新人施工管理者必見!建築工事の流れと全体像をわかりやすく解説

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施工管理の仕事を始めたばかりのころは、目の前の作業に追われ、「何のためにこの工程があるのか?」「なぜこの順番で進めるのか?」と疑問に思うことがあるかもしれません。建築現場には多くの職種が関わり、工程同士が複雑に絡み合っています。その全体像が見えていないと、日々の業務がただの「作業」に感じられ、手応えを得にくくなることもあるでしょう。

しかし、施工管理者に求められるのは、単なる作業の監督ではなく、現場全体を俯瞰し、各工程のつながりを理解しながら適切に指示を出すこと。つまり、「全体の流れを知ること」が、施工管理者としての成長を加速させる大きな鍵になります。

この記事では、建築工事の基本的な流れを具体的に解説しながら、あなたの仕事が現場全体のどこに位置しているのかを理解する手助けをします。

この記事を読むメリット

  • 施工管理の基本的な知識が身につく
  • 各工程のつながりを理解し、職人さんたちとのコミュニケーションがスムーズになる
  • 建築業界でのキャリアを築くための土台ができる

少しずつ知識を深め、現場の見え方を変えていきましょう。自信を持って施工管理の仕事に取り組めるよう、ここから一緒に学んでいきましょう。

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株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)

【保持資格】

  • 一級建築士
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【これまでの活動】

  • 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家
  • YouTubeチャンネル建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
  • Instagramや音声配信など多メディアで情報発信
  • 電子書籍出版オンラインセミナーを精力的に実施。
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記事の監修

腕組みをする運営者

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目次

建築工事の流れを理解しよう

建築工事の流れを理解しよう

建築工事は、一つひとつの工程を積み重ねることで完成へと向かっていきます。最初からすべての作業を一気に進めるわけではなく、基礎工事から始まり、骨組み、外装、内装、仕上げへと順序立てて進めることが重要です。それぞれの工程は次の工程を成功させるための土台となるため、どの段階でも慎重に作業を進めることが求められます。では、それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。

基礎工事:建物の土台をつくる

建築工事の最初に行われるのが「基礎工事」です。この工程では、建物を支えるための土台をつくります。基礎工事の出来が建物全体の耐久性や安全性に直結するため、慎重に進める必要があります。

まず、「遣り方(やりかた)」と呼ばれる作業を行います。これは建物の正確な位置を示すために杭を打ち、水糸を張る作業で、これがずれると基礎そのものの位置が変わってしまうため、慎重な確認が必要です。その後、基礎を作るために地面を掘る「掘削作業に移ります。地盤が弱い場合には、柱状改良や表層改良といった地盤改良を行い、建物を支える強固な土台を整えます。

次に、「地業(じぎょう)」として砕石や砂利を敷き詰め、転圧機で固めることで地盤を安定させます。この作業によって基礎が沈み込むリスクを減らし、建物全体の耐久性を高めるのです。さらに、「鉄筋工事」で鉄筋を組み、コンクリートを流し込む準備を進めます。型枠を組み立て、設計通りの形になるよう調整し、最後にコンクリートを流し込む「打設(だせつ)」を行います。ここでは、コンクリートが隅々まで行き渡るようにバイブレーターを使って振動を与え、空気を抜きます。

コンクリートが固まった後、型枠を解体し、基礎の周囲に掘削した土を戻す「埋め戻し作業」を行います。これで、基礎工事は完了となり、次の骨組み工事へと進んでいきます。

基礎工事のポイント

  1. 遣り方(やりかた) – 建物の位置を正確に示す(杭打ち・水糸張り)。
  2. 掘削作業 – 基礎の深さを確保し、必要に応じて地盤改良を実施。
  3. 地業(じぎょう) – 砕石や砂利を敷き、転圧機で固めて地盤を安定させる。
  4. 鉄筋工事 – 鉄筋を組み、強度を確保する。
  5. 型枠工事 – コンクリートを流し込むための枠を設置。
  6. コンクリート打設 – 振動を加えながらコンクリートを流し込み、空洞を防ぐ。
  7. 型枠解体・埋め戻し – コンクリート硬化後、型枠を外し、掘削した土を戻して整地。

基礎工事がしっかりしていると何が変わるのか?

  • 建物の耐久性が向上 → 長期間にわたって安全に使用できる
  • 地震に強い建物になる → 耐震性の高い基礎が災害時の被害を軽減
  • 不同沈下を防げる → 長年使っても建物が傾かない

基礎工事は、見た目には地味な工程ですが、建物の強度・安全性を決定づける重要な役割を果たします。しっかりとした基礎がなければ、その上にどれだけ立派な建物を建てても、長く持たないのです。

