【建設業の現場管理】ルールを増やすと品質は下がる?本当に必要な改善策とは

「ルールを増やせば品質が落ちる!?」の見出し画像

建設業の現場では、事故や失敗が起きると必ず「再発防止策」が取られます。多くの場合は、チェックリストや書類を増やすといった対応です。もちろん安全や品質を守るために必要なことですが、実際の現場では 「ルールが増える=仕事量が増える」 という現実に直面します。

限られた時間や人員の中で、ただでさえ多忙な現場監督にさらに負担を強いることは、逆に品質や安全を低下させるリスクにもつながりかねません。

この記事では、

  • なぜ「ルールを増やすこと」が品質低下につながるのか
  • 建設業の現場における「有限の資源(お金・人材・時間)」の考え方
  • 本当に効果のある再発防止策や改善策とは何か

について解説します。

読むことで、 「品質を守るために必要なのは、単なるルール追加ではなく、現場に合った見直しや効率化である」 という視点を得られるはずです。
現場を預かる管理職の方や、改善施策を考える経営層の方にとっても、明日からの取り組みに役立つヒントとなるでしょう。

株式会社 RaisePLAN 代表取締役
武田 祐樹(たけだ ひろき)

【保持資格】

  • 一級建築士
  • ー級建築施工管理技士
  • 一級土木施工管理技士

【これまでの活動】

  • 総合建設業で施工管理として17年勤務後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業庁「デジタル化応援隊事業」のIT専門家
  • YouTubeチャンネル建設業を持ち上げるTV』を運営し、登録者1.2万人を獲得。教育特化長尺動画が8万回再生を突破。
  • Instagramや音声配信など多メディアで情報発信
  • 電子書籍出版オンラインセミナーを精力的に実施。
  • 2023年3月、AbemaPrime出演で現場効率化施策が注目。

記事の監修

腕組みをする運営者

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目次

事故や失敗の後に増える「チェックリスト」と「書類」

建設業の現場では、事故やミスが起きると必ず「再発防止策」が求められます。
その代表的な対応が、チェックリストの追加報告書の義務化 です。

例えば、

  • 転落事故が起きれば「安全帯装着チェックリスト」が増える
  • 工程の遅れが出れば「進捗確認書」の提出を義務化する
  • ミスが発覚すれば「完了報告書」や「是正記録」を追加する

といった具合に、現場で扱う書類や確認項目はどんどん増えていきます。

これらの取り組みは「二度と同じ失敗を繰り返さない」という目的のためには確かに有効です。しかし、新たなチェックや書類作成に必要な作業時間や労力は、どこから捻出されているのでしょうか?

現場の忙しさはそのままに、業務だけが積み重なっていくと、結局は「本来やるべき品質管理や安全確認の時間」を削らざるを得なくなるのです。

建設業で見落とされがちな「有限の資源」

企業が持つ資源には限りがあります。

  • お金:新たなルールを導入するには、チェック体制の構築や書類フォーマットの作成、システム導入といったコストが必ず発生します。
  • 人材:人手不足が慢性化している建設業界では、一人ひとりの業務負担がすでに大きく、余裕を持った体制を取りにくいのが現状です。
  • 時間:特に現場監督は、朝礼から安全確認、工程管理、協力業者との打ち合わせまで、1日のスケジュールが分刻みで組まれています。そのため長時間労働が常態化しがちです。

こうした限られた資源の中に、さらに「追加のチェック」や「新しい書類作成」が加わるとどうなるでしょうか。

例えば、

  • 書類対応に追われて現場巡回の時間が削られる
  • 書類作成を優先して職人との打ち合わせが十分にできない
  • 時間を捻出するために残業や休日出勤で対応する

