建設現場で気をつけたい「危険な行動」5選

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建設業界では、「安全第一」を掲げて日々安全対策が行われています。施工管理の方々をはじめ、現場で働くすべての人が、安全に作業が進められるよう努力をしているのは間違いありません。しかし、いくらルールが徹底されていても、意外と見過ごされがちな「実は危ない行動」が存在するのも事実です。

今回は、そんな「見落としがちな危ない行動」について5つ挙げ、皆さんに再確認していただきたいと思います。特に若手の方はもちろん、ベテランの方にも参考にしていただける内容ですので、ぜひ最後まで読んで安全意識を高めてください。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

1. 何気なくやってしまう「ちょっと飛び降りる」行動

最初に注意すべき行動は、何気なくやってしまいがちな「ちょっと飛び降りる」という行動です。たとえば、腰くらいの高さの場所からぴょんと飛び降りること、脚立の2段目から飛び降りること、鉄筋を乗り越えて飛び降りることなど、現場ではよく見かける光景ではないでしょうか。「これくらいの高さなら大丈夫」と軽く考えてしまうことも多いですよね。しかし、その油断が事故の原因になることを忘れてはいけません。

建設現場は、普段の生活とはまったく異なる環境です。周囲には尖った物や工具が散乱していることが多く、特に安全装備を着けた状態では、予期せぬリスクが増えます。作業中、腰道具や安全ベルトが何かに引っかかることもよくあります。たとえ高さが50cmや60cm程度だとしても、何かに引っかかれば体勢を崩し、最悪の場合、頭から落ちてしまう可能性も十分にあるのです。

そのため、飛び降りる前には必ず周囲を確認し、腰をしっかり落としてから慎重に足だけを下ろすようにしましょう。「ちょっと飛び降りる」という何気ない行動が、重大なケガや事故につながるリスクがあることを忘れずに、常に慎重な行動を心がけることが大切です。

2. 危険から「隠れる」行動のリスク

次に注意すべきは、「危ないから隠れる」という行動です。例えば、重機が動いているときに、つい物陰に隠れて安全を確保しようとすることがあります。特にバックホーなどの大型重機が旋回している際に、「危ないかもしれない」と感じて隠れるのは、間違いではないように思うかもしれませんが、実際には非常に危険です。

なぜなら、重機のオペレーターは全方向を常に確認できるわけではありません。視界に入らない場所にいる人は、オペレーターにとって「いないもの」として扱われることがあります。物陰に隠れたまま、オペレーターが重機を動かすと、自分の存在に気づいてもらえず、大事故につながる可能性が高まります。特に重機が急に動いたり旋回する場合、隠れていた人が巻き込まれるリスクがあります。

したがって、危険を感じたときは、物陰に隠れるのではなく、まずオペレーターに自分の存在を知らせましょう。目を合わせて自分の位置をしっかり認識してもらったうえで、安全な場所に移動することが重要です。

3. 親綱を使った墜落防止の過信に注意

3つ目に紹介するのは、親綱を使った墜落防止に過信してしまう行動です。親綱とは、墜落防止のために設置される太いロープで、鉄骨の組み立て作業などでよく使用されます。親綱に安全帯を掛けて作業を行うのは標準的な対策ですが、問題は「適当に設置された親綱」を過信してしまうことにあります。

工事が進む中で、一時的に設置された親綱や、しっかり固定されていない親綱を頼りにするのは非常に危険です。墜落防止用に設置されたものが不完全であれば、いざというときにまったく機能せず、かえって大事故を引き起こしかねません。

しっかりとした設備が整っている場合は別ですが、適当に設置された親綱に頼ることは避け、必要に応じて正式な設備やしっかりとした墜落防止策を講じることが非常に重要です。親綱の使用に関しては常に慎重な対応が求められます。

4. 後ろ向きで歩くことのリスク

4つ目の危険行動は、後ろ向きで歩くことです。現場で作業員同士が会話をしているとき、つい「お疲れ様でした」と言いながら後ろに2歩ほど下がることはよくあります。何気ないこの行動が、予期せぬ事故の原因になることをご存知でしょうか?

現場では、状況が刻一刻と変化します。数分前には安全だった場所に、突起物や資材が置かれていることもよくあります。後ろ向きで歩いていると、足元の確認ができないため、いつの間にか障害物にぶつかったり、穴に落ちたりしてケガをするリスクが高まります。また、工具や資材を持っている他の作業員とぶつかってしまうと、重大な事故につながる可能性もあります。

安全に動くためには、後ろ向きに歩くことを避け、常に目の前の状況を確認しながら行動することが不可欠です。現場では視界がすべて。周囲をしっかり確認し、事故を防ぐためにも、後ろ向きで動くことは避けましょう。

5. 軍手でベビーサンダーを使う危険

最後に紹介するのは、軍手をはめたままベビーサンダーを使用することの危険です。ベビーサンダーは金属や鉄などの素材を切断するために使用される工具で、回転する刃が非常に高い速度で動いています。しかし、軍手をつけたままこの工具を使うことは非常に危険です。

軍手の繊維や毛が回転する刃に巻き込まれる可能性があり、最悪の場合、手や指が工具に巻き込まれてしまうことがあります。軍手が刃に絡みつくと、あっという間に手全体が巻き込まれるため、非常に深刻なケガを引き起こすリスクがあるのです。

ベビーサンダーを使う際には、必ず毛がない革手袋を使用することが推奨されます。革手袋は巻き込みにくい素材でできているため、軍手に比べてはるかに安全です。非常に便利な工具だからこそ、使用する際には特に慎重な姿勢で安全に配慮することが求められます。

安全意識を高め、現場での事故を防ごう

以上、今回ご紹介した「実は危ない行動5選」は、どれも現場でよく見られるものですが、実際にケガや事故につながる危険性を持っています。特に新人や若手の方々には、こうした行動を避けるよう注意していただきたいと思います。また、ベテランの方々もご自身の行動を見直し、若手に適切な指導を行うことで、現場全体の安全意識を高めていきましょう。

建設現場での作業は、常にリスクと隣り合わせです。しかし、少しの意識と工夫で事故を防ぐことができます。今回の内容を参考に、ぜひ安全な作業を心がけてください。そして、現場での安全意識向上に向けて、皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

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