新人・若手施工管理が持つべき「コスト意識」

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今回は新人・若手の皆さんに、職場で大切にしてほしい「コスト意識について、もっと深く話をしていきたいと思います。私たちが毎日働いて給料をもらうことは、みんなの共通の目標ですよね。でも、その給料を支える会社の利益って、実はいろいろなコストの管理が上手にできているからこそ生まれるものなんです。

特に、工事現場などで働く若手の皆さんには、ただ作業をするだけでなく、その作業がどれだけのお金を使って、どれだけの価値を生み出しているのかを理解することが大切です。それには、お金の流れやコストのかかり方をしっかり学ぶ必要があります。

本記事では、そんなコスト意識を持つことがなぜ仕事をする上で大切なのか、そして、具体的にどんな点に注意して、日々の業務に取り組めばいいのかについて、詳しくお話ししていきます。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

コスト意識の基礎

若手新人が覚えるべきコスト管理の基礎について、具体的な話をしましょう。「1人工」という考え方があります。これは、1人の職人が1日にどれくらいの費用を使うか、ということを示しています。たとえば、1人の職人が1日8時間働くと2万円のコストがかかる、という風に考えます。このシンプルな理解が、コストをどう管理するかの出発点になります。

次に、現場でどう活かすかを考えましょう。例えば、大きなクレーン車を1日レンタルすると10万円かかる場合、それが適切な支出かどうかを判断するには、「1人工」の考え方を使います。クレーン車の作業が職人5人分以上の効果があるなら、レンタルは正当化できます。しかし、それ以下の場合は、高い出費と言えるでしょう。

また、資材の管理にもこの考え方は重要です。現場で使う掃除機を例にとると、月1万円でレンタルするとします。この掃除機が1ヶ月で「1人工」の半分、つまり1人分の半日の働きをしてくれる価値があれば、レンタル費用は安いと言えます。

しかし、資材や道具を準備する際には、職人がスムーズに働けるように十分な量を用意することが大切です。足りないと職人が待つことになり、コストパフォーマンスが悪くなります。だからといって無闇に多く注文しても、余分なコストがかかってしまいます。バランスが大切です。

このように、「1人工」という基本からスタートして、実際の現場作業にどう応用するかを考えることが、コスト意識を高める第一歩です。

コスト管理意識と使い切る感覚

コスト管理と資材の上手な使い方について、もう少し詳しくお話ししましょう。

現場で働くときには、さまざまな資材や道具が必要になります。例えば、壁を作るための石膏ボードが足りなかったり、コンクリートを流す作業に必要なコンクリートが届かなかったりすることがあります。これらの材料が不足すると、せっかく働こうとしている職人さんが作業を進められず、結局時間を無駄にしてしまうことになります。

そんなとき、ちょっと多めに材料を注文しておくことが、実はコストを節約することにつながります。たとえば、必要な数よりも1個や2個多めに資材を準備しておけば、予期せぬ不足に対応でき、職人さんがスムーズに働けるようになります。これは、資材を「使い切る」という考え方で、必要以上に注文することによる余分な出費を避けつつ、職人さんが待たされることなく作業できる状態を作るという意味です。

給料は全て人工であるという意識


給料って実は、働いている人たちの手間ひまが全部入ったものだと考えることが、コストを理解するうえですごく大切です。例えば、鉄を掘り出す作業にも、当然、そこで働く人たちの給料がかかっています。もし、その作業で地球に「ありがとう」とお金を払えるなら、それもコストになるかもしれませんが、実際には地球に直接お金を払うことはありません。だから、私たちが普段使っているお金って、ほとんどが人の労働によって生まれる給料なんです。

ガリガリ君1本が60円で売られているとしたら、その60円にはいろんな人の労働が含まれているわけです。製造から配送、販売に至るまで、多くの人が関わっています。このように考えると、お金を管理する意識やコストをどう考えるかが、自然と身についてきます。

特に、現場や工事で働く若手新人にとって、1日にどれだけのコストがかかるかを知ることは重要です。今では、1人の職人が1日働くと平均で2万円以上かかることもあります。この「1人工」のコストを基準にして、仕事を進めるかどうかを考えることが、効率的な施工管理への第一歩になります。

まとめ

若手・新人施工管理がコストを意識することには、ただ数字を数える以上の大切な意味があります。それは、仕事をより効率的に進め、より大きな価値を生み出し、組織の目標を達成するための土台となります。最初は難しいと感じるかもしれませんが、毎日の仕事を通じてこの考えを身につけ、実際に活かしていくことが、自分自身の成長に繋がります。

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