上手に生きていく上で、大切にしなければいけない「有限な物」と言えば何でしょうか?
限りがある物と言えば、健康やお金、時間や友人など、いくつか思い当たる物はあります。この中で、社会人として働く上で最も大切なものは何かと問われると、僕は「時間」と答えます。
この時間に対する価値観をしっかりと持っている人は、仕事もできる人が多いと感じます。と言いますか、仕事のできない人は共通して時間に対する価値がわかっていないと感じます。
お金や健康も確かに大切ですが、工夫次第によっては良くも悪くもなり、増やすことも減らすことも可能です。ですが、時間だけはどうしようもありません。とどまることなく流れ続ける時間を、早めることも止めることもできないのです。
その時間の価値を、可能な限り高めることによって、健康もお金もついてくることになります。もちろん僕にとってもそうですが、それは誰にとっても同じ事なのです。
そんな時間を軽んじている人は少なからずいます。「暇つぶし」という言葉で分かる通り、必要と感じない時間を湯水のように垂れ流している人は、少なくないと感じます。きっとそういう時間の価値観なのだと思います。
当然、自分の時間をどう使おうが皆さんの勝手です。ですが、そういう自分勝手な時間の価値観を、他人にも押し付けてしまう時はありませんか?思い当たらないでしょうか。
例えば、上司に質問をする時を思い浮かべてみて下さい。まとまっていない内容をだらだら時間をかけて説明し、何を答えて欲しいかもよく分かっていない。そんな「時間つぶし」をしていないでしょうか。
例えば、後輩に対して何の生産性もない説教をぐだぐだと続け、よく考えると何も解決しているわけでも前進しているわけでもない。そんな「時間つぶし」をしていないでしょうか。
先ほども言いましたが、自分の時間をどう使おうが自分の勝手です。
ただ、その価値観をみんなが持っていると思うのであれば大間違いです。そうやって何気ないやり取りの中で、自分のみならず、相手の時間を奪う行動をとる人は、もれなく仕事ができない人だと感じます。
先輩の時間を奪わない様に、出来る限り端的に返答が来るような話し方をしてみる。そのために資料を揃えてみる。そういう感覚を持って欲しいと思います。
相手の時間をできるだけ減らさない様に、打ち合わせは的を絞ったり、不必要なやりとりをしなくて済むように事前に協議をしておく。そんな工夫があって欲しいと思います。
そうやって相手の時間を知らずに奪ってしまわない様な努力を日々している人の事を、僕は「できる人」と呼んでいます。そしてそれができる人は、自分の時間を使うのも上手いと感じます。
ムダな会議はないだろうかと、本気で考える人とそうではない人は、この時間の価値に影響します。メールは極力避け、チャットツールでやり取りをしようと考える人も、良く考えていると感じます。
ゲームやパチンコなどに依存し、時間もお金も奪われながら、後には何も残らないという生き方をしている人も少なくありません。そういう人に限って、他人の時間も奪っています。
そんな中、空き時間を見つけては本を読んだり新しい経験をしてみたり。仕事の時にも積極的にインプットとアウトプットを行う。そういう人は、時間の価値をしっかりと見ることができており、当然ながら他者の時間を奪わない様に努力をしています。
時間の価値を高めるというのは、すなわち人生の価値を高めることです。
そりゃそうですよね。人生とは時間なのですから。そして時は金なりなんて言いますが、時間の価値がわかっている人には、しっかりとした資産も残っていくように感じます。
時間の価値を理解し、自分にも周りにも良い影響を与えられる人間になりたいものだと、常々思っています。