建設業界において、『効率化の取り組みは進んでいない』という課題が浮き彫りになっています。現場の効率化には特効薬のようなものはありません。小さな試行から始めて効率を向上させていくことが重要です。
この記事では、働き方改革と業務の効率化に焦点を当て、5分の削減に取り組む重要性について探求していきます。
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagramなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
建設業界の課題と意識の変化
先日の新聞記事でも取り上げられていましたが、建設業界において効率化の取り組みが進んでいないという課題が浮き彫りになっています。抜本的な魔法のような施策は存在しないという認識が広まり、少しずつ取り組み始める流れが見られるようになりました。
実際に、過去から現在にかけて、建設業界では様々な施策が試されてきました。しかし、大きな特効薬的なアプローチは効果が限定的であり、むしろ取り組みを導入することで新たな課題が生じるケースも少なくありません。こうした経験を踏まえ、効率化の方向性を見直し、具体的な実践的なアプローチが求められています。
5分の削減の重要性と波及効果
特に、効率化において小さなアクションを積み重ねることが重要です。例えば、安全書類やクラウドへのアップロード、工事写真の整理、電子黒板の導入など、一つひとつの小さな施策が大きな意義を持ち、現場の作業効率を向上させる効果を発揮します。
私が運営する現場ラボアカデミーという建設系コミュニティでは、5分以上の削減を目指す施策を共有しています。実際の取り組みを通じて、効果的な方法が模索されています。こうした取り組みは、参加者たちの関心を引きつけ、新たなアイデアや解決策が共有される場となっています。
ただし、効率化の道は容易ではありません。大きな特効薬は存在しないため、取り組みを進める上での意識の変革が欠かせません。建設業界における効率化は、一つひとつの小さなステップから始まり、その積み重ねによって徐々に変化がもたらされていくものです。皆さんの意識が変わることで、効率化への一歩を踏み出し、建設業界の未来に貢献することができるでしょう。
さらに、波及効果の重要性も考える必要があります。現場の話ですので、現地の人たちが協力をしない限り、どんな大きな施策も効果を発揮することは難しいです。反対に、小さな取り組みから始まったものが、次第にみんなが協力して成功することもあり得ます。5分で削減できる作戦があるかもしれませんが、建設業界では特効薬は存在しないという認識が重要です。
大切なのは小さな施策の積み重ね
大切なのは、特効薬ではなく、まずは1日5分ずつの小さな施策を実行することです。これらの小さな試行を積み重ねていくことで、効果的な方法が見つかり、効率が向上する可能性が高まります。ただし、5分の削減を10個行えば50分の削減になるというのは誤解です。実際には、小さな施策を一つずつ進めることで、新たなアイデアや効果が現れてくるのです。
具体的な施策として、ZOOMを使った会議やクラウド導入などを挙げています。これらの施策は一見限定的な効果かもしれませんが、その波及効果によって効率が向上し、新たなアイデアが生まれる可能性があります。
建設業界では、大きな特効薬を待つよりも、まずは1日5分の小さな施策から始めてみることが大切です。この積み重ねと波及効果によって、効率化が徐々に実現されていくと考えられます。効率化は容易なことではありませんが、5分の取り組みから始めてみることで、未来の変化を実感できるかもしれません。
総括
建設業界において、効率化は不可欠な課題です。高齢化や生産性の向上を考える中、小さな5分の削減が効率化の鍵となります。大きな改革ではなく、日々の取り組みを通じて変化を積み重ね、未来への貢献を実現しましょう。効率化は小さなステップから始まり、次第に大きな変化をもたらすものです。私たちの努力が業界全体の向上に繋がる可能性を忘れずに、積極的な行動を続けていきましょう。
※現場ラボ運営の僕が建設業界の働き方改革に繋がる11の施策を実施した、その具体策についての内容になります。興味がある方はぜひご覧ください↓↓↓