こんにちは、皆さん!ライズプランの武田です。
今日は少し「綺麗事」に思えるかもしれませんが、大切なお話をしたいと思います。建設業界で働く皆さんにとって、職場の雰囲気は仕事の成果に直結しますよね。だからこそ、ギスギスしない事務所を作るために、実践できる方法をお伝えしたいと思います。
数ヶ月から数十ヶ月、一緒に仕事をする現場。そこがピリピリした空気では辛いだけでなく、生産性にも影響します。そんな状況を避け、より良い職場環境を築くためのポイントを6つに分けて解説します。
この記事を書いた人
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagram・メールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
役割を明確にし、責任を持つ
まず最初に大切なのは、「誰が何をするのかを明確に決めること」です。この部分が曖昧だと、責任の所在が不明確になり、ミスが起きた際に「誰のせいだ」と責任の押し付け合いが発生してしまいます。結果として、チーム全体の雰囲気が悪化する原因になりますよね。
例えば、現場ではこんなケースがあります。
- 誰が資材発注を担当するのかが決まっていない場合、発注漏れが起き、「なぜ確認しなかった?」とトラブルになる。
- もしくは、工期の調整役が不在だと、全体のスケジュール管理が崩れ、納期に遅れが出てしまう。
こうした事態を防ぐためには、最初の段階で「〇〇はあなたが担当」「△△は自分がやる」と役割を明確に決めておくことが必要です。そして、割り振られた役割に対して、全力で取り組む姿勢が大切です。
ただし、失敗は誰にでもあります。「すみません、次はこうします」ときちんと謝罪し、改善策を示すことで、チームに信頼を取り戻すことができます。この「前向きな対応」が、現場全体の雰囲気を良くする大きなポイントです。
具体的に意識するべき行動を挙げてみます。
- 役割を文書化する:ミーティングや朝礼で役割分担を共有し、リーダーが確認する。
- 定期的に進捗を報告:進捗を報告し、困った時は早めに相談する。
- 失敗時の対応を事前に決めておく:「どうしたらミスが改善できるか」を一緒に考える姿勢を持つ。
こうした具体的な行動を繰り返すことで、職場全体が「役割を明確にし、責任を持つ」体制に近づきます。そして結果的に、ギスギスしない、働きやすい職場環境を作ることができるのです。
フィードバックを受け入れる心を持つ
「ここを直したほうがいい」「このやり方を変えたほうがいい」といったフィードバックは、時に耳に痛いものですよね。でも、それは単なる批判ではなく、あなたがもっと成長するためのチャンスなんです。
特に建設現場では、上司からのフィードバックが重要ですが、それだけではありません。部下や若手からの意見も価値があります。「若い人のほうが、意外と効率の良い方法を知っている」「現場の視点で気づくことがある」なんてこと、実はよくあるんです。
ここで重要なのは、上下関係を超えてお互いに学び合う姿勢を持つことです。上司だから常に正しいわけではなく、部下も経験の少なさを補う意見を持っている可能性があります。そんな意見を取り入れることで、現場の信頼関係が強まり、全体のスキルアップにつながります。
フィードバックを受け入れる具体的なステップ
- まずは感謝を伝える
フィードバックを受けた際には、「ありがとうございます」と一言添える。これだけで相手は意見を言いやすくなります。 - 冷静に内容を受け止める
「なんでそんなこと言われなきゃいけないんだ」と感情的になるのではなく、「なるほど、そういう視点もあるのか」と一歩引いて考える。 - 具体的な改善行動を示す
例えば、「次回はここを改善します」「この部分を変更してみます」と、具体的な行動でフィードバックを反映する。
フィードバックの良い効果
たとえば、所長が若手に「資料作成が遅いから、次回はもっと早く提出してほしい」と伝えたとします。これを若手が「嫌だな」と捉えるのではなく、「作業手順を見直すきっかけだ」と前向きに受け止めれば、次回には仕事のスピードが改善します。また、逆に若手が「現場の写真撮影の手順を整理したほうがいい」と提案する場合、所長がその意見を採用することで、現場全体の効率が良くなるかもしれません。
