施工管理の必須スキル第4弾です。
今回は施工管理者に欠かせない「先読みスキル」について掘り下げていきます。
先読みスキルは、施工現場を円滑に進めるための必須能力であり、仕事の質を格段に向上させるものです。特に新人や若手の施工管理者にとって、このスキルを身につけることで現場での信頼を得ることができ、効率的な仕事の進め方が可能になります。
実際の現場でどう先読みを鍛えていくか、その具体的な方法を詳しく解説しますので、ぜひ最後まで読んでください!
この記事を書いた人
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagram・メールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
施工管理の役割は「段取り屋」
施工管理の仕事は、よく「段取り屋さん」と呼ばれます。「段取り八分、仕事二分」という言葉があるように、仕事の大部分は段取り、つまり事前の準備で決まります。段取りがしっかりしていれば、残りの仕事はスムーズに進むからです。
職人さんが安心して作業できるように、私たち施工管理が事前にどれだけ準備を整えているかが、現場の効率や進行を大きく左右します。そのために必要なのが先読みスキル。このスキルを使って、現場の状況を予測し、段取りを先回りして行うことで、問題なく作業が進められる環境を作り出すことができるのです。
施工管理と職人さんは違う時間軸で動いている
まず、職人さんと施工管理は、仕事の進め方が違います。職人さんが作業を始めるタイミングで、施工管理の段取りはすでに完了しているべきなのです。段取りとは、簡単に言えば「準備」。現場で作業を進めるために必要な道具、材料、そして工程がスムーズに流れるように準備しておくことを指します。
例えば、職人さんが窓の施工を開始しようとしたとき、必要な資材や施工図がまだ揃っていなければ「ちょっと待ってください」となってしまいます。これでは作業が止まり、無駄な時間が生じますよね?このような事態を避けるために、施工管理は職人さんが仕事を始める前に全ての段取りを終えておく必要があるのです。
先読みスキルをどう鍛える?
では、この先読みスキルをどのようにして身につけていくのでしょうか?新人の施工管理者は、1週間先を見通すスキルを最初の目標とするべきです。2年目になれば2週間、3年目には3週間先を予測できるよう、スキルをステップアップしていくことが求められます。
次の工程を常に考える
では、どうやってそのスキルを鍛えるかというと、具体的な訓練方法の一つは現場で次の工程を常に考えることです。例えば、現場に立っているときに、目に入った柱や壁を見て「この次に何が必要なのか」を頭の中でイメージするんです。
柱が立った後は次に何をするのか?次はクロスを貼るのか、それともボードをつけるのか?その作業にはどんな材料や道具が必要なのか?こういったことを常に頭の中でシミュレーションする練習をしていくと、自然と「次に何を準備しなければならないか」が見えるようになってきます。
この練習を続けることで、段取りを先に進められるようになり、無駄な時間を減らすことができるようになります。実際に現場では、次の工程が何かを考えるだけで、スムーズに作業が進む準備が整うのです。
頭の中でシミュレーションする
もう一つの効果的な方法は、頭の中で工程をシミュレーションすることです。現場にいる時、今行われている作業を見ながら「次は何が必要か、その後にどんな作業が続くのか」を頭の中で具体的にイメージしてみてください。
例えば、下地の施工が終わったら次に石膏ボードを貼る、その後はクロス貼りや塗装が入る、といった具合に、工程を一つ一つ先回りして考えます。これを繰り返すことで、次の工程だけでなく、現場全体のスケジュールや作業の流れが自然に見えるようになってきます。
この習慣を持つことで、頭の中にスケジュール全体の地図が描かれ、その場で必要な段取りがパッと浮かんでくるようになります。結果として、現場での作業がスムーズに進み、時間やコストの無駄を減らすことができるようになるんです。
実践で鍛える!先読みスキルの重要性
このように、施工管理の先読みスキルは、日々の現場での小さな訓練を積み重ねることで磨かれていきます。現場にいる際には、腕を組んでじっと一点を見つめながら「次に何が必要か?」を考えてみるといいでしょう。このシンプルな動作が、段取りの質を向上させ、現場全体の仕事をスムーズに進める大きな鍵となります。
現場のリーダーとして、自信を持って段取りを組む姿勢が、周囲からの信頼にもつながります。「見えない部分をいかに先に準備しておくか」—これが施工管理者としての成長を大きく後押しするスキルなのです。
まとめ
先読みスキルを身につけることで、施工管理の仕事がぐっと楽になるのは間違いありません。段取りを早めに終えることで、職人さんが安心して仕事に集中でき、結果的に全体の作業が効率よく進みます。このスキルは、施工管理のプロフェッショナルになるための大切な一歩です。
新人の皆さんは、まずは1週間先を見据えることから始めてみましょう。日々の訓練を通じて、次の工程を予測し、段取りを完了させる力を養っていくことが、将来の大きな武器となりますよ!
施工管理の必須スキル第5弾
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