皆さんは、SNSの重要性をどこまで理解できているでしょうか。僕たちの生活を一変させたSNSというサービスは、実は社員教育において重要な意味を持ちます。
今回は、新人研修でSNSを教えるべき理由をお話ししていきます。
SNSの重要性と危険性
ところで、質問です。
1日の中で、1回もSNSに触れない日はありますか?インターネットの高速化が進み、IT技術が加速的に進みました。僕たちの日常生活において、大きく変わったものの一つに、SNSというサービスの日常化があります。
LINEやYouTube、TwitterやInstagramなどのSNSは、知らない人はいないのではないでしょうか。もちろんその他にもたくさんのSNSは存在し、文字や映像だけでなく、音声を使ったサービスまで普及してきています。
SNSとは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略で、を平たく言うと「インターネットを使って、他者と瞬時に情報の共有ができるサービス」という理解でいいと思います。その手軽さと情報スピードによって、多くの人々の生活を変えてしまいました。
特にスマホを小さい時から目にしてきた若い世代は、切っても切り離せないものとなっています。その使い方は、日常の何気ない出来事の共有に始まり、流行りのキャッチ、著名な人との交流、グループでの会話、学びなど様々です。
ただしその手軽さと匿名性から、悪用されるケースも少なくありません。情報の流出によるプライバシーの侵害や、誹謗中傷、いじめや犯罪などにも用いられることだってあるのも事実なのです。
この良くないケースの事実をニュースなどで見ているベテラン層は、「SNSは良くないもの」という認識が強い傾向にあります。だから自分ではほとんど使わないという人が多いのも事実としてあるのです。もちろん、そもそもITに興味がないのもあるでしょうが。
ただ、よく考えてみてください。
現代は情報化社会と言われます。日々目の前を飛び交う情報量は途方もなく膨大で、一説には現代の1日に触れる情報量は「平安時代の一生分の情報量」と同じだともいわれるほどです。
そんな社会において、そもそも情報から遠ざかって生きていくことは非常に難しいこと。だからこそ、ベテランは「新聞を読め」「ニュースにはいつもアンテナを張れ」「情報は命だぞ」と、若者に対して言います。つまり、情報の重要性は理解しているのです。
にもかかわらずSNSには否定的であり、自社のことや自分自身のことをインターネットに載せて共有することは「危険なことだ」とストップをかけようとする。そんな人が身近にいるのではないでしょうか。
SNSで情報収集する時代
この話をざっくりいうと、「相手の情報は収集せよ。でも自分の情報は出すな。」そういうことだと思います。僕の肌感覚でしかありませんが、この傾向は特に建設業においてとても強いと感じます。
僕自身、YouTubeを使って情報発信を日々しておりますが、SNSを使った建設業関連の情報はかなり少ないように感じます。結果として若者は、この閉鎖された建設業の情報に触れることが少なく、昔のままの良くないイメージが残り続けることになっていると考えます。
そもそも情報は、誰かが発信するからこそキャッチできるものです。当たり前ですよね。にもかかわらず、自ら発信することなく収集するだけに徹すると、一方的なものになってしまいます。情報の交換は生まれず、検索してもヒットしない状況が作られるのです。
見えないものは怖いもの。だから近寄らない。だから入らない。だから人手が不足する。だから忙しい。だからブラック化する。そういう悪循環になっているのだと理解していただきたいのです。
若い世代はベテラン層とは違い、情報の荒波の中で産まれ、生きてきました。結果リテラシーは驚くほど高く、検索能力や発信能力に長けています。バレたくない部分には「カギ」をかけて、別の人格をSNS上で作ることだって簡単にやってのけます。
そんな彼らに対し、「SNS発信は良くないことだから、やるな」という教育を行った場合、違和感を生じます。その違和感は、隠れてこそこそ行うという行動に出ることにつながりかねず、良い影響はありません。無駄な反発を招いてしまいます。
でも、自社のプライバシーを守ることは重要であり、見せてはいけない部分をさらしてしまうことは会社の存続にかかわる危険性もあるのも事実。そこはしっかりと防止しなければいけないのです。
ルールを決め、SNSを活用しよう!
ではどうすればいいのか。
それは、ルールを決めること。それだけなのです。
SNSは、なんとなく流行っている程度のものから変化し、生活の一部になっています。だから、見て見ぬふりはできないと理解しましょう。確かに危険性は高いものですが、うまく活用すればPR力も高いのです。
だからこそ、「危ない側面があるから使わせない」という発想でなく、「PRのためにうまく活用してもらう」が自然な方法なのだと考えます。
そのためには、しっかりとした基礎知識が必要です。何がダメで、何がいいのか。その線引きをしっかりと教育しておく必要があります。その時に気を付けたいのは、ほとんどのものを、ダメだダメだと禁止してしまう方法です。
そうではなく、良い活用方法を示し、どうすれば発信者も会社もWIN-WINになれるのかを模索していかなければいけないのです。「自社商品をうまくPRしてフォロワーを1万人以上にできた人には報奨金を出す。」そういう会社も実際にあるのです。
刃物だって、うまく使えばおいしい料理を作れますが、使いようによっては凶器にもなりえます。危険だからと可能性を奪うことをしては、会社は今のままです。そうではなく、使い方と危険性をしっかりと理解するべく教育を行い、うまく活用していくのです。
採用活動がうまくいっている会社のほとんどがSNSを活用している現代。
それを否定的にとらえて殻に閉じこもるのではなく、時代を身にまとう考えこそが重要。若手の教育には、SNSの活用方法も入れて計画を練るべきだと考えます。