フィードバックを受け入れる姿勢を持つことは、チーム全体の成長につながります。そして、「学び合える職場」を作ることで、ギスギスせず、前向きな環境を築くことができるのです。
挨拶を大切にする
職場の雰囲気を良くするために、挨拶を意識することは驚くほど効果的です。「おはようございます」「ありがとうございます」「ごめんなさい」といった基本的な言葉が、チームの信頼関係を築く重要な要素になります。
挨拶は単なる形式ではありません。それは「あなたを尊重しています」「感謝しています」「自分の非を認めます」という心の表現です。たった一言ですが、これがあるだけで職場の空気は大きく変わります。
挨拶の持つ力
たとえば、朝一番に所長が明るく「おはようございます!」と挨拶をすると、それを聞いた部下や作業員も自然と「おはようございます!」と返します。このやり取りが、現場の活気を生むきっかけになります。また、作業中に誰かが手伝ってくれた時、「ありがとうございます」と声をかけることで、相手に「この人と一緒に働きたい」という好印象を与えます。
逆に、失敗をした時に「ごめんなさい」と素直に謝ると、それを受けた相手は「次は一緒に頑張ろう」と思えるものです。謝罪の一言が、不要な対立やわだかまりを防ぐカギになるのです。
挨拶を意識するための行動
次に挨拶を意識するためのポイントを紹介します。
- タイミングを逃さない
朝は「おはようございます」、仕事が終わったら「お疲れ様でした」。時間や状況に応じた挨拶を欠かさないようにする。 - 感謝の言葉を忘れない
たとえ業務の一環であっても、誰かが助けてくれた時には「ありがとうございます」と感謝を伝える。 - 失敗を素直に認める
ミスをした時には「ごめんなさい」と自分の非を認める。言い訳や弁解をせずに謝ることで、信頼が深まる。
挨拶が職場に与える影響
挨拶を大切にすると、職場全体に「認め合う空気」が広がります。たとえば、ありがとうやごめんなさいが日常的に交わされる事務所では、自然とコミュニケーションが活発になり、ギスギスした雰囲気が消えていきます。そして、そうした職場では、メンバーそれぞれが安心して自分の意見やアイデアを出せるようになります。
挨拶の力を侮らず、まずは今日から「おはようございます」「ありがとうございます」「ごめんなさい」を意識して使ってみてくださいね。それだけで、チームの雰囲気が変わるはずです!
相手の特性を理解する
職場で良いチームワークを築くために大切なのは、相手の特性を理解することです。人はそれぞれ価値観や得意分野が異なります。それを無視して、自分の基準で判断してしまうと、相手との間に溝ができてしまいます。
具体例:相手の特性の違い
たとえば、こんな状況を想像してみてください。
- 早く帰りたい人:「仕事を効率よく終わらせて、プライベートの時間を大切にしたい」
- 残業を厭わない人:「多少時間がかかっても、しっかりと仕上げたい」
どちらが正しいというわけではありません。ただ、価値観が違うだけです。この違いを理解せずに「なんであの人はすぐ帰ろうとするんだ」とか「もっとスピード感を持てないのか」と決めつけてしまうと、不満が生まれ、チームがギクシャクしてしまいます。
相手の特性を理解するためのポイント
相手の特性を理解するためのポイントを紹介します。
- 相手の価値観に目を向ける
相手が何を大切にしているのかを観察しましょう。プライベートを重視するのか、仕事にやりがいを求めるのか、それぞれの考えを理解する姿勢が大切です。 - 得意分野を把握する
たとえば、「資料作成が得意な人」や「現場作業が得意な人」など、それぞれの得意分野に合わせて役割を調整することで、全体の効率が向上します。 - 苦手な部分をフォローする
「この人はこの作業が苦手そうだな」と思ったら、サポートを提案しましょう。その一言が相手の信頼を得るきっかけになります。
特性を理解することがもたらす効果
相手の特性を理解すると、お互いの違いを尊重できるようになります。その結果、ギスギスするどころか、「このチームで働けて良かった」と感じられる職場環境が生まれます。
どんな職場でも、違いを認め合うことがチームワークの基盤です。ぜひ、相手の特性を理解する姿勢を持ち、職場全体の雰囲気をさらに良くしていきましょう!