骨組み工事(躯体工事):建物の骨をつくる

基礎工事が完了すると、次に「骨組み工事(躯体工事)」に入ります。この工程では、建物の構造をつくる作業が進められ、建物の形が目に見えるようになってきます。

建物の構造によって、使用する材料や工法は異なります。例えば、木造建築では木材を組み立てる「建て方」が行われ、最近では精度の高いプレカット工法が主流になっています。一方、鉄骨造建築では、鉄骨をクレーンで吊り上げて組み立て、接合部分をボルトや溶接で固定します。鉄筋コンクリート造(RC造)の場合は、鉄筋を組み、型枠を設置してコンクリートを流し込む作業を繰り返しながら、1階ずつ積み上げていく形になります。

この工程は、建物の耐震性や耐久性に関わる重要な部分であり、正確な施工が求められます。また、高所作業が増えるため、安全管理の徹底も欠かせません。足場の設置や安全ネットの使用、作業員の安全装備の確認を行いながら、慎重に作業を進めることが必要です。

骨組み工事(躯体工事)がしっかりしていると何が変わるのか?

  • 建物の強度が向上する → 外部からの荷重や風圧に耐え、構造が安定する
  • 地震に強い建物になる → 耐震性の高い骨組みが揺れを吸収・分散し、倒壊リスクを軽減
  • 施工の精度が仕上げ工事の品質に直結する → 骨組みが正確に施工されていれば、内装や外装の仕上がりも美しくなる
  • 長期的な維持管理がしやすくなる → 強固な躯体は、補修や改修の頻度を減らし、メンテナンスコストを抑えられる

骨組み工事は、建物の「骨格」として機能するだけでなく、耐久性や耐震性、さらには最終的な仕上がりの質にも影響を与える極めて重要な工程です。ここでの施工精度が、建物全体の品質を決定づけるといっても過言ではありません。

外装工事:建物を雨風から守る

骨組み工事が終わると、次に「外装工事」に移ります。ここでは、建物を外部環境から守るために、屋根や外壁の施工が行われます。

まず、屋根工事では防水シートや瓦、金属板などを使用し、雨水が建物内部に浸入しないように処理を施します。屋根は建物の最上部にあり、直接雨や紫外線を受ける部分なので、防水性能が特に重要となります。

次に、外壁工事では断熱材を施工した後、サイディングボードや塗り壁などの外装材を取り付けます。これによって、建物の外観が整うとともに、内部を雨風や寒暖差から守る役割を果たします。

外装工事がしっかりしていると何が変わるのか?

  • 雨風や紫外線から建物を守る → 屋根や外壁がしっかり施工されていれば、雨水の侵入を防ぎ、構造の劣化を防止できる
  • 断熱・気密性が向上する → 適切な外装工事により、冷暖房効率が高まり、快適な室内環境を維持できる
  • 建物の耐久性が向上する → 防水・防腐対策を施すことで、長期間にわたり劣化しにくい建物になる
  • 建物のデザインが完成する → 外観の仕上がりが決まる工程であり、見た目の美しさや個性を演出できる

外装工事は、単に建物を「覆う」だけの作業ではありません。防水・断熱・耐久性の向上といった重要な役割を持ち、建物の寿命や住み心地に直結する工程です。ここでの施工品質が低いと、雨漏りや結露、外壁のひび割れといった問題につながり、長期的なメンテナンスコストが増える可能性があります。建物の性能を最大限に引き出すために、外装工事の精度は極めて重要なのです。

内装工事:快適な空間をつくる

外装工事が完了し、建物内部が雨風の影響を受けない状態になったら、「内装工事」に移ります。この工程では、天井や壁の下地をつくり、配管や配線を施工していきます。

まず、石膏ボードを取り付けて、壁や天井の下地をつくります。この下地が整った後、断熱材を施工することで、室内の快適性を高めます。また、電気配線や給排水管の工事もこの段階で行い、スイッチやコンセントの配置が決まります。

内装工事が進むにつれて、建物の内部が「部屋らしい」形になり、生活や利用のイメージがしやすくなっていきます。

内装工事がしっかりしていると何が変わるのか?

  • 住み心地・使い心地が大きく変わる → 適切な断熱・遮音施工により、快適な室内環境を実現
  • 機能的で使いやすい空間になる → 配管・配線を適切に施工することで、電気や水回りのトラブルを防ぎ、利便性の高い空間を作れる
  • 仕上げの美しさが決まる → 壁や天井の下地がしっかりしていると、クロスや塗装の仕上がりがきれいになり、高級感や統一感が生まれる
  • 建物の寿命やメンテナンス性が向上する → しっかりとした施工により、ひび割れや劣化を防ぎ、長く快適に使える

内装工事は、建物の「使い心地」を左右する重要な工程です。骨組みや外装がしっかりしていても、内装の施工が雑だと、暮らしにくさや使い勝手の悪さにつながります。住む人・使う人の目線に立って施工することが、質の高い空間をつくるカギとなるのです。

仕上げ工事と外構工事:最終的な完成へ

建物内部の下地工事が終わると、最終的な「仕上げ工事」に進みます。この工程では、床材や壁紙の貼り付け、塗装、照明器具や設備の設置が行われ、実際に目に見える部分の仕上げが施されます。

また、建物の周囲では「外構工事」が並行して進められます。駐車場の舗装や庭の整備、フェンスの設置などが行われ、建物の外観が最終的な形に仕上がっていきます。

仕上げ工事と外構工事がしっかりしていると何が変わるのか?

