【施工管理】現場監督の必須スキル『図面の紐づけ』について

施工管理に最も必要なスキルは『イメージ力』だと考えています。施工管理は、設計図という線と文字で作り上げられた絵をヒントに、それを現実のものとして具現化させることが基本業務だからです。

今回は、『イメージ力』を必要とする現場監督の必須スキル『図面の紐づけ』についてお話ししていきます。

目次

図面を身近なものと紐づけろ

図面という2次元のものを見た時に、それが単なる「絵」だと認識してしまうようでは施工管理はできません。また、実際の3次元のものをみない限り明確なイメージができないようでは、現場監督は成り立たないわけです。

職人さんを動かし、円滑に工事現場を運営していくためには、少なくともどのようなものが出来ていくのかのビジョンがないと指示は出せません。仮に指示を出せたとして、それが合っているのかどうかを見極める時にもイメージはやっぱり必要なのです。

とはいえ、新人や若手の頃はなかなか簡単にはできませんよね。渡された図面だけで建物の全容を頭に思い浮かべることは、やっぱり経験や知識を積み上げていかなければ難しいものなのです。

ですが、可能な限り素早くイメージできるために、ちょっとしたコツはあります。最終的にはそんな事当たり前にできることですが、意識してこの方法を繰り返す事で、自然と感覚が身につくことができます。ぜひ新人や若手の方に実践してみて欲しいものです。

それは、「寸法と身の回りを紐づける」という方法です。

寸法と身の回りを紐づける方法

例えば設計図面上に「600」という数字が書いてあったとします。その横には「2000」と書いてあったとしましょう。・・・ピンときますか?数字を数字としてとらえてしまうと、それは文字の丸暗記と同じことになるので、イメージに直結してこないことが多いのです。

そんな時、身の回りの「600」の物と紐付けましょうという事なのです。机の高さを測ってみて下さい。おそらく750くらいじゃないでしょうか。椅子の高さは?450くらいでしょうか。だとすると、「600」という数字を見た時にイメージすることは【机と椅子の中間くらい】でOKなのです。

どうでしょうか。少し600が身近に感じられたのではないでしょうか。

では同じく2000を見てみましょう。自分の身長が170cmだったとすると、1700ですよね。つまり、自分の身長よりも30cmくらい大きい寸法が2000という頃になり、手を目いっぱい伸ばすよりちょっと短いくらいという事になります。

このように、自分の身近にある物の寸法をあらかじめ測って置いたり、その場で当たったりしながら「周りの物で言うとどのくらいの寸法なのか」と紐付けてみるのが、手っ取り早くイメージ力を鍛える方法です。

これを繰り返していくうちに、単純に数字にしか見えていなかった寸法が、実際のスケール間でしっかりとイメージができるようになっているはずです。図面を図面のままでとらえようとしても、そもそも経験が少ない人にはそれは難しいと理解しましょう。

施工管理をする時の武器は何かというと、設計図です。この武器しか渡されていない訳です。何もない更地の状態の時から、その図面が建っているイメージを頭の中に作り出さなければいけません。そこから計画は始まります。

頭の中に答えがあり、それを造るための方法を模索し、運営する。つまり答えがすでに頭の中にある状態でなければ、現地で起きていることの間違いに気づくことができないのです。これを、品質管理と言います。

正解がわからない人に、これはできません。だからこそ、イメージと現実を少しでも近いものにしていき、その後差を少なくしていく事が重要。その頭の中の正解に向かって、現場自体を動かしていく、これが現場監督の業務であり必須能力だという事なのです。

図面を身近なものと紐づける。逆に言うと、身近なものを図面としてとらえることもできる能力。

これを鍛え、より早く施工管理を楽しめるようになってください。

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