中小建設会社は、DXを勘違いしている

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2020年4月から始まった残業規制が定着しつつありますが、皆さんの企業ではうまく対応できているでしょうか?多くの会社がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいますが、大企業に比べて中小建設会社では「何とかしなければならない」という焦りを感じている方が多いのではないかと思います。

しかし、私の目から見ると、ほとんどの会社がDXを誤解しているように思います。「新しいデジタルツールを使わなければならない」や「最新技術を導入しなければならない」という考えにとらわれ、高価な機器やツールを導入することに注力してしまう会社が多いのです。これは大きな勘違いです。

今回のテーマは「中小建設会社のDXの勘違いを正す」です。この誤解を解かない限り、いくらお金や労力をかけても仕事が楽になるどころか、むしろ悪化し、残業が増える可能性すらあります。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

デジタル化の目的を再確認

DXとは、デジタル技術を活用して変革を起こすことを意味します。しかし、多くの企業がデジタルツールを導入すること自体が目的となり、デジタル化が業務を効率化するための手段であることを忘れがちです。ここで改めて確認したいのは、DXの本来の目的は以下の2つです。

  1. データ化による活用の幅の拡大
  2. ネットワーク活用による距離の削減

デジタル化すること自体が目的ではなく、データ化と距離の削減を通じて、会社の働き方に大きな変革をもたらすことが真の目的です。

デジタル化の具体的なステップ

具体的なデジタル化の手順について詳しく見ていきましょう。

ステップ1: 資料のデータ化

まず、現場にある紙の資料をデジタル化することから始めます。例えば、以下の方法があります。

  • スキャンしてPDFにする: 紙の書類をスキャンしてPDFファイルに変換します。これにより、電子化された書類は簡単に検索・共有が可能になります。
  • Excelに入力する: 手書きのデータや紙の表をExcelに入力し、デジタルデータとして管理します。Excelはデータの集計や分析に便利です。

このように、紙の資料をデジタルデータに変換することで、情報の検索や共有が迅速に行えるようになります。

ステップ2: クラウドへの保存

デジタル化したデータをクラウドに保存することで、どこからでもアクセス可能な状態にします。クラウドストレージを利用することで、データの安全性とアクセスの利便性を高めることができます。

  • クラウドストレージの活用: Google Drive、Dropbox、OneDriveなどのクラウドストレージサービスを利用して、デジタルデータを保存・共有します。
  • アクセス権の管理: データのセキュリティを確保するために、アクセス権を適切に設定し、必要な人だけがデータにアクセスできるようにします。

ステップ3: データの活用

デジタル化されたデータを有効に活用することで、業務の効率化を図ります。

  • 遠隔地からのアクセス: クラウドに保存されたデータは、インターネットがあればどこからでもアクセスできるため、リモートワークが可能になります。これにより、現場にいないスタッフも業務に参加できるようになります。
  • データ分析と活用: デジタルデータを活用して、業務の分析や改善を行います。データに基づいた意思決定ができるようになるため、業務の質が向上します。

DXの本当の目的

DXの目的は、ただデジタルツールを導入することではありません。データ化とネットワークの活用により、物理的な距離を超えて効率的に業務を進めることです。これにより、現場でしかできなかった業務が他の場所でも行えるようになり、残業が減り、仕事の効率が向上します。

データ化の重要性

データ化は、業務の効率化と情報の一元管理を可能にします。例えば、紙の資料をデジタル化することで、情報の検索や共有が迅速に行えるようになります。また、デジタルデータは簡単にバックアップを取ることができ、情報の紛失リスクを減らすことができます。

距離の削減

ネットワークを活用することで、物理的な距離を超えて業務を行うことが可能になります。例えば、クラウドストレージを利用することで、遠隔地にいるスタッフもデータにアクセスでき、リモートで業務を行うことができます。これにより、現場にいないスタッフも業務に参加できるため、業務の効率化が図れます。

まとめ

中小建設会社のDX推進は、デジタルツールの導入自体が目的ではなく、それをどう活用するかが鍵です。データ化と距離の削減を意識し、効率的な働き方を実現しましょう。

今回のテーマ「中小建設会社のDXの勘違いを正す」が皆さんの参考になれば幸いです。今後もDXに関する情報を提供していきますので、ぜひご覧ください。

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