といった形で、しわ寄せはすべて現場にのしかかります。
その結果、本来守るべき品質や安全確認がおろそかになる という本末転倒な事態を招きかねないのです。

コップの水はすでに満杯 ― ルール追加の危険性

建設業の現場は、すでに満杯のコップのような状態です。
工程管理、安全確認、品質検査、職人への指示、発注者への報告……ただでさえ一日のスケジュールはギリギリに詰まっています。

そんな中で「新しいチェックリスト」や「追加の報告書作成」を求められるのは、満杯のコップにさらに水を注ぐようなものです。結果的に、どこかから水があふれてしまいます。

その「あふれた水」は、具体的に次のようなリスクとなって現れます。

  • 安全確認の質が落ちる
    例えば、本来なら朝の巡回で全ての足場や仮設設備を丁寧に確認する時間があったのに、書類対応に追われて一部しか見られなくなる。小さな見落としが大事故につながる危険があります。
  • 施工品質が低下する
    職人からの質問や相談に十分に時間を割けなくなり、「思い込み施工」や「確認不足のまま作業続行」が増える。結果として仕上がり精度にムラが出たり、手直しが必要になったりします。
  • 従業員が疲弊し、離職につながる
    時間を捻出するために残業や休日対応が増え、体力的にも精神的にも追い込まれてしまう。特に若手社員は「この業界はずっとこうなんだ」と失望し、離職につながるケースも少なくありません。

つまり、ルールを「増やすこと」が必ずしも品質や安全の向上につながるわけではありません。むしろ、現場を圧迫し、逆にリスクを高めてしまう可能性があるのです。

建設業の現場で本当に必要な改善策

建設業の現場で本当に必要な改善策事故や失敗の再発防止は当然大切です。しかし、形だけのルール追加は逆効果になり、現場の疲弊や品質低下を招く恐れがあります。そこで大事なのは、次の3つの視点です。

1. ルールを増やすなら必ず「何かを減らす」

新しいチェックリストや報告書を導入する前に、既存の業務を見直す必要があります。

例えば、

  • 似た内容の安全書類が複数存在するなら統合する
  • 毎日提出している報告を週単位や工程ごとにまとめる
  • 紙の二重チェックをやめて、現場代理人だけの確認に一本化する

といった形で、不要な業務を削減してから新しいルールを加えることで、現場への負担を最小限に抑えられます。

2. デジタル化で効率を高める

従来の「紙の書類管理」や「口頭報告」に頼っていては、チェックや報告に時間がかかりすぎます。

そこで、

  • 施工図や申請書類の電子化:タブレットでその場確認が可能に
  • 現場アプリの活用:写真付きで進捗報告でき、書類作成の手間を削減
  • クラウド共有:同じ資料を何度もメールで送る手間を省ける

こうしたデジタル化を進めることで、1時間かかっていた作業が15分に短縮されるケースも珍しくありません。浮いた時間を本来の品質管理や安全巡回に充てることができます。

3. 現場の声を反映する

ルールを作るのは管理部門や上層部ですが、実際に運用するのは現場の監督や職人です。現場の声を無視したルールは「机上の空論」になりがちです。

例えば、

  • 書類提出の手順を決めるときに現場監督を交えて検討する
  • 若手社員に試験的に運用してもらい「実際にやってみて大変かどうか」を確認する
  • 職人から「このチェック項目は形骸化している」と指摘があれば柔軟に削除する

このように現場負担を理解したうえでルールを設計することで、初めて効果的に機能します。

まとめ:ルールは「増やす」より「見直す」が大切

建設業の現場は、すでに人手不足や長時間労働で限界に近い状況にあります。
そこに新たなルールや書類を追加するのは、品質を高めるどころか逆に低下させる危険性すらあります。

だからこそ大切なのは、

  • 増やす前に減らす
  • 効率化で余裕をつくる
  • 現場の実情を踏まえる

この視点を持って改善策を講じることです。

あなたの現場でも「ルールを増やすこと」ばかりになっていませんか?
ぜひ一度、今の業務フローを見直し、 品質向上につながる本質的な改善 を考えてみてください。

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