時代の進化に伴い、AIというワードに加えて、ChatGPTなどのAIツールが登場したことで、人間の仕事が奪われるのではないかという議論もよく耳にします。
さて、みなさんは50年後の未来を考えたことがありますか?
本記事では建設業を例に挙げながら、職業の未来について考えます。
AIとどのように付き合っていくとよいのかが分かる内容になっています。
ぜひ最後までお読みいただき、建設業界で生き残っていくヒントにしていただけたらと思います。
株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)
【これまでの活動】
- 総合建設業に17年在職後、独立起業。
- 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
- 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
- YouTubeや音声配信、Instagramなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
- 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
AIの影響範囲拡大
はじめに、私はAIに仕事が奪われるということはないのではないかと思っています。
みなさんは50年後の未来を想像したことがありますか。50年も遠い未来となると、何だか別世界のことを考えているような気になりますよね。
実際に、建設業の人に今従事している人たちに「50年後建設業」について尋ねると、ロボットというワードが出てくるのです。
建設業界はね、建物を作ったり、整備したりと物理的な業務が多い業界なので、やっぱりAIが活躍するというよりも、ロボット技術が進行することで仕事が代替えされるという想像をする人が多いのでしょう。
現在3Dプリンターのあるように、これが発展しロボットが人間の建物を作るというような未来はいずれ来ると思います。
しかし、現在でも様々なAIツールがありながらも、建設業とは関係ない、自分の仕事とは無縁だと嫌厭している人が多いのが現実です。
こういう人たちの「50年後はロボットの世界になる」という想像は、あくまで想像でしかないのです。
自分の仕事とロボットやデジタル化が関係ないと考えている人が想像する「50年後のロボットの世界」というのは、いつかどこかのタイミングで一気にロボットに仕事を奪われるというものではないかなと思うのです。
実際に50年後にロボットが活躍する時代になっているのであれば、そこまでには必ず順を追った時代の変化をしているはずなのです。
例えば、まずはデジタル化が可能な業務を見直したり、AIを少し導入してみたり、ちょっとした工具をロボット化してみたりと少しずつ取り入れていき、最終的にロボットが活躍する未来があるはずなのす。いつかどこかでいきなり変わるタイミングがあるなんてことはありえないのです。
だからAIを使っていない人がいつかAIにとって変わられることはないのです。
新たな働き方の可能性
ここまで、AIツールを使いこなしていない人がAIツールに仕事を奪われるということはないのではないかというお話をしてきました。
たしかにChatGPTのようなAIツールはとても優秀なので、巷で騒がれていたように、仕事が奪われそうという気持ちも分かります。
実際に使ってみたことがある方は分かると思いますが、とても便利です。
しかし、AIが皆さんの仕事をガツンと、一気になくしてしまうことはありません。
さて、みなさんはAIツールを利用していますか。実際に使ってみたことがある方は分かっていただけると思うのですが、めちゃくちゃ便利です。
例えば、「ホームページを作る」という業務の中にある「文章を書く」という部分を、これまではライターにお願いしていたところを、AIに的確な指示を出して文章を作ってもらうというような使い方ができます。
本来であれば100ある仕事のうち20を外部にお願いするところ、AIツールを利用することで100自分だけでこなせるようになったということです。
これをひとつの組織の中で考えてみると、10人でしていた業務の一部に対して、AIツールを利用することで3人という人数でこなせるようになるということです。
これはすごいことですが、AIツールを利用して仕事をこなす人が必要なため、この業務に携わる人数が0人になることはないのです。
つまり、10人の7人の人はAIツールによって仕事が奪われたってことになるかもしれません。しかし、3人の人は仕事が生き残っているのです。
つまり、AIツールを利用して、自分の仕事量を増やすことが出来る人が生き残っていくっていうだけの話であって、AIツールによって全ての仕事が一気になくなるという社会は考えづらいということになります。
AI時代に求められるスキル
ここまでお話してきたように、AI化が目まぐるしい現代では、AIの便利さを受け入れ、AIに任せた方が良い業務と自分でやるべき業務を見極めて、生産性を上げられる人間が生き残っていきます。
- 環境に適応できる人
- 新しいものを柔軟に取り入れられる人
- 努力し続けられる人
つまり、今の自分が最高潮である、この仕事にAIは必要ないと考えている人の仕事はなくなっていくでしょう。
新しいものを拒むのではなく、それを使って新たにできる仕事はないのか、今の業務を楽にできる方法はないのかと柔軟に取り入れられる人たちが生産性を上げていく一方で、新しいものを受け入れなかった対面にいる人は、生産性が上げられた結果、必要とされなくなってしまったという状態です。
このように、職業としてなくなるわけじゃなくて、職業の中で徐々に徐々に生産性が上がっていった結果、不必要になる人間が増えていくことになります。
さて、あなたはこの時代の変化をどのように捉え、どのように向き合っていきますか。
まとめ
建設業界においては、物理的な作業を行うロボットの活用が進んでいく可能性がある一方で、現時点ではまだロボットが普及しているわけではありません。
AIやロボットが仕事を奪い取るのではなく、徐々に変化していく中で、人間がAIを活用して生産性を上げていくことが重要だと思います。
ぜひ変革の世の中に身を任せ、自分を高められるように情報収集をしていただければなと思います。新しいものに興味をもち、AIツールの便利さと生産性向上の可能性を考えながら、柔軟に対応し、建設業の明るい未来を目指しましょう。