  • 建物の見た目が完成し、印象が決まる → 内装の仕上げや外構が整うことで、建物のデザインが際立ち、第一印象が大きく向上する
  • 使い勝手や快適性が最終調整される → 床や壁の仕上げ、設備の設置が完了し、実際に住む・使う人が快適に過ごせる環境が整う
  • 耐久性やメンテナンス性が向上する → 適切な塗装や仕上げ材の選定により、劣化しにくく、長期間美しさを保てる
  • 建物全体のバランスが整う → 外構工事によって駐車場や庭、フェンスなどが施工され、建物と周囲の環境が調和し、機能的な空間が完成する

仕上げ工事と外構工事は、建物が「完成形」として機能するための最終工程です。どれだけ基礎や骨組みがしっかりしていても、仕上げが雑では建物の価値が半減してしまいます。見た目だけでなく、使いやすさや耐久性にも直結する工程のため、細部までこだわることが重要なのです。

完成と引き渡し

すべての工事が完了したら、建物の品質を確認するための最終検査が行われます。施工者による「社内検査」を経て、設計事務所や発注者の確認が行われ、問題がなければ建物の「引き渡しが行われます。

建築工事のすべての工程が終わり、建物が完成する瞬間は、現場に関わったすべての人にとって達成感を味わえる特別な時間です。長い時間をかけて進めてきた工事が形となり、人々の生活や仕事を支える空間として機能するようになるのです。

建築工事は、多くの工程が連携しながら進められるものです。それぞれの作業が次の工程につながり、すべての工程が適切に行われることで、安全で快適な建物が完成します。施工管理者としては、これらの流れをしっかりと理解し、現場を円滑に進めることが求められます。

施工管理が全体像を知ることの大切さ

全体像を知ることの大切さ

建築現場は、一つの工程が次の工程へとバトンを渡しながら進んでいく「つながりのある仕事」です。だからこそ、全体の流れを理解することは、施工管理者にとって欠かせないスキル。

現場での自分の役割を明確にし、より的確な判断ができるようになるだけでなく、仕事への意識やスキルが格段に向上します。単なる作業の積み重ねではなく、「建物を完成させる」という大きな目標に向かって、自分の仕事がどう影響を与えているのかを知ることが、成長の鍵となるのです。

自分の仕事の「本当の価値」に気づく

建築の仕事は、目の前の作業をこなすだけではなく、その「意味」を理解することが重要です。

たとえば、基礎工事を担当している場合、それはただコンクリートを流し込むだけの作業ではありません。建物の安定性を左右する最も重要な部分であり、ここがしっかりしていなければ、後の工程にまで悪影響を及ぼします。逆に言えば、基礎が完璧ならば、その上に続く工程のクオリティも格段に向上するのです。

「自分の仕事が建物全体を支えている」その意識を持つだけで、仕事への向き合い方が変わります。

全体を見渡すことで、先を読む力が身につく

建築現場には、多くの職人や技術者が関わり、それぞれの専門技術を活かして建物を作り上げていきます。その流れを理解することで、単なる作業員から「現場を動かせる存在」へとステップアップできます。

例えば、配管工事が遅れれば、内装工事が始められない。鉄筋工事の精度が低ければ、コンクリート打設後の強度に問題が出る。こうした因果関係を把握していれば、「どこに問題が起こりやすいのか」「今のうちに何をしておけばスムーズに進むのか」を予測し、適切な対策を打つことができます。

この「一歩先を読む力」が、施工管理者としての大きな武器になるのです。

将来のキャリアを切り拓くための「基盤」になる

施工管理者の役割は、ただ指示を出すことではありません。現場全体を俯瞰し、的確に調整する能力が求められます。

しかし、もし全体像を理解していなければ、的外れな指示を出したり、トラブルが発生しても適切な判断ができなかったりするでしょう。逆に、各工程のつながりをしっかり理解していれば、職人たちに信頼され、現場のコントロールがスムーズになります。

「この人の指示なら安心だ」と思われる施工管理者になるためには、全体を把握する力を養うことが不可欠です。

まとめ

建築工事は、基礎から仕上げ、そして引き渡しまで、一つひとつの工程が次の工程へとつながりながら進んでいきます。施工管理者として、その流れを理解することは、自分の仕事の価値を知り、現場を円滑に進めるために欠かせません。

全体像を把握することで、次のような力が身につきます。

  • 自分の仕事の意義を理解し、責任感を持てる
  • 先を見通し、問題を未然に防ぐ力がつく
  • 職人さんや他のスタッフと円滑に連携できるようになる

最初は分からないことばかりかもしれませんが、知識と経験を積み重ねることで、確実に成長できます。

「この人の指示なら安心だ」と思われる施工管理者へ。
目の前の作業だけでなく、建築全体の流れを意識しながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

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