違いを受け入れること、それが良い職場づくりの第一歩です。
タスクを公平に分配する
職場でのタスク分配は、全員が同じ仕事量をこなすことが「公平」だと思われがちです。しかし、実際にはそうではありません。それぞれのスキルやスピード、得意分野に合わせてタスクを割り振ることが、本当の意味での「公平」です。そして、全員が「精一杯努力できる状態」を目指すことが重要です。
具体例:タスク分配の工夫
たとえば、こんな現場を想像してください。
- 経験豊富なベテラン社員には、複雑で責任の大きいタスクを任せる。
- 新人や若手社員には、スキルアップを目的としたサポート的な業務を与えつつ、少しずつ重要な仕事にも挑戦してもらう。
- 得意分野がある人には、その分野を活かせるタスクを積極的に担当してもらう。
このように、各メンバーの特性や能力を考慮しながら役割を調整することで、全体の効率が格段に向上します。
タスク分配を公平にするためのポイント
タスク分配を公平にするためのポイントを紹介します。
- スキルとスピードを見極める
仕事が速い人、丁寧な人、それぞれの特性を把握し、適材適所で仕事を割り振ることが大切です。 - 成長の機会を提供する
新人や経験の浅いメンバーにも、成長につながる挑戦的なタスクを与えることで、やりがいを感じてもらいましょう。 - タスク量のバランスを調整する
忙しい人と余裕のある人が偏らないように、状況に応じてタスクを再分配する柔軟さを持つことがポイントです。
公平な分配がもたらす効果
公平なタスク分配によって、メンバー一人ひとりが無理なく、しかし全力で仕事に取り組むことができます。それが結果的に、職場全体の効率アップや雰囲気の改善につながります。
「公平さ」は、「みんなが同じ」ということではなく、「みんながそれぞれの力を最大限発揮できる環境を作ること」です。
リーダーは公平に、メンバーは信頼を持つ
職場のチームワークを円滑にするためには、リーダーが「公平」に行動し、メンバーがリーダーを信頼することが欠かせません。ここで大切なのは、「平等」と「公平」は同じではない、という考え方です。
平等と公平の違い
「平等」は、全員に同じものを与えること。例えば、10人に同じ100円を配ることが平等です。しかし、「公平」とは、それぞれの状況や能力に応じて必要なものを与えることを指します。
たとえば、次のような状況を考えてみてください:
- 経験豊富なメンバーには、より複雑で責任の重いタスクを任せる。
- 経験の浅いメンバーには、成長の機会を与えるための適度なタスクを提供する。
このように、全員が同じ負担を背負うのではなく、それぞれの状況に合った仕事を割り振ることが「公平」です。
リーダーの役割:公平に配慮する
リーダーは、チーム全体の状況を見極めてタスクを分配することが求められます。その際に意識するべきことは以下の通りです。
- メンバーの能力を把握する
得意分野や苦手分野を理解し、適材適所のタスクを割り振ります。 - 負担の偏りを防ぐ
特定の人だけが忙しくなったり、逆に暇を持て余すことがないよう、タスク量を調整します。 - メンバーの声を聞く
「このタスクが難しい」「もっと挑戦したい」など、メンバーからの意見を受け入れ、配分を見直す柔軟さも必要です。
メンバーの役割:信頼を持つ
一方、メンバーにとって重要なのは、リーダーの判断を信じることです。公平な分配には個人差が生じますが、それはチーム全体のためであることを理解し、自分に与えられた仕事に全力で取り組む姿勢が必要です。
たとえば、「自分だけタスクが多い」と感じることがあっても、その背景にはリーダーの判断があります。その判断を尊重し、自分の役割を全うすることで、チーム全体が前進するのです。
公平と信頼が生み出す効果
リーダーが公平な配分を心がけ、メンバーがその判断を信じて努力する職場では、チーム全体の結束が強まります。互いに信頼し合う関係が築かれ、ギスギスした雰囲気を排除するだけでなく、効率的でやりがいのある環境が生まれます。
職場はみんなで作るもの
職場を良い場所にする力は、そこで働くあなたを含む全員が持っています。お互いを認め合い、信頼し合い、少しずつ歩み寄る。その小さな努力が積み重なることで、「このチームで働けて良かった」と思える環境が生まれます。
想像してみてください。
朝、「おはようございます!」の声が飛び交い、全員がタスクに全力で取り組む。困ったときは助け合い、成功したら「ありがとう!」と笑顔で感謝を伝え合う。そんな明るい職場で働けたら、毎日がもっと楽しく、やりがいに満ちたものになるはずです。
今回お話しした6つのポイントは、その理想の職場を作るための第一歩です。ほんの小さな一歩でも構いません。今日から始めてみてください。 その一歩が、チーム全体を大きく前進させる力になるのです。
「働くのが楽しい」と感じられる職場は、ただの仕事の場を超えて、人生を輝かせる場所に変わります。そんな最高の職場を作るのは、他でもないあなた自身の行動です!
さあ、今日から少しずつ、周りと歩み寄り、認め合い、信頼を深める行動を始めてみましょう。未来の職場は、あなたの一歩で変わります!