度作ったら完了 (ここまでで3日)
1つ目の資料を作っていきますが、ある程度形にして次の仕事に移ります。
2つ目の災害防止協議会の資料は、後で整理したりフォントを整えたりより見やすいものに調整する必要がありますが、打ち合わせができる状態まで作成して次の仕事に進みます。
3つ目の工程表の作成は、月間工程表を元にして現状とかね合わせてざっと手書きで書いたものを用意しました。
ここで3つの仕事が完了しますが、全部が完璧というわけではありません。しかし、全てをできないB君の半分である3日でこなしました。
中身はというと、80点ぐらいの出来になっているので仮にこのまま進んだとしても内容が網羅しているため誰も困ることはありません。ただし、品質を比べるとやや雑であると分かるものを作り上げました。
この両者のスピードの差というのは圧倒的にできるB君の方が早いですが、品質はできない君の方が丁寧なものができています。
例えばイレギュラーが起きた時、両者の仕事ぶりではどうなるのか考えてみてください。
仮に、4日目に風邪を引いたということにしましょう。この時、できないB君は熱がある状態なのですが自宅にパソコンを持ち込み苦しみながらもやり続けなければいけない状況に陥ります。
- できないB君が4日目に風邪を引いた場合の進捗
- 打ち合わせの議題作成 → 2日(完了)
- 災害防止協議会の議事録作成 → 1日(半分)
- 週間工程表の作成 → 0日(未着手)
なぜなら4日目の段階では週間工程表の作成に関しては全く手をつけていない状況になるからです。
- できるA君が4日目に風邪を引いた場合の進捗
できるA君は、まずは荒削りで品質は8割程度ですが3つ全ての仕事が終わっています。資料として内容は網羅しているので打ち合わせが可能で、行程は進められ、資料も配ることもできるという状況になっているのです。
何事もなく6日目を迎えられた時にはできる君もできない君も同じ品質の三つの資料を提出したことになると思うのですが途中で打ち切られてしまった場合の差は歴然です。
仕事というのは基本的に8割が境目と言われています。
8割の出来までもっていく仕事量が約半分。そして残り2割を完璧にまで仕上げる。ここの2割が半分の能力が必要だという風に言われているのです。
つまり8割でいいのなら倍のスピードで仕事することができるということです。8割の仕事に留めておくことが自分の中で意図的にできれば倍の仕事することができるようになるのです。
こういう風にできる君は仕事の押し引きを知っているのです。
ここは完璧にやらなければいけない、ここは雑でいいよねというその押し引きを知っていることによって仕事の効率化を測ることができ時間を有効に使うことができるようになるのです。
できる人とできない人の違いを知ることで4倍の仕事術を獲得しよう
できる人の仕事術を2つお伝えさせていただきました。
仕事を効率的に進めるためには、スピードと効果的なプロセスが重要です。できる人とできない人の違いは、仕事の押し引きや優先順位を正しく判断する能力にあります。
できる人はそこそこの品質で仕事を進め、必要な部分に時間をかけることで倍のスピードで仕事を完成させます。一方で、できない人は常に一生懸命でありながら、視点や重要度の判断がずれてしまい、効率が低下します。仕事を効率化し、スピードを上げるためには、自分の仕事のプロセスを見極め、必要な部分に集中することが重要です。そうすることで、周りの4倍のスピードで成果を上げることができます。
スピードで考えてみると丁寧に積み上げていく人よりもやや荒削りでも効率的に進んでくれた方が仕事のテンポとしては早くなります。テンポが速くなれば色んな仕事に対して先手を打つことができるようになると思います。そういう風に前もって進めることができる人間に仕事を頼みたいと思うと思います。
仕事のスピードは能力とは関係ないところにあるということはおわかりいただけますか。両方とも最終的着地地点としては同じ時間がかかり、同じものを作り上げているのですがその考え方やプロセスが違うだけで倍のスピードの差がつきます。
本記事で紹介した2つの方法を掛け合わせるとつまりは4倍のスピードの差がついてしまうということになるのです。
どういうステップでやることが一番良い方向なのか、手戻りが少ないのか、気が抜けるところと抜けない所があるのかその押し引きをしっかりと見極めたうえで仕事をやってくと周りの4倍のスピードで駆け上がっていくことができるというのは必然的に分かってくると思います。
是非皆さんもいろいろ工夫をして自分なりの方法を見つけてみてください。
すぐに実践できる内容になっているので今からでも取り入れていただき、どんどん出世の階段を駆け上がるような人間になっていただければなと思